世間知らずの魔塔主は優しい娼婦を溺愛する

今泉香耶

文字の大きさ
52 / 74

17-3.求めあう二人(3)

しおりを挟む
(あっ、あっ、気持ちい、気持ちいい……コンラートの、熱いものがっ、いいところに当たって……!)

 ふっ、ふっ、と彼の口から放たれる息遣いが聞こえる。ああ、彼が自分との交わりで興奮してくれたら嬉しい。快楽を貪ろうとしてくれたら嬉しい。自分の中に放ってくれたら嬉しい。それから……。

「コンラート、好き、好き、好きっ……」

 それから。彼が自分を好きでいてくれたら、嬉しい。

 バネッサが再び何度も繰り返せば、コンラートも呼応する。

「わたしも好きです。あなたのことが、好きだ」

「嬉しい……嬉しい、コンラート……あっ、あっ、激しっ……!」

「一度、出します……あなたのここに放ってもいい……?」

 その言葉を聞いたバネッサは、ぞくりと背筋をあがってくる快感に身を震わせた。彼の熱い手のひらが、バネッサの下腹部を撫でる。ああ、彼ならばいい。そうだ。彼になら、いくらでもいいのだと改めて思う。

「いいわ。いい。沢山出して……あっ、あ、わたし、わたしもっ……!」

 彼の腰の動きが早くなる。そこからは互いに無言で、ただただ快楽を貪るだけの時間が訪れた。バネッサは嬌声をあげ、コンラートは声を押し殺して腰を動かして。室内には、荒い吐息と肌と肌がぶつかり合う音が響く。それが耳に入れば、バネッサはまた「嬉しい」と思う。

「いっ、いっちゃう、いっちゃう、いっちゃう、コンラート、わたしっ……」

「いいですよ。いい。素直に、そのまま果てて」

「あっ、あっ、あ……!!……」

 ぞくん、と全身に走る大きな快感に、バネッサは声もなく体を震わせて達した。大きな波が頭から足先まですべてをさらっていくようだ。びくん、びくん、と体は震え、内側の収縮も変化する。

 だが、その余韻に浸ることもなく、彼女を更に追い詰めるようにコンラートは腰を動かす。果てたばかりなのに、まだ刺激をされてつらい。バネッサは体を捩ったが、次の瞬間、中で彼のものがばくんと大きく脈打った。

「あっ……あーーーーっ、あ、あーーーーっ……」

 なんて声を自分は出しているのか、と思いながらも、出る声を止めることが出来ない。熱い。熱いものが内側に注がれている。どくん、どくん、と何度も彼のものが脈打ち、大量の精液が自分の中に満たされる。

 やがて、それも収まってきてから、コンラートは苦笑いを浮かべた。

「もうちょっと、入れたままでもいい……? あなたから離れたくないんだ……」

「いいわ……ね、抱きしめて……」

「あなたも、わたしを抱きしめてくれる?」

「勿論よ」

 彼らはキスをしながら、互いの体を両腕で強く抱きしめた。


 それからの二人は、何がなんだかわからない状態で、夢中に互いを求めあった。どれぐらい時間が経過したのだろうか。互いに一糸もまとわぬ姿で、何度も何度も愛し合って。コンラートはバネッサの中で三回射精をしたが、まだ彼の「モノ」は元気だった。

 それを、バネッサは「ねえ、それ……」と指を差すので、コンラートは真っ赤になって「魔法はかけていないです!」と先回りをして答えた。

「うう、バネッサ……ごめんなさい。なんだか全然収まらなくて……でも、もっと何度もあなたを抱きたいから、いいですよね?」

 勝手な言い草だと思ったが、それを拒むバネッサではない。呼吸を整えたいから少しだけ待って、と言って横たわれば、コンラートは彼女を背中側から抱き締めて「いくらでも待ちます」と囁いた。

