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短話・王女オフィーリアの激白
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※裏話まで読んだ後にお読みください※
王女オフィーリアは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の王の決定を排除せねばならぬと、決意した。
オフィーリアには政治がわからぬ。オフィーリアはこの国の唯一の王女である。幼少より、豪華な王宮の奥で、蝶よ花よと育てられていた。
けれども、人々の関係性のエモさに対しては、人一倍に敏感であった。
ある日、オフィーリアは王に呼ばれ、新たに勇者となった美しい青年と、その仲間の平凡な青年を隠れて見ていた。
オフィーリアには友達がいない。母も無い。親しいのは王と乳母の二人だけだ。オフィーリアはそれ故、彼らの間にある友情と愛情にも似た執着に、エモさを感じていた。
先ず、新しく勇者になった青年の就任式があり、それから王に個人的に紹介された。
オフィーリアには秘密の性癖があった。男性同士のエモい関係を密かに観察する事である。此の二人を応援したいと思った。久しく応援しがいのある二人だから、楽しみであった。
だが、王の話を聞いているうちにオフィーリアは、話の流れを怪しく思った。
「魔王を討伐した暁には、王女オフィーリアと結婚させよう!」
テンションが上がった王がそう宣言した。
オフィーリアは結婚適齢期である。婚約者候補は山ほどおり、選定に困っている程であった。その中で、勇者というのは悪くない選択であった。貴族ほど権力が偏るのを恐れずに良いし、後ろ盾もなく王家の言いなりにできる、他を圧倒できる力を持つ者、つまり、都合が良いのである。
しかも、仲間の青年との関係を一番近くで観察できると、オフィーリアは乗り気であったが、その場では勇者がやんわりと断った。
その様子に何かを察知したオフィーリアは、その日より、勇者と青年の出自を調べさせたり、密偵に二人の行動を報告させはじめた。
出自を調べるのは苦労したが、二人が魔物に襲われ滅びた村の、同郷だという事がわかった。大きくなって冒険者になって出会いパーティーを組んだという。かなりのエモだった。
行動としては、王が仲間とした三人の女性が、勇者に近寄っていたが全く相手にされず、それどころかより青年に執着しているようだった。強いダンジョンで死にかけた青年を勇者が庇ったり、逆に怪我したりがしょっちゅうあった。
何度か村の酒場で、青年がパーティーを抜けたいと願い、勇者が必ず拒否する、という場面に遭遇したらしい。どちらも怒っている様子で、まるで意味がわからなかったと報告していた密偵だが、オフィーリアにはわかっていた。これは、エモだと。愛なのだと。
そして、魔王城に一番近い村で、三人の女性に追放され青年が抜けだした後、勇者が怒って追いかけて行った、と聞いた時のオフィーリアの歓喜といったら。
わたくしは、この報告で、もう充分満足だ。
オフィーリアは、二人がくっつく事を確信した。だから、勇者を婿にするなどとは露ほどももう考えていなかった。
だが。
魔王を倒して報告に来た勇者に、唯一という願いを口にした勇者に、王が告げた言葉。
王女オフィーリアは、激怒した。
「何て事を仰るのお父様!」
父が娘に甘いのは知っていたので、それを利用し誰も何も言えない内に事を収めてしまおうと思った。
それに、存分にエモを供給してくれたこの二人に、何か返せるものがあれば良いのだがと密かに思っていたのだ。今が良いタイミングだ、と思っていたら、まさかの勇者からの爆弾発言。
オフィーリアは、一瞬頭を抱えたが、すぐにピンときた。
この混乱を収め、周囲の納得と、何より二人の望む将来を、一挙に解決する方法を。我ながら天才かと思った。
「決定を下します!」
オフィーリアは、一世一代の大芝居をやり遂げたのだった。
王国の誇る美しきバラ、オフィーリア姫。
彼女はしょせん王家のお飾りだと思われていた。
だが、その政治的手腕と度胸は天性のものがあったらしい。
旅を通して一段と成長した騎士団長ミーナは全ての軍事力を掌握しオフィーリアに忠誠を捧げ、大魔女と呼ばれたアンリは様々な魔法を開発、また魔法が使えない者には錬金術を教え広め、優秀な人材を数多弟子に抱えオフィーリアの官僚の掌握に協力し、聖女候補であったエレフィーナは正式に聖女となり、神殿の権威と信仰をもって多大な民衆の支持を元に王女オフィーリアに正当性を担保した。
さらに、元勇者たちが作っている村は、追放された者が作ったとは思えない程平和で栄えはじめ、他の村々の手本になってきている。王国全体が豊かになりつつある。
全てが、王女オフィーリアに追い風をしていた。
王女オフィーリアは決意した。
婚姻に頼らず、王家を維持する道を選ぶ事を。
この決断を下した彼女は、後にこう呼ばれる。
偉大なる女王、オフィーリア、と。
おしまい。
ーーーーー
途中まで走れメロスパロにしようと思っていたけれど、力尽きましたw 何で謁見の間で急にオフィーリアが出張ってきたかというと、ふじょしだったからです、というだけの話w
