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50.光明(1)
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翌日、エレインはまたターニャの授業を受け、それから庭園に赴いた。なんとなく、蛇が他にいたらどうしようか、庭師は大丈夫か、と気になったからだ。
アルフォンスは何時かわからないが今日王城に戻ると聞いている。今日はあと午後にもう一度宰相と会って。それから……。
「……そうだな」
ランバルトの報告で、蛇は居館側から持ち込まれたのだろうと言われていた。特にエレインは居館に用事はなかったものの、なんとなく居館側から庭に向かう足取りを少し確認しようと思う。
庭園をこえ、渡り廊下を更に行けばそこは王城の居館に抜ける。左右にわかれる通路があり、左に行けば鍛錬所。そして、右に行けば王の謁見の間や広間に繋がる。もし、ターニャが来るのであれば謁見の間や広間に繋がる側からだろうか。いや、そういえば鍛錬所側は、そこまでしかエレインも行ったことがない。その先、居館のどこに抜けるかまではわかっていなかった……そう思いながら、足を伸ばす。
共についてきた護衛騎士から説明を受け、鍛錬所を越えると倉庫に向かう通路が2つあると聞く。その先は更に……と話を聞きながら、エレインは鍛錬所の前を通った。
昼間ゆえにそう人数はいなかったけれど、鍛錬所に騎士が何人かいることはわかっていた。物音がしていたからだ。そして、鍛錬所の出入り口はいつも解放されている。通り過ぎるエレインがちらりとそちらを見ると、大柄な騎士が打ち込みをしている様子が見えた。
「……」
あれは。
エレインは、自分が初めてこの王城に来た日。クリスティアンの前でドレスの裾を切った時のことを思い出す。そうだ。彼はエレインと手合わせをした……名前はなんだったか。それは覚えていない。真面目に打ち込みをしているのか……一瞬足を止めてそちらを見れば、相手もそれに気づいて手を止めた。
「あっ……! あ、のっ……!」
そのまま素通りをするつもりだったのに、突然その男性が声をかけて走って来る。自分に声をかけてきたのかどうかがわからず、エレインは護衛騎士を見た。が、護衛騎士は「王妃陛下にお声がけをしている様子です」と告げる。
「グスタフ。王妃陛下に何用か」
「わたしが声をかけたのは、王妃陛下ではなく、ガリアナ王国の姫騎士だ」
「それは詭弁だ!」
「そうでなければ、この先の文言をお許しいただくことは出来ないとわかっているからだ!」
なるほど。自分を王妃と認めない、ということではなく、声をかけるためにはそうせざるを得ない、ということか。王妃というものも面倒だな、とエレインは思う。
「いい。何か言いたいことがあるのでしょう。どうぞ」
あっさりとエレインは許可をする。大柄な男。そうだ。グスタフと言ったか。王城の専属騎士団の副団長と聞いた。大方、以前はクリスティアンを守るような立場だったのだろうと思う。
「もう一度……もう一度、わたしにチャンスをいただけませんか……!」
何を言っているのか意味がわからず、エレインは自分の護衛騎士をちらりと見た。が、護衛騎士にも彼が何を言っているのか意味がわからない。
「どういうことですか? チャンスとは?」
「あなた様と……もう一度……手合わせをさせていただきたいのです……」
その言葉を聞いて、護衛騎士が語気を荒げる。
「馬鹿者。王妃陛下に向かって何を言っている」
見れば、他に鍛錬所にいた騎士たちも、手を止めてこちらの様子をうかがっている。なるほど、手合わせか……エレインは「ううーん」と唸ってから
「わかった。服を着替えて来ても良いだろうか。さすがに、ドレスを毎回切るわけにもいかないのでな」
と答えた。
