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第二十四話:動き出すは無念の鎧、奥の間に潜むは姫の慟哭
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役小角(えんのおづぬ)様の力強い手に導かれ、朱音(あかね)は呪われた屋敷の中へと一歩足を踏み入れた。背後でひとりでに閉まった重い木の戸の音が、まるで外界との繋がりを断ち切られたかのような絶望的な響きを伴って、朱音の鼓膜に深く刻まれた。
「……どうやら、手荒い歓迎を受けたようだな」
役小角様の皮肉めいた呟きとは裏腹に、その黒い瞳は既に臨戦の鋭い光を宿している。彼は朱音の手をさらに強く握りしめ、「俺から離れるなよ」と低い声で囁いた。その声に含まれた絶対的な庇護の意志が、朱音の恐怖をほんの少しだけ和らげてくれる。
役小角様が灯す呪符の頼りない明かりだけが、一行の進むべき道を照らし出す。屋敷の中は、外観以上に荒廃が進んでいた。かつては客人で賑わったであろう広々とした土間も、今は厚い埃に覆われ、所々床板が抜け落ちている。壁には雨漏りの跡か、黒く大きな染みが広がり、まるでこの屋敷が流した涙の痕のようだ。朽ち果てた調度品の残骸が、かつての主の無念を物語るかのように、薄闇の中に不気味な影を落としていた。
朱音は、壁に残る古い染みや、床についた生々しい傷跡に目をやるたびに、まるでその場にいたかのように、断片的なイメージが脳裏に激しく流れ込んでくるのを感じていた。誰かの甲高い悲鳴、男たちの怒号、激しく争う剣戟の音、そして抑えきれない嗚咽……。それは、この屋敷に深く刻まれた、過去の凄惨な悲劇の残滓(ざんし)なのだろうか。その度に、ガンガンとした頭痛と、こみ上げてくる吐き気が朱音を襲い、立っているのも辛くなってくる。
「無理に感じ取ろうとするな、朱音。お前の魂が、この土地の穢れに引きずられる」
役小角様は、朱音の顔色の悪さに気づき、そっと彼女の背中をさすってくれた。その大きな手の温もりが、冷え切った体に染み渡る。
一行が、さらに奥の広間へと足を踏み入れた、その時だった。
カタカタカタ……。
広間の隅に置かれていたらしい古い棚の上の、割れた陶器の破片が、まるで意思を持ったかのように小刻みに揺れ始めた。そして次の瞬間、それらの破片が宙を舞い、鋭い刃物のように一行に向かって一斉に飛んできたのだ!
「危ない!」
義王(ぎおう)が朱音の前に立ちはだかり、その屈強な体で陶片の雨を防ぐ。バチバチと彼の纏う衣に陶片が当たる音が響くが、彼はびくともしない。部屋の隅にあった衝立(ついたて)がひとりでに倒れ、壁に掛けられていたであろう掛け軸は、まるで首を吊った人のように不気味に揺れている。ポルターガイスト現象――この屋敷に巣食う何者かが、明確な敵意をもって一行を排除しようとしているのだ。
そして――広間の最も奥、床の間に物々しく飾られていた古びた鎧兜(よろいかぶと)が、ガシャガシャと不気味な金属音を響かせながら、ひとりでにゆっくりと動き出したのだ!
「なっ……!?」
朱音は息を呑む。誰も身に着けていないはずのその鎧が、まるで目に見えない何者かに操られているかのように、その錆びついた腕を振り上げ、傍らに置かれていた太刀を掴むと、ぎこちない動きで一行に襲い掛かってきた!
「チッ……! 厄介な!」
義王が前に出て、その剛腕で鎧を打ち砕こうと拳を叩き込む。しかし、彼の拳は、まるで霧を殴ったかのように鎧をすり抜けてしまった。
「物理的な攻撃が、全く通用しないのか!」
「物に宿った怨念が実体化したものか! しつこい!」
役小角様が独鈷杵(とっこしょ)を構え、呪符を連続して飛ばして鎧の動きを封じようとする。彼の呪法によって鎧の動きは一時的に鈍るものの、完全に止めることはできない。それどころか、鎧が動くたびに、屋敷全体に満ちる怨念がさらに濃密になり、朱音の呼吸を圧迫していくのを感じる。
「闇雲に相手をしていても切りがない。これは、この屋敷全体が、強い呪いか、あるいは特定の怨念の主によって操られていると見るべきだ。元凶……核となっている存在を見つけ出し、それを浄化せねば埒が明かんな!」
役小角様は冷静に状況を判断し、朱音に向き直った。その黒い瞳は、混乱と恐怖に揺れる朱音の赤い瞳を真っ直ぐに見据えている。
「朱音! 感じろ! この屋敷の中で、最も強い怨念はどこから発せられている!? お前のその赤い瞳は、どんな闇をも見通す特別な光だ。恐れるな、その魂で、怨念の源を捉えろ!」
彼の力強い言葉が、朱音の心の奥底に眠っていた勇気を呼び覚ます。そうだ、私は役小角様の役に立てる。この忌まわしいと思っていた力も、今この瞬間、彼らを助けるための光になるのかもしれない。
朱音は、襲い来る吐き気と激しい頭痛に耐えながら、ぎゅっと目を閉じ、必死で意識を集中させた。屋敷全体に渦巻く怨念の奔流の中から、ひときわ強く、冷たく、そして…どうしようもなく深い悲しみに染まった気配の源泉を探る。それは、まるで凍てついた涙の雫のように、冷たく、そして痛ましい。
(あった……! 二階だ……! 二階の、一番奥の部屋……!)