「あっ……んっ、駄目、それじゃ、休めないじゃない……んっ、んっ……」

 だが、後ろから抱き締めながら、彼の手がバネッサの胸を揉みしだき、固くなった乳首を指先で擦る。つい、耐えられずにバネッサが背を反らして喘げば、尻の間に彼の立派なものがめり込む。それに気付いたコンラートが小さく笑うと、バネッサも「もう!」と言いながら苦笑いを浮かべた。

「んっ、ん……ねぇ、駄目よ……少し休ませて……って……んあっ……」

「いいでしょう?」

 バネッサの太ももの間に自分のものをこすりつけるコンラート。彼女の入口がめくりあがって、内側から愛液と彼の精液が混ざったものがどろりと流れてくる。それを、ぬるぬるとこすりつけられ、バネッサは鼻にかかった声をあげた。

「あっ、待って、コンラート!」

 何かを察したようにバネッサが静止の言葉を発したが、それと同時にコンラートの固いものがバネッサの内壁をえぐって中に入っていく。何度も何度も彼を受け入れたそこは、柔らかく、熱く、とろとろになっていながら未だに締め付けてしまう。


「あっ……あ……」
 もうくたくたなのに、彼のものに刺激されて柔らかな快楽が体に走る。突いて欲しい。下腹部がきゅうっと締まる。欲しい、欲しい、と思う反面、今、彼を受け入れればきっと意識が飛んでしまうとぼんやりと考えるバネッサ。

「んんんっ……んっ、もぉ……駄目って……あっ……!」

「駄目?」

 バネッサの耳元で囁かれる声。甘えているように、だが、その言葉には「駄目じゃないでしょう」という柔らかな圧も含まれている。それを感じ取った瞬間、彼女の内側はじんわりと濡れ、彼を包み込む。

「あ、んっ……駄目、そこぉ……感じちゃうから……感じすぎちゃうから……」

「感じ過ぎちゃうから、抜いた方がいい? ね、あなた、前から抱くのと、後ろから抱くので……どちらにもいいところがあって、気持ちいいんでしょ」

「ふっ……!?」

 コンラートはバネッサの体を片腕で抱きながら、腰を動かして彼女の中に入ったものをゆっくりと抜いた。その感触にバネッサは腰を前後に揺らすが、彼女は無意識だ。

「あ……んあっ!?」

 すべてを抜ききる前に、コンラートの腰が打ち付けられる。内壁がぞりぞりと彼のもので刺激をされて、バネッサは片足をびくりと動かす。

「はぁっ……お願い……休ませて……って……」

「ああ、すみません。じゃあ、このまま入れたままで? あなたと離れたくない……」

「仕方がない人ね……」

 バネッサはそっと背をコンラートの胸元につけた。それを嬉しそうにコンラートは彼女の肩に顔を乗せて、耳を食む。

「もう……」

 呆れた声をあげながら、自分の体を抱く彼の手の甲に、そっと手を乗せる。ああ、幸せだ……不思議と心が満たされる気持ちになり、バネッサはしばしの間瞳を閉じた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ただ、隣にいたいだけ~隣人はどうやら微妙にネジが外れているようです~

Ayari(橋本彩里)
恋愛
隣人である小野寺翔は完璧な美貌、甘いマスク、高身長、高所得者、社交的で周囲にほぼ敵なしのハイスペック。 そんな男性の隣に住むことになりやたらと絡まれ、何かを含む甘い眼差しを向けられることに。 極めつけは微妙なネジの外れ具合。 それはどうやら私、藤宮千幸に対してのみ発揮されているみたいで。 なんて、はた迷惑なっ! 過去作を改稿。変甘です! イラストは友人kouma.作です♪

英雄騎士様の褒賞になりました

マチバリ
恋愛
ドラゴンを倒した騎士リュートが願ったのは、王女セレンとの一夜だった。 騎士×王女の短いお話です。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる

マチバリ
恋愛
 貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。  数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。 書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~

世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。 ──え……この方、誰? 相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。 けれど私は、自分の名前すら思い出せない。 訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。 「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」 ……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!? しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。 もしかして、そのせいで私は命を狙われている? 公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。 全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね! ※本作品はR18表現があります、ご注意ください。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

処理中です...