エレインが着替えて鍛錬所に戻るまで、20分程度しか時間はかからなかった。だが、戻ると一体どうしたことか、先ほど数名しかいなかったはずなのに、ぱっと見て10名はいるではないか。たまたま人が増えたのか、それとも話を聞いたのか。どちらにしても、ここでも見世物のようなものになるのか、とエレインは肩を竦めて見せる。人々は座って完全に「見学」モードだ。なるほど、わたしを王妃だとは認めていないということか……と思うエレイン。
ドレスを脱いだ彼女は、まるで使用人が着るようなシャツに無地のパンツという、何の飾り気もない恰好だった。あえて言うならば、ブーツだけが金糸の刺繍が全面に入っている豪奢なものだったけれど。アルフォンスに色々と言われていくつか服を仕立てたが、結局エレインは何もない貧相な恰好が気に入っていた。髪は後ろの高い位置で一つに結っているだけだ。
「木剣で良いだろうか? それとも……」
「い、いいえ、まさか! 木剣でお願いいたします」
さすがに王妃相手に真剣を振り回すわけにはいかないか。エレインはそう思いながら、護衛騎士から木剣を受け取る。
ちなみに、話を聞いて心配したマーシアも彼女について来た。侍女が鍛錬所にいることなぞなかなかないため、彼女も騎士たちにじろじろと見られる。それをエレインは「あまり見られて穴が開かないように」とマーシアに言うものだから、マーシアは「ええっ? だ、大丈夫ですよ!」と答える。その、彼女が少しくだけた物言いをしたことが騎士たちには不思議だったようで、こそこそと何かを話しているようだった。
「先に言わなければいけない」
エレインは静かにグスタフに告げた。
「あの日、あなたに礼を失していた。わたしは自分の天恵があるため盾を意識したことがほとんどなく、切りつけられてもいいという覚悟で戦いに挑む。それは、あなたに対して公平ではなかったが、あの日は一刻も早くあの場を終えたかったのだ。それは、あなたに謝る」
「謝罪は、陛下が行うことではございません」
「いや。わたしは、ガリアナ王国の姫騎士なのだと、あなたは言っただろう。申し訳なかった。それだけは先に告げておく」
王城で幼い頃に学んだ剣。それは、目の前のグスタフが使う剣とそう違いがない。両手剣とまでいかないロングソードと盾の組み合わせ。レイピアのような細身のものや、アルフォンスが使う大剣のような両手剣でもない。そして、左手には非常に小さな練習用の革盾を持たされ、エレインは剣を構える。
それを見たグスタフはおおよそ悟ったことだろう。構えが、あの時と違う。彼女は今、騎士の剣を使おうとしているのだ。彼も剣をすっとあげて構える。
護衛騎士が「それでは、二本先取で。はじめ!」と声をかけ、手合わせが始まった。構えが違えども、あの時のように彼女がすさまじい速度で懐に入って来るのではないかとグスタフは警戒をする。が、エレインはそうはしない。
開始と共に、じりじりと間合いを計り、グスタフがまず打ち込む。その剣先を自分の木剣で弾いて、そのまま彼の左肩に木剣を振り下ろすエレイン。あまりに素早いその剣の軌跡に、その場にいた者たちは「おお!?」と声をあげる。
グスタフはその木剣を躱した……ように見えたが、パンッ、と音があがる。
「うっ!?」
護衛騎士は、エレイン側に手をあげた。そのまま手合わせは続行しており、次はエレインが攻め入る。打ち込んだ一打を革盾で防ぎ、グスタフは彼女の左脇腹に打ち込む。が、彼女は革盾でそれを防ぐのではなく、すぐさま打ち込んだ木剣を下から返して彼の一打を弾く。が、グスタフは弾かれた勢いで上にあがった木剣を、そのまま次は彼女の右肩に振り下ろそうとする。
「おお……っ!」
グスタフがとったか、とみなはどよめいたが、エレインは革盾で防ぐのではなく、彼の木剣を弾く、要は攻撃を待たずに盾で攻撃をした。そして、そのまま体を右側に軽くひねり、グスタフの正面ではなく斜め側面から、彼の左肩に木剣を叩いた。
