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23.一夜明けて
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「うぐう……」
エレインは、ベッドの上で色気も何もない声を出す。臣下たちに解散を促して戻って来たアルフォンスは、それを聞いて吹き出した。
「どうした。気持ちよくなかったか」
「わかっていらっしゃるのに、そんなことを聞くのですか……」
「素直に認めるんだな?」
「……わたしは、いつでも、大体は素直です」
と、いくらかエレインはむすっとして答える。アルフォンスは声をあげて小さく笑った。
「そうか。では、感想を教えてもらおうか」
「素直ですが、なんでも口に出したいわけではありません」
「なるほど」
「その……これから、続きをなさるのですか? いくら知識がないわたしでも、あなたがことに至っていないことはわかっています」
そう言って、エレインはベッドの上に座って、立っているアルフォンスを見上げる。
「いい。最初からそのつもりだった」
「えっ」
「あなたに先に言っておけば、逆に意識をしてしまいそうだったので黙っていたが。さすがにな。あなたの中に精を放っても許されるほど、まだわたしはあなたを知らないし、あなたはわたしを知らないだろう」
「!」
アルフォンスのその言葉に、エレインは驚きの表情を浮かべた。
「休戦から今日まですべてが性急すぎただろう。それも、あなたは特に。その激流のままで、あなたと交わってはいけないと思ったのだ。契約結婚であっても、わたしはあなたを大切にしたいと思っているのでな」
「あっ……あの……ありがとう、ございます」
「だが、あなたがどうしてもと言うなら」
彼のその言葉で、エレインは「ふっ……」と息を呑みこんだ。それからおずおずと「どうしても、とは言いませんが」と言って瞳を伏せる。
「うん。今日は疲れただろうしな。また、次の機会にしよう。泣かせてすまなかったな」
そう言って、アルフォンスはエレインの額に口づけをした。何故そんなことをするのか、エレインにはさっぱりわからなかったけれど「はい」と相槌を打つ。
「アルフォンス様。これは、このまま、ここで眠るものなのですか……? 随分ベッドが……その……」
濡れている。考えていなかったが、こんなぐしゃぐしゃになったシーツの上で眠るなんて、初夜と言うものはとんでもないものだ……そうエレインは思った。それと同時に、それらがみな自分の体から放たれたものだと思えば、いたたまれない。
「隣に行こう」
「隣……? アルフォンス様の、二つ目の私室ですか」
「二つ目の私室といえば聞こえはいいものだが。何かと言えばただの寝室のようなものだ。ベッドがあるのでな……」
そう言うと、アルフォンスはエレインを抱き上げようとした。彼女はそれを拒んで「自分で歩けます」と体を起こした。
「っ……!」
軽々と彼はエレインの体を抱き上げる。裸体のまま彼に運ばれ、エレインは「本当にこの人の前ではわたしはただの女なのだな」と実感をする。自分は女性としては少しだけ大柄だ。だが、アルフォンスは男性の中でもしなやかで逞しい体躯で、そんな自分を軽々と抱えてしまう。それが、なんとなく気恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
そうして、2人は隣室のベッドで、まるで何事もなかったかのように朝までぐっすりと眠りについたのだった。
「……どういうことなのか……」
翌朝、エレインが目覚めれば、アルフォンスの姿は既になかった。仕方がない、と彼女も起き上がり、寝室を通過して部屋に戻る。
「たったあれだけなのに、腰が痛いなんて……まさか眠っている間に続きをされた……わけでもないだろうに」
いや、ない。ないはずだ。そもそも自分は筋力にはそれなりに自信はあった。それでも腰がだるいというのは、相当なものだ。それほど、性交中には無理な体勢で腰を持ち上げていたのだけれど、正直なところ記憶がない。
(あれで、その……いたしていないということは……)
知識があまりないエレインでも、2人が本当に繋がったならば、男性が「動く」らしいことは曖昧でも理解をしていた。何をどうしてそうなるのか、ということは置いておいて。そして、昨晩はそこまでたどり着かなかったというのに腰が痛む。
(大変だな……ちょっと、運動をして筋力を戻さなければいけないかもしれない……)
何がどう大変なのかははっきりとわかっていなかったが、漠然とそう思うエレイン。ふう、と息を整えてからベルを鳴らせば、マーシアが飛んできた。
「おはようございます、王妃様」
「おはよう。今日からまたよろしく」
「はい!」
「着替えを」
「かしこまりました。あの、本日、王太后様とのご面会があると陛下から仰せつかっております」
「王太后様と?」
ようやくか、と思う気持ちと、会いたくない、と思う気持ち、両方が湧き上がって来た。が、回避できるわけはないとも思う。
