悪役令嬢、猛省中!!

***あかしえ

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学園編

70.陰謀

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 完っ全にしてやられた! ミーシャ・デュ・シテリンに、こんな手で喧嘩を売ろうだなんて、痛い目みせて――じゃなくて、法にのっとった適切な処置をしていただかなくては!

 予想以上に疲れていたのか、マリー・トーマンにまで学園に到着したことに気づかなかった。なさけない。
「大丈夫だよ! わたし達が絶対に守るからね!」
 マリー・トーマンの中で、ミーシャ・デュ・シテリンは極悪人認定されているということだろうか。


 はじめは気のせいかと思っていたのだけど、気のせいではないらしい。
 子息令嬢が通う学園には、普段からそれなりの警備が巡回している。至って普通の光景だ。だが、数が多い。しかも、後ろめたいところがあるからかもしれないけど、殺気立っているような気もする。
 学園もミーシャ・デュ・シテリンを要警戒体勢に入ってる証拠ではないことを祈ろう。

 警備に尋問されないよう、それとなく気配を消したり流したりしながら、マリー・トーマンの寮室へとお邪魔した。


「今日はへんな感じで終わっちゃったね」
「国宝見られると思ってたのにね……」
 ルームメイト二人はパジャマに着替えて、女子会トークのノリでそんなことを語り合っている。眠る前っていつもこんな感じなのかな?

 なんとも暢気なルームメイトの会話を流し聞いている間に、夜は更けていきそうだ。平民用の部屋とは言え、共同風呂でなく部屋に風呂が付いているのだからいいもんだ。
 私はソファーで寝ることにして、三人にはゆっくりと身体を休めてもらうことにした。こんな時でもマリー・トーマンが、私にベッドを譲ろうとしているのだから、この子には本当に適わないな。

「わたしね、ナナミのこと応援するからね!」
 ――こ、ここでその話題を……!
「おやすみっ!」
 ――逃げた!!! 寝る寸前にそんなこと言われたら、眠れなくなるんだけど?!


 結局、相次ぐゴタゴタで、殿下と話し合いができていないというか、うやむやにで終わったような気もするし。ちゃんと、話をしないと。
 ――でも、何をどこまですればいい……?




 ◇◆◇ ◇◆◇


 ――うーん、ちょっと暢気に構えすぎていたかもしれない。
 翌朝、事態はグニラ・オレーンが危惧していた通りに進んでいた。

 朝食を仕入れるために寮室を出た瞬間から異常に気づいた。女子寮に衛兵が乗り込んで階段に検問まがいのことをしている。
 マリー・トーマン達の部屋は一階だから、今どんな状況になっているのか分からない。もしかしなくとも、四階のミーシャ・デュ・シテリンの部屋は家捜しでもされているかもしれない。

 公爵家の私の部屋にどんな暴挙をするということは、正式に罪人として手配されている可能性が高い! 家族がうまく潜伏していることを祈ろう。
 それにしても参ったな。私の頭にある解決策は人道的な観点からどれも使用することができない。

 合法的で人の道に反することのない解決方法、それが全然思い浮かばないミーシャ・デュ・シテリンって…………。



「どこ行ってたの?! ナナミ!」
「ああ、ごめんごめん。なんかこの人並みに流されて、あはは」
 女子寮の出入り口は検問を終えた女子生徒達がたむろしていた。
 私はその人混みの中にするっと入り込んだわけだ。はい、合法的な手段ではありません……。

 一足先に女子寮を出て、マリー・トーマン達がやって来るのを待っていたのだけど、この子はこの子で私を探していたらしい。悪いことをしてしまった。

 購買へ向かう道すがら、期末考査が張り出されていた掲示板に、ミーシャ・デュ・シテリンに対する注意喚起が張り出されているのを見つけてしまった!

「真偽も不明なのにここまでするんだ……」
「貴族って怖いね……」
 おや? 彼女達の反応は少々意外だ。
 深くは知らないはずのミーシャ・デュ・シテリンに対して、客観的なものの見方をするとは。

 この子達の方が、貴族階級の大人達より余程冷静じゃないか。


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