世間知らずの魔塔主は優しい娼婦を溺愛する

今泉香耶

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3-4.最初の夜(4)

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「んっ……ん」

「わっ……バネッサ……!」

 両手で彼のものを包み、唇を近づける。ちゅ、と先端にキスをすれば、コンラートはかあっと赤くなる。

「あ、ああ、あ……ちょっと、あの、バネッサ……」

「なあに?」

「そ、の……恥ずかしいです」

「それじゃあ、おあいこね。わたしもたくさん恥ずかしい思いをしたから」

 そう言って、バネッサは彼のものに舌を這わせた。キスをしながら上下させ、それから舌だけで上下させると、彼は荒い息をついて目を細めてバネッサを見る。

(可愛い人ね)

 わざと、あーんと口を大きく開けて、軽く舌を出して見せるバネッサ。それから、彼の固くそそり立つものを口の中に含む。大きい。熱い。固い。すべてを飲み込むことは無理だったが、根本付近を手でしごきながら、じゅぶじゅぶと口で上の方をしごく。

「あっ、駄目です。バネッサ。その、気持ち、い、い……」

「れしょ……?」

 彼はふーっ、ふーっ、と息遣いが荒くなっていく。片手で前髪をかき上げ、もう片方の手でバネッサの頬に触れる。

「お願いっ、お願いです、ぬ、抜いて……あなたの口から、も、もう抜いて」

「らめ……ね、口に……らして……」

「駄目です……お願い。お願いだから。ね、じゃないと……」

「ん?」

「魔法を使いますよ」

 その一言で、仕方なくバネッサは口を離し、不平そうに言葉を返す。

「酷いわ。そんなこと言われたら、止めざるを得ないじゃない?」

「だって……だって、これを……早く、あなたの中にいれたくて……」

 そう言って、コンラートはバネッサの体をベッドに横たえ、覆いかぶさった。

「ぐちゃぐちゃに濡れている、あなたのここに、わたしのものを突き立てても……?」

 ずっと、柔らかな物言いだったコンラート。今でも一見柔らかに聞こえるが、選んだ言葉には淫靡な響きが伴っている。バネッサは、下腹部にきゅうと熱を感じ、ぞくぞくと体を震わせたが、気を張って「いいわ」と告げた。

「ああ、どうしよう。入口、滑って……滑って……っと!」

「!」

 愛液で濡れているバネッサの入口に、彼はペニスを擦りつけていた……と思ったら、突然、ずるりとバネッサの内側に入った。先が入った、なんて言うものではない。本当に、驚くほど一気にそれは突き立てられた。バネッサですら予想していなかったほどだ。

「んおっ!?」

 ずぶずぶと内側をかき分けられ、内壁を押し広げていく凶暴なペニス。両足を彼に抱えられ、ぐいぐいと腰を突き上げられる。それが、彼女の内側の「いい」ところを強く刺激した。それらはすべて突然のことで、バネッサの足は一瞬でピンと張った。

(あ……あれ……? わ、わたし……今……)

 もしかして、軽くイってしまったのではないか。そう思ってバネッサが驚いていると、更に彼は腰を進めた。みちみちと体の中を圧迫する彼のものは熱く、それを自分の内壁が歓迎をして絡んでいることに気付くバネッサ。

「あ……あっ……」

「苦しくないですか?」

「大丈夫……大丈夫らから……」

 彼の手が、彼女のクリトリスを押す。尖った快感が体に走り、のけぞってそれを必死に受け止める。

「んあっ、あっ、あっ」

 彼女が声を上げれば、それに合わせるように彼は腰を更に前へと進めていく。

「ん、ふうっ……す、すごいっ……ああっ……えぐられてるぅ……」

「あっ、あ……気持ちいいっ……バネッサ、気持ちいいです。気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい……!」

 そう言って、彼は腰を少しだけ引いた。ずるりと彼のものが内側を擦りながら抜けていく。と思えば、次の瞬間、再び奥までねじこまれバネッサは「おおっ!?」と声をあげ、背を反らした。

(あ、あ、あ、あ……奥……奥の方……に……突き上げられてる……!)

 初めての挿入で気分が高揚している……ように彼の口調は聞こえたが、それとは裏腹に冷静に彼は腰を動かす。言葉だけを聞けば、夢中で腰を勝手に振りそうなのに、彼はゆっくりと引き抜き、また奥まで突き上げる。

「ここ? それとも……」

「あっ、ああっ……!」

 彼は容易にバネッサの感じる場所を見つけたようで、固く反り返った先をぐりぐりと押し付ける。

「ね、ねぇ……」

「何?」

「あなた……魔法、使った……?」

「え?」

 コンラートは素っ頓狂な声をあげる。それから「ああ」と言って、小さく笑いながらバネッサに囁いた。

「使っていませんよ。でも、それを聞くってことは……それを疑われるぐらい、気持ちいいってことですね? ああ、嬉しいな……ここでしょ?」

「んんっ!」

 突然の強い快楽に、喉を鳴らすバネッサ。そうだ。自分はそこが弱い。だが、大体の客は自分自身の快楽に夢中で、バネッサの反応をそう細かに見ない。だから、やり過ごせてしまうのに、コンラートはそれを許さない。

「あっ、あ……あっ」

 甘い声をあげながら、薄目でコンラートを見上げるバネッサ。彼の前髪がぱさぱさと揺れて、赤い瞳が静かに自分を見ている様子。それを見た直後、下腹部に熱が集まっていくように感じ「あっ」とバネッサは声をあげた。

「あっ、何、すご……すごい、バネッサ。熱くて、とろとろで……柔らかいのにっ……締め付けてくる……」

「ほんと……? ね、気持ちいい?」

「気持ちいいです……あなたは? 可愛い人、あなたは気持ちいい……?」

 そう言いながら、コンラートの体が近づいて来た。バネッサは彼の頭を抱えようと両腕を伸ばす。柔らかな彼の銀髪に触れる。

「わたしも、気持ちいいわ……」

 そう言ってバネッサが微笑めば、コンラートはほっと嬉しそうに眼を細め、口元を緩めた。その表情は、バネッサの胸の奥をなんだか熱くする。

(ああ、これは……)

 落ちそうだ。バネッサはそう思いながら、瞳を閉じて貪り合うようなキスを受け入れた。
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