「王太后様は、今はどちらでお過ごしなのか? 幽閉されていたと聞いていたのだが……」
「はい。王妹バーニャ様の輿入れと共に、お二人でお暮しになっていた部屋から出て、現在は月華の棟にいらっしゃいます」
月華の棟。エレインはこの王城に来てからあまり自分がいる離れから出ていない。話を聞けば、この王城は中心となる居館と呼ばれる主だった建物以外に、別の棟が4つある。そして、それらはコの字型の回廊で繋がっており、その中央に居館があるというわけだ。ちなみに、居館と言っても今現在はそこで寝泊まりをする者はほとんどいない。居館の一階はほぼ執務の場であり、謁見の間がある建物だ。そして、舞踏会などを開く大広間がある。二階は居住区であったが、執務とプライベートを分けたい王族たちは、それぞれの棟に住んでいたのだと言う。
エレインが昨日までいた「離れ」は側室用として、その居館からその回廊に出て、更に外側にあり、城壁の内側には同じような離れが他に2つあるらしい。そのうちの1つに幽閉されていたのだが、現在は回廊の角の一つ、月華の棟にエリーストと共に住んでいるということだ。もう一つの棟は国賓用で普段は使われておらず、更にもう一つの棟は先日まではアルフォンスが使っていた。
「この棟は奥まった位置にありますが、月華の棟は居館よりも城門に近い位置にせり出しています。対角線上なので、一番離れていますね」
ついでとばかりに「この棟は光彩の棟と言われておりますよ」と説明をしてもらう。それすら初耳だ。アルフォンスは「特別棟」と言っていたが……と尋ねれば
「そうですね。ここは回廊で繋がる棟の中で一番大きな棟です。それに、居館への行き来もしやすいですし、他の棟とは違います。陛下とエレイン様に相応しい棟と言えますよ。生前クリスティアン様もお使いでしたが、その部屋はまだ整理が終わっていません」
と返された。この棟は渡り廊下を使って居館とすぐ行き来が出来るようになっているが、他の棟は回廊をぐるりと回って決まった場所からしか行き来が出来ないのか。色々と城内のことも勉強をしなければいけないな、とエレインは「そうか……」と小さく呟く。
一つの棟にどれほどの部屋があるのかはよくわからなかったが、正直なところガリアナ王城にいたエレインからすると「多すぎる。広すぎる」と思わざるを得ない。
それはともかく、どうやらその「月華の棟」に午後からアルフォンスと共に離れを訪問して、面会をすることになるらしい。その時に、アルフォンスの弟とも会えるとのことだった。
「なので、本日も最高のエレイン様に仕上げさせていただきますね……!」
と、やる気満々のマーシアに、とりあえずエレインは「ほどほどに……」と苦笑いを見せたのだった。
エレインは、ベッドの上で色気も何もない声を出す。臣下たちに解散を促して戻って来たアルフォンスは、それを聞いて吹き出した。
「どうした。気持ちよくなかったか」
「わかっていらっしゃるのに、そんなことを聞くのですか……」
「素直に認めるんだな?」
「……わたしは、いつでも、大体は素直です」
と、いくらかエレインはむすっとして答える。アルフォンスは声をあげて小さく笑った。
「そうか。では、感想を教えてもらおうか」
「素直ですが、なんでも口に出したいわけではありません」
「なるほど」
「その……これから、続きをなさるのですか? いくら知識がないわたしでも、あなたがことに至っていないことはわかっています」
そう言って、エレインはベッドの上に座って、立っているアルフォンスを見上げる。
「いい。最初からそのつもりだった」
「えっ」
「あなたに先に言っておけば、逆に意識をしてしまいそうだったので黙っていたが。さすがにな。あなたの中に精を放っても許されるほど、まだわたしはあなたを知らないし、あなたはわたしを知らないだろう」
「!」
アルフォンスのその言葉に、エレインは驚きの表情を浮かべた。
「休戦から今日まですべてが性急すぎただろう。それも、あなたは特に。その激流のままで、あなたと交わってはいけないと思ったのだ。契約結婚であっても、わたしはあなたを大切にしたいと思っているのでな」
「あっ……あの……ありがとう、ございます」
「だが、あなたがどうしてもと言うなら」
彼のその言葉で、エレインは「ふっ……」と息を呑みこんだ。それからおずおずと「どうしても、とは言いませんが」と言って瞳を伏せる。
「うん。今日は疲れただろうしな。また、次の機会にしよう。泣かせてすまなかったな」
そう言って、アルフォンスはエレインの額に口づけをした。何故そんなことをするのか、エレインにはさっぱりわからなかったけれど「はい」と相槌を打つ。
「アルフォンス様。これは、このまま、ここで眠るものなのですか……? 随分ベッドが……その……」
濡れている。考えていなかったが、こんなぐしゃぐしゃになったシーツの上で眠るなんて、初夜と言うものはとんでもないものだ……そうエレインは思った。それと同時に、それらがみな自分の体から放たれたものだと思えば、いたたまれない。
「隣に行こう」