王女オフィーリアは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の王の決定を排除せねばならぬと、決意した。
オフィーリアには政治がわからぬ。オフィーリアはこの国の唯一の王女である。幼少より、豪華な王宮の奥で、蝶よ花よと育てられていた。
けれども、人々の関係性のエモさに対しては、人一倍に敏感であった。
ある日、オフィーリアは王に呼ばれ、新たに勇者となった美しい青年と、その仲間の平凡な青年を隠れて見ていた。
オフィーリアには友達がいない。母も無い。親しいのは王と乳母の二人だけだ。オフィーリアはそれ故、彼らの間にある友情と愛情にも似た執着に、エモさを感じていた。
先ず、新しく勇者になった青年の就任式があり、それから王に個人的に紹介された。
オフィーリアには秘密の性癖があった。男性同士のエモい関係を密かに観察する事である。此の二人を応援したいと思った。久しく応援しがいのある二人だから、楽しみであった。
だが、王の話を聞いているうちにオフィーリアは、話の流れを怪しく思った。
「魔王を討伐した暁には、王女オフィーリアと結婚させよう!」
テンションが上がった王がそう宣言した。
オフィーリアは結婚適齢期である。婚約者候補は山ほどおり、選定に困っている程であった。その中で、勇者というのは悪くない選択であった。貴族ほど権力が偏るのを恐れずに良いし、後ろ盾もなく王家の言いなりにできる、他を圧倒できる力を持つ者、つまり、都合が良いのである。
しかも、仲間の青年との関係を一番近くで観察できると、オフィーリアは乗り気であったが、その場では勇者がやんわりと断った。
その様子に何かを察知したオフィーリアは、その日より、勇者と青年の出自を調べさせたり、密偵に二人の行動を報告させはじめた。
出自を調べるのは苦労したが、二人が魔物に襲われ滅びた村の、同郷だという事がわかった。大きくなって冒険者になって出会いパーティーを組んだという。かなりのエモだった。
行動としては、王が仲間とした三人の女性が、勇者に近寄っていたが全く相手にされず、それどころかより青年に執着しているようだった。強いダンジョンで死にかけた青年を勇者が庇ったり、逆に怪我したりがしょっちゅうあった。
何度か村の酒場で、青年がパーティーを抜けたいと願い、勇者が必ず拒否する、という場面に遭遇したらしい。どちらも怒っている様子で、まるで意味がわからなかったと報告していた密偵だが、オフィーリアにはわかっていた。これは、エモだと。愛なのだと。
そして、魔王城に一番近い村で、三人の女性に追放され青年が抜けだした後、勇者が怒って追いかけて行った、と聞いた時のオフィーリアの歓喜といったら。
わたくしは、この報告で、もう充分満足だ。
オフィーリアは、二人がくっつく事を確信した。だから、勇者を婿にするなどとは露ほどももう考えていなかった。
だが。
魔王を倒して報告に来た勇者に、唯一という願いを口にした勇者に、王が告げた言葉。
王女オフィーリアは、激怒した。
「何て事を仰るのお父様!」
父が娘に甘いのは知っていたので、それを利用し誰も何も言えない内に事を収めてしまおうと思った。
それに、存分にエモを供給してくれたこの二人に、何か返せるものがあれば良いのだがと密かに思っていたのだ。今が良いタイミングだ、と思っていたら、まさかの勇者からの爆弾発言。
オフィーリアは、一瞬頭を抱えたが、すぐにピンときた。
この混乱を収め、周囲の納得と、何より二人の望む将来を、一挙に解決する方法を。我ながら天才かと思った。
「決定を下します!」
オフィーリアは、一世一代の大芝居をやり遂げたのだった。
王国の誇る美しきバラ、オフィーリア姫。
彼女はしょせん王家のお飾りだと思われていた。
だが、その政治的手腕と度胸は天性のものがあったらしい。
旅を通して一段と成長した騎士団長ミーナは全ての軍事力を掌握しオフィーリアに忠誠を捧げ、大魔女と呼ばれたアンリは様々な魔法を開発、また魔法が使えない者には錬金術を教え広め、優秀な人材を数多弟子に抱えオフィーリアの官僚の掌握に協力し、聖女候補であったエレフィーナは正式に聖女となり、神殿の権威と信仰をもって多大な民衆の支持を元に王女オフィーリアに正当性を担保した。
さらに、元勇者たちが作っている村は、追放された者が作ったとは思えない程平和で栄えはじめ、他の村々の手本になってきている。王国全体が豊かになりつつある。
全てが、王女オフィーリアに追い風をしていた。
王女オフィーリアは決意した。
婚姻に頼らず、王家を維持する道を選ぶ事を。
この決断を下した彼女は、後にこう呼ばれる。
偉大なる女王、オフィーリア、と。
おしまい。
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途中まで走れメロスパロにしようと思っていたけれど、力尽きましたw 何で謁見の間で急にオフィーリアが出張ってきたかというと、ふじょしだったからです、というだけの話w
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