「二階です! 役小角様!」
朱音は、涙で潤んだ声で叫んだ。
「廊下の突き当り…たぶん、一番大きな部屋から……! とても……とても、悲しい……感じがします……! 誰かが、ずっと、ずっとそこで泣いているような……そんな……!」
怨念の感情に同調しすぎて、朱音自身の心まで引きずられそうになるのを、必死で堪える。
「よくやった、朱音。お前のその魂の輝きが、我らを導く」
役小角様は、そう言うと、朱音の濡れた頬を優しく手の甲で拭い、その髪にそっと口づけを落とした。それは、彼の深い労いと、そして揺るぎない愛情の証だった。朱音は、その不意の口づけに顔を真っ赤にしながらも、胸の奥から湧き上がる温かい力に満たされるのを感じた。
一行は、軋む音を立てる古い階段を駆け上がり、二階へと向かった。
二階の廊下もまた、一階よりもさらに強い怨念の気配に満ちていた。埃っぽく、薄暗い廊下の突き当り、一番奥に、他よりも一回り大きな、重々しい木の扉が見える。朱音が感じ取った通り、その扉に近づくにつれて、怨念の圧力は凄まじいほどに強くなっていく。まるで、見えざる壁に押し返されるかのようだ。そして、その扉の隙間から、冷たい風と共に、微かな嗚咽のような、あるいは誰かの恨み言を繰り返し呟くような音が、断続的に漏れ聞こえてくる気がした。
この扉の向こうに、この屋敷の悲劇の中心があり、そして今もなお、強い怨念を放ち続けている存在がいるのだ。
三人は、互いに目配せをし、覚悟を決めた。役小角様が、そっとその古びた扉に手をかける。
ギィィ……。
まるで悲鳴を上げるかのように、長い間開けられたことのなかった扉が、重い音を立てて、ゆっくりと内側へと開き始めた。
扉の先は、かつて高貴な身分の女性が使っていたのであろう、広い私室だった。埃は厚く積もり、壁には大きな染みが広がり、部屋の調度品の多くは朽ち果てているものの、その造りや残された家具の繊細な意匠からは、往時の華やかさが微かに偲ばれる。立派な鏡台、螺鈿(らでん)の施された美しい書き物机、そして床には色褪せた極彩色の絹の衣の断片が、まるで散った花びらのように散らばっていた。しかし、それら全てが、今は深い悲しみと絶望の色に染まっているかのようだった。部屋全体に、息が詰まるほど濃密な怨念が、まるで淀んだ水のように満ち満ちている。
そして、部屋の奥、月明かりが辛うじて差し込む大きな窓辺に――ひとつの人影が、静かに佇んでいた。
それは、美しい藤の花の刺繍が施された白い袿(うちき)のようなものを纏った、若い女性の姿に見えた。床に届くほど長く艶やかな黒髪が、その細い肩から滑り落ちている。けれど、その輪郭はどこか曖昧で、まるで陽炎(かげろう)のように揺らめいており、足元は透けているようにも見える。物理的な実体があるのかないのか、判然としない。彼女こそが、この屋敷に満ちる、途方もない怨念の源なのだろう。
その女性の怨霊(と呼ぶべきか)が、ゆっくりとこちらを振り返った。
その顔立ちは、生前はさぞかし美しく、多くの人々を魅了したであろうと思わせるものだった。しかし、今は深い悲しみと、そして底なしの憎悪によって、その精緻な造作は見る影もなく歪んでいる。虚ろな瞳が、侵入者である一行を捉えた。その瞳の奥には、何百年もの間燃え続けてきた、決して消えることのない怨嗟の炎が揺らめいていた。
「……誰だ……? よくも……私の部屋に……土足で踏み込んできたな……!」
その声は、かつては鈴を転がすような美しさを持っていたであろう名残を留めながらも、今は恨みと怒りに震え、聞く者の肌を粟立たせるほどに冷たく、そして鋭かった。
その声と共に、部屋の中の空気がビリビリと震え、棚の上に辛うじて残っていた物がカタカタと激しく音を立て始める。怨念の力が、目に見える形で溢れ出し、三人に襲いかかろうとしていた。
