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⑧とある錬金術師のエルフ孕ませ計画

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『とある錬金術師のエルフ孕ませ計画』

発売日:2020/8/17 電子版発行
著者:肥前文俊
挿絵:ぴず
発行:株式会社フランス書院(美少女文庫)


あらすじ
 高貴なエルフ貴族である主人公、“シーラ”。彼女はエルフ族の抱える不妊ふにん問題を解決するべく、若き天才錬金術師“タタン”の元を尋ねます。
 しかしタタンの手腕と知識を以てしても、実験無くして解決は困難だと言われてしまいます。シーラは使命完遂かんすいのため、自らの命と尊厳を懸けて彼の無慈悲な肉体改造計画の被検体となるのです。
 あらゆる性感を開発&調教!貞淑ていしゅくエルフをエロエロ発情妻に堕として孕ませるジュブナイルポルノ!!


キャラ紹介
・シーラ
ヒロインにして主人公。高貴なハイエルフの令嬢。エルフ一族の不妊問題解決のため、単身タタンの元に訪れました。彼の突拍子もない肉体改造に翻弄されますが、その才能や人間性を信頼しており、Hな調教にも従います。

・タタン
若くして大成した天才錬金術師。シーラの依頼を受け、エルフ族の繁殖本能と生殖機能を刺激する薬の研究を始めます。天才ゆえに常識外れの思考をしますが人並みの倫理観も備えており、自らの才能に悩みを抱えています。


Hシーン紹介
※処女を卒業する場合はVと表記。またフィニッシュは全て膣内射精なかだし
1章:身体測定➡媚薬漬け愛撫➡正常位V
2章:電気ショック乳首&乳房開発➡パイズリ、触手バイブ子宮開発、アナルビーズアナル開発
3章:催淫さいいん対面座位、バニースーツ後背位
4章:スライム全身凌辱、焦らしプレイ➡正常位


感想
・徹底的すぎる開発&調教の数々!
 正直、作品の魅力はこの一点に集約しています。ヒロインの魅力も、ストーリーの面白みも、全ては「貞淑で清貧せいひんなエルフを感度抜群エロ牝奴隷へ快楽堕ちさせる」というコンセプトのために存在しています。それほどエロに特化した作品でした。
 まず本を開けば、冒頭一ページからヒロインであるシーラは調教されています。手脚を革手錠で縛られ、まんぐり返しの姿勢で固定された状態です。女穴と尻穴にはそれぞれディルドを挿し込まれ、耳に嵌めたイヤホンのような器具から絶えず自身のアクメ声を流され、さらにVRゴーグル的な機械によって自分のかつてのセックス、絶頂シーンを目の前に映し出されます。そんな状態での放置焦らしプレイから物語は幕を開けるのです(試し読み可)。
 性感開発&調教に全振りした今作の魅力は、二パターンのHにあります。一つはエロラノベ的な王道H、一つは凌辱的な邪道Hです。特に後者は美少女文庫では珍しい気がします。
 邪道H要素の具体例としては2章が顕著でしょう。データ収集のための初夜を終え、平穏な日々を過ごすシーラとタタン。しかしタタンの投薬によって元々痩せ型だったシーラの身体がグラマラスボディへと育てられたことで状況は一変します。乳首、子宮、アヌス。繁殖本能を刺激するため次々と性感帯に器具の力(挿入なし)で容赦なく快楽を植えつけられ、着実に年中発情生活に堕とされていきます。その徹底ぶりは既に示したとおりです。
 この段階では、当然ですがシーラとタタンは恋人関係にありません。彼女は半ば疑いながらも、使命を果たすため恥を忍んで開発に協力するのです。嫌がる女がムリヤリ快楽を覚えさせられて幾度となく絶頂へ達してしまう、というのはかなり凌辱色の強い展開です。媚薬を多用する点、催淫や無慈悲なスライム姦がある点も凌辱性に拍車をかけています。
 また度重なるHな調教にファンタジー要素がきちんと盛り込まれている点も個人的にはグッド。触手にスライムとややご都合主義感は否めませんが、異世界ならではのプレイはやはり非日常の刺激に富んでいてイイものです。何でもありだからこそ作者の性癖が思う存分発揮されており、設定も味のあるものに仕上がっています。
 設定繋がりですが、この作品は一貫して設定に合理性があります。エルフの不妊問題にも理由付けがありますし、それこそ開発の際にもきちんと雑学とともに理由を提示してくれます。理屈っぽいというほどでもなく、あくまでさらっと情報を小出しするのが上手かったです。
 天才錬金術師による徹底的、一方的、重点的かつ多角的な開発プレイの数々。ヒロインも萌え的な可愛さより、清廉せいれん献身けんしん的な淑女しゅくじょが淫らに牝堕ちさせられるエロさを追及している感があります。人をある程度選ぶ過激さですが、凌辱や調教が好きな方なら間違いなく楽しめるでしょう。
※Twitter上で作者様本人が「ストレートにエロさを追求した」旨を教えてくださいました。実際フェチズムや強いこだわりを感じられるシーンが多いため、積極的にエロさの直球勝負を仕掛けてくる印象は強いです。


まとめ
[ここが良かった!]
・献身的に己の女体を開発させては牝堕ちするヒロインのエロさ
・ファンタジー設定を活かした淫靡で過激で刺激的なプレイの数々
・豊富な雑学、小ネタを用いた合理的な設定
[ここが気になる!]
・プレイ内容が特殊寄り(ただしコレは単純に性癖の問題なので人によってはむしろ加点)
・タタンの人間性(天才というだけあってある程度ぶっ飛んだ思考の持ち主ではある)


総評:78点
 清廉で高貴なエルフを快楽に堕とすエロさに特化した一冊。シーラをかせ、絶頂させ、屈服させることに主軸があり、プレイも幅広です。シチュエーションを鮮明に想像させる簡潔な文章も好印象で、実用性はかなり高いと思います。ヌキ用としては全体的に隙がないですが、唯一、凌辱が苦手な方には刺さらないかもしれません。
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