「……終了!」
護衛騎士が声をあげる。人々はざわめいた。誰一人、エレインに拍手をおくるわけでもなく、かといって野次を飛ばすわけでもなく、しん、と鍛錬所は静まり返る。
アルフォンスは何時かわからないが今日王城に戻ると聞いている。今日はあと午後にもう一度宰相と会って。それから……。
「……そうだな」
ランバルトの報告で、蛇は居館側から持ち込まれたのだろうと言われていた。特にエレインは居館に用事はなかったものの、なんとなく居館側から庭に向かう足取りを少し確認しようと思う。
庭園をこえ、渡り廊下を更に行けばそこは王城の居館に抜ける。左右にわかれる通路があり、左に行けば鍛錬所。そして、右に行けば王の謁見の間や広間に繋がる。もし、ターニャが来るのであれば謁見の間や広間に繋がる側からだろうか。いや、そういえば鍛錬所側は、そこまでしかエレインも行ったことがない。その先、居館のどこに抜けるかまではわかっていなかった……そう思いながら、足を伸ばす。
共についてきた護衛騎士から説明を受け、鍛錬所を越えると倉庫に向かう通路が2つあると聞く。その先は更に……と話を聞きながら、エレインは鍛錬所の前を通った。
昼間ゆえにそう人数はいなかったけれど、鍛錬所に騎士が何人かいることはわかっていた。物音がしていたからだ。そして、鍛錬所の出入り口はいつも解放されている。通り過ぎるエレインがちらりとそちらを見ると、大柄な騎士が打ち込みをしている様子が見えた。
「……」
あれは。
エレインは、自分が初めてこの王城に来た日。クリスティアンの前でドレスの裾を切った時のことを思い出す。そうだ。彼はエレインと手合わせをした……名前はなんだったか。それは覚えていない。真面目に打ち込みをしているのか……一瞬足を止めてそちらを見れば、相手もそれに気づいて手を止めた。
「あっ……! あ、のっ……!」
そのまま素通りをするつもりだったのに、突然その男性が声をかけて走って来る。自分に声をかけてきたのかどうかがわからず、エレインは護衛騎士を見た。が、護衛騎士は「王妃陛下にお声がけをしている様子です」と告げる。
「グスタフ。王妃陛下に何用か」
「わたしが声をかけたのは、王妃陛下ではなく、ガリアナ王国の姫騎士だ」
「それは詭弁だ!」
「そうでなければ、この先の文言をお許しいただくことは出来ないとわかっているからだ!」
なるほど。自分を王妃と認めない、ということではなく、声をかけるためにはそうせざるを得ない、ということか。王妃というものも面倒だな、とエレインは思う。
「いい。何か言いたいことがあるのでしょう。どうぞ」
あっさりとエレインは許可をする。大柄な男。そうだ。グスタフと言ったか。王城の専属騎士団の副団長と聞いた。大方、以前はクリスティアンを守るような立場だったのだろうと思う。
「もう一度……もう一度、わたしにチャンスをいただけませんか……!」
何を言っているのか意味がわからず、エレインは自分の護衛騎士をちらりと見た。が、護衛騎士にも彼が何を言っているのか意味がわからない。
「どういうことですか? チャンスとは?」
「あなた様と……もう一度……手合わせをさせていただきたいのです……」
その言葉を聞いて、護衛騎士が語気を荒げる。
「馬鹿者。王妃陛下に向かって何を言っている」
見れば、他に鍛錬所にいた騎士たちも、手を止めてこちらの様子をうかがっている。なるほど、手合わせか……エレインは「ううーん」と唸ってから
「わかった。服を着替えて来ても良いだろうか。さすがに、ドレスを毎回切るわけにもいかないのでな」
と答えた。
