家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃

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クリニック

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 次の日。

 幾分か気分がマシになった慧は、朝日が差し込む自分のベッドの上で、頭を抱えていた。

 頭が回っていなかったとはいえ、昨日の失態、龍士郎への態度、そして、最終日の今日の仕事を欠勤してしまう事実。
 真面目な性格の慧には、何もかもが悪い事のように思えて、一人罪悪感にさいなまれていた。

「慧、起きてんの。今日の予約、何時からよ」

 ドアがノックされ、扉の向こうから忍の声がした。
 慧はゆっくり上体を起こす。

「今日は、三時から、って」
「三時ね。わかった。代わりは斉藤さんに行ってもうらうから、アンタはゆっくり休んでなさい」
「あ、でも、忍さん……」
「いいから。ご飯も食べたくなったら言うのよ」
「……ありがとう」

 ふっと、扉の向こうで息を吐いた音がして、足音が遠ざかって行った。

 布団にくるまりながら、慧は昨日の龍士郎の言葉を反芻していた。
 もし、自分がswitchだったら……何を思うか、自分でもわからなかった。




 時間に少し余裕を持って、龍士郎が紹介してくれたクリニックに忍と向かった慧だが、その繁盛ぶりに目を丸くした。
 高そうな衣服をまとった男女が、ずらりと待合室に座っている。

 慧が通っているクリニックは、良くも悪くも街の個人医院という感じなのだが、龍士郎も通っているという此処は、なんというかそう、高級そうだった。

 すこし怯えながら、受付に、龍士郎の紹介で来た事を告げると、少しざわついた後、少しだけ待っていて欲しいと言われた。
 慧はわかりましたと返事をし、待合室にあるフカフカのソファーに座った。
 横で忍が、やぁだ、お尻がめちゃくちゃ沈み込んで立ち上がれなぁい、などと言うものだから、少し笑ってしまった。

 そんなやり取りをしていると、しばらくもしない内に慧の名前が呼ばれた。いつも行っているクリニックより早いぐらいだった。



 診察を受ける前に、色々検査を受けて欲しいとの事で、一通り回り、終わった所で再び名前が呼ばれた。

 忍に付き添ってもらいながら診察室に入ると、眼鏡をかけた生真面目そうな男性の医師が居た。そこまで年はいっていないようだ。
 くいっとメガネを上げる仕草が、頭良さそうだなと慧は思った。緊張で変な所にまで注意がいってしまうようだ。

「えー、結果だけ先に申しますと、鏑木さんはおそらく、switchです」

 医師が、色んな検査の結果を説明してくれたが、慧にはチンプンカンプンだった。
 慧が理解していないのは百も承知で、医師は話を続けた。

「ただ、switchだからと、domとsubを容易に切り替えられる、という類の体質ではないようです。今まで、subとして生きてきて安定されておられたなら、subとして生きていく事を、お勧めします」
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