「隣……? アルフォンス様の、二つ目の私室ですか」
「二つ目の私室といえば聞こえはいいものだが。何かと言えばただの寝室のようなものだ。ベッドがあるのでな……」
そう言うと、アルフォンスはエレインを抱き上げようとした。彼女はそれを拒んで「自分で歩けます」と体を起こした。
「っ……!」
軽々と彼はエレインの体を抱き上げる。裸体のまま彼に運ばれ、エレインは「本当にこの人の前ではわたしはただの女なのだな」と実感をする。自分は女性としては少しだけ大柄だ。だが、アルフォンスは男性の中でもしなやかで逞しい体躯で、そんな自分を軽々と抱えてしまう。それが、なんとなく気恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
そうして、2人は隣室のベッドで、まるで何事もなかったかのように朝までぐっすりと眠りについたのだった。
「……どういうことなのか……」
翌朝、エレインが目覚めれば、アルフォンスの姿は既になかった。仕方がない、と彼女も起き上がり、寝室を通過して部屋に戻る。
「たったあれだけなのに、腰が痛いなんて……まさか眠っている間に続きをされた……わけでもないだろうに」
いや、ない。ないはずだ。そもそも自分は筋力にはそれなりに自信はあった。それでも腰がだるいというのは、相当なものだ。それほど、性交中には無理な体勢で腰を持ち上げていたのだけれど、正直なところ記憶がない。
(あれで、その……いたしていないということは……)
知識があまりないエレインでも、2人が本当に繋がったならば、男性が「動く」らしいことは曖昧でも理解をしていた。何をどうしてそうなるのか、ということは置いておいて。そして、昨晩はそこまでたどり着かなかったというのに腰が痛む。
(大変だな……ちょっと、運動をして筋力を戻さなければいけないかもしれない……)
何がどう大変なのかははっきりとわかっていなかったが、漠然とそう思うエレイン。ふう、と息を整えてからベルを鳴らせば、マーシアが飛んできた。
「おはようございます、王妃様」
「おはよう。今日からまたよろしく」
「はい!」
「着替えを」
「かしこまりました。あの、本日、王太后様とのご面会があると陛下から仰せつかっております」
「王太后様と?」
ようやくか、と思う気持ちと、会いたくない、と思う気持ち、両方が湧き上がって来た。が、回避できるわけはないとも思う。
「王太后様は、今はどちらでお過ごしなのか? 幽閉されていたと聞いていたのだが……」
「はい。王妹バーニャ様の輿入れと共に、お二人でお暮しになっていた部屋から出て、現在は月華の棟にいらっしゃいます」
月華の棟。エレインはこの王城に来てからあまり自分がいる離れから出ていない。話を聞けば、この王城は中心となる居館と呼ばれる主だった建物以外に、別の棟が4つある。そして、それらはコの字型の回廊で繋がっており、その中央に居館があるというわけだ。ちなみに、居館と言っても今現在はそこで寝泊まりをする者はほとんどいない。居館の一階はほぼ執務の場であり、謁見の間がある建物だ。そして、舞踏会などを開く大広間がある。二階は居住区であったが、執務とプライベートを分けたい王族たちは、それぞれの棟に住んでいたのだと言う。
エレインが昨日までいた「離れ」は側室用として、その居館からその回廊に出て、更に外側にあり、城壁の内側には同じような離れが他に2つあるらしい。そのうちの1つに幽閉されていたのだが、現在は回廊の角の一つ、月華の棟にエリーストと共に住んでいるということだ。もう一つの棟は国賓用で普段は使われておらず、更にもう一つの棟は先日まではアルフォンスが使っていた。
「この棟は奥まった位置にありますが、月華の棟は居館よりも城門に近い位置にせり出しています。対角線上なので、一番離れていますね」
ついでとばかりに「この棟は光彩の棟と言われておりますよ」と説明をしてもらう。それすら初耳だ。アルフォンスは「特別棟」と言っていたが……と尋ねれば
「そうですね。ここは回廊で繋がる棟の中で一番大きな棟です。それに、居館への行き来もしやすいですし、他の棟とは違います。陛下とエレイン様に相応しい棟と言えますよ。生前クリスティアン様もお使いでしたが、その部屋はまだ整理が終わっていません」
と返された。この棟は渡り廊下を使って居館とすぐ行き来が出来るようになっているが、他の棟は回廊をぐるりと回って決まった場所からしか行き来が出来ないのか。色々と城内のことも勉強をしなければいけないな、とエレインは「そうか……」と小さく呟く。
一つの棟にどれほどの部屋があるのかはよくわからなかったが、正直なところガリアナ王城にいたエレインからすると「多すぎる。広すぎる」と思わざるを得ない。
それはともかく、どうやらその「月華の棟」に午後からアルフォンスと共に離れを訪問して、面会をすることになるらしい。その時に、アルフォンスの弟とも会えるとのことだった。
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