エレインが着替えて鍛錬所に戻るまで、20分程度しか時間はかからなかった。だが、戻ると一体どうしたことか、先ほど数名しかいなかったはずなのに、ぱっと見て10名はいるではないか。たまたま人が増えたのか、それとも話を聞いたのか。どちらにしても、ここでも見世物のようなものになるのか、とエレインは肩を竦めて見せる。人々は座って完全に「見学」モードだ。なるほど、わたしを王妃だとは認めていないということか……と思うエレイン。
ドレスを脱いだ彼女は、まるで使用人が着るようなシャツに無地のパンツという、何の飾り気もない恰好だった。あえて言うならば、ブーツだけが金糸の刺繍が全面に入っている豪奢なものだったけれど。アルフォンスに色々と言われていくつか服を仕立てたが、結局エレインは何もない貧相な恰好が気に入っていた。髪は後ろの高い位置で一つに結っているだけだ。
「木剣で良いだろうか? それとも……」
「い、いいえ、まさか! 木剣でお願いいたします」
さすがに王妃相手に真剣を振り回すわけにはいかないか。エレインはそう思いながら、護衛騎士から木剣を受け取る。
ちなみに、話を聞いて心配したマーシアも彼女について来た。侍女が鍛錬所にいることなぞなかなかないため、彼女も騎士たちにじろじろと見られる。それをエレインは「あまり見られて穴が開かないように」とマーシアに言うものだから、マーシアは「ええっ? だ、大丈夫ですよ!」と答える。その、彼女が少しくだけた物言いをしたことが騎士たちには不思議だったようで、こそこそと何かを話しているようだった。
「先に言わなければいけない」
エレインは静かにグスタフに告げた。
「あの日、あなたに礼を失していた。わたしは自分の天恵があるため盾を意識したことがほとんどなく、切りつけられてもいいという覚悟で戦いに挑む。それは、あなたに対して公平ではなかったが、あの日は一刻も早くあの場を終えたかったのだ。それは、あなたに謝る」
「謝罪は、陛下が行うことではございません」
「いや。わたしは、ガリアナ王国の姫騎士なのだと、あなたは言っただろう。申し訳なかった。それだけは先に告げておく」
王城で幼い頃に学んだ剣。それは、目の前のグスタフが使う剣とそう違いがない。両手剣とまでいかないロングソードと盾の組み合わせ。レイピアのような細身のものや、アルフォンスが使う大剣のような両手剣でもない。そして、左手には非常に小さな練習用の革盾を持たされ、エレインは剣を構える。
それを見たグスタフはおおよそ悟ったことだろう。構えが、あの時と違う。彼女は今、騎士の剣を使おうとしているのだ。彼も剣をすっとあげて構える。
護衛騎士が「それでは、二本先取で。はじめ!」と声をかけ、手合わせが始まった。構えが違えども、あの時のように彼女がすさまじい速度で懐に入って来るのではないかとグスタフは警戒をする。が、エレインはそうはしない。
開始と共に、じりじりと間合いを計り、グスタフがまず打ち込む。その剣先を自分の木剣で弾いて、そのまま彼の左肩に木剣を振り下ろすエレイン。あまりに素早いその剣の軌跡に、その場にいた者たちは「おお!?」と声をあげる。
グスタフはその木剣を躱した……ように見えたが、パンッ、と音があがる。
「うっ!?」
護衛騎士は、エレイン側に手をあげた。そのまま手合わせは続行しており、次はエレインが攻め入る。打ち込んだ一打を革盾で防ぎ、グスタフは彼女の左脇腹に打ち込む。が、彼女は革盾でそれを防ぐのではなく、すぐさま打ち込んだ木剣を下から返して彼の一打を弾く。が、グスタフは弾かれた勢いで上にあがった木剣を、そのまま次は彼女の右肩に振り下ろそうとする。
「おお……っ!」
グスタフがとったか、とみなはどよめいたが、エレインは革盾で防ぐのではなく、彼の木剣を弾く、要は攻撃を待たずに盾で攻撃をした。そして、そのまま体を右側に軽くひねり、グスタフの正面ではなく斜め側面から、彼の左肩に木剣を叩いた。
「……終了!」
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