「……どうやら、手荒い歓迎を受けたようだな」
役小角様の皮肉めいた呟きとは裏腹に、その黒い瞳は既に臨戦の鋭い光を宿している。彼は朱音の手をさらに強く握りしめ、「俺から離れるなよ」と低い声で囁いた。その声に含まれた絶対的な庇護の意志が、朱音の恐怖をほんの少しだけ和らげてくれる。
役小角様が灯す呪符の頼りない明かりだけが、一行の進むべき道を照らし出す。屋敷の中は、外観以上に荒廃が進んでいた。かつては客人で賑わったであろう広々とした土間も、今は厚い埃に覆われ、所々床板が抜け落ちている。壁には雨漏りの跡か、黒く大きな染みが広がり、まるでこの屋敷が流した涙の痕のようだ。朽ち果てた調度品の残骸が、かつての主の無念を物語るかのように、薄闇の中に不気味な影を落としていた。
朱音は、壁に残る古い染みや、床についた生々しい傷跡に目をやるたびに、まるでその場にいたかのように、断片的なイメージが脳裏に激しく流れ込んでくるのを感じていた。誰かの甲高い悲鳴、男たちの怒号、激しく争う剣戟の音、そして抑えきれない嗚咽……。それは、この屋敷に深く刻まれた、過去の凄惨な悲劇の残滓(ざんし)なのだろうか。その度に、ガンガンとした頭痛と、こみ上げてくる吐き気が朱音を襲い、立っているのも辛くなってくる。
「無理に感じ取ろうとするな、朱音。お前の魂が、この土地の穢れに引きずられる」
役小角様は、朱音の顔色の悪さに気づき、そっと彼女の背中をさすってくれた。その大きな手の温もりが、冷え切った体に染み渡る。
一行が、さらに奥の広間へと足を踏み入れた、その時だった。
カタカタカタ……。
広間の隅に置かれていたらしい古い棚の上の、割れた陶器の破片が、まるで意思を持ったかのように小刻みに揺れ始めた。そして次の瞬間、それらの破片が宙を舞い、鋭い刃物のように一行に向かって一斉に飛んできたのだ!
「危ない!」
義王(ぎおう)が朱音の前に立ちはだかり、その屈強な体で陶片の雨を防ぐ。バチバチと彼の纏う衣に陶片が当たる音が響くが、彼はびくともしない。部屋の隅にあった衝立(ついたて)がひとりでに倒れ、壁に掛けられていたであろう掛け軸は、まるで首を吊った人のように不気味に揺れている。ポルターガイスト現象――この屋敷に巣食う何者かが、明確な敵意をもって一行を排除しようとしているのだ。
そして――広間の最も奥、床の間に物々しく飾られていた古びた鎧兜(よろいかぶと)が、ガシャガシャと不気味な金属音を響かせながら、ひとりでにゆっくりと動き出したのだ!
「なっ……!?」
朱音は息を呑む。誰も身に着けていないはずのその鎧が、まるで目に見えない何者かに操られているかのように、その錆びついた腕を振り上げ、傍らに置かれていた太刀を掴むと、ぎこちない動きで一行に襲い掛かってきた!
「チッ……! 厄介な!」
義王が前に出て、その剛腕で鎧を打ち砕こうと拳を叩き込む。しかし、彼の拳は、まるで霧を殴ったかのように鎧をすり抜けてしまった。
「物理的な攻撃が、全く通用しないのか!」
「物に宿った怨念が実体化したものか! しつこい!」
役小角様が独鈷杵(とっこしょ)を構え、呪符を連続して飛ばして鎧の動きを封じようとする。彼の呪法によって鎧の動きは一時的に鈍るものの、完全に止めることはできない。それどころか、鎧が動くたびに、屋敷全体に満ちる怨念がさらに濃密になり、朱音の呼吸を圧迫していくのを感じる。
「闇雲に相手をしていても切りがない。これは、この屋敷全体が、強い呪いか、あるいは特定の怨念の主によって操られていると見るべきだ。元凶……核となっている存在を見つけ出し、それを浄化せねば埒が明かんな!」
役小角様は冷静に状況を判断し、朱音に向き直った。その黒い瞳は、混乱と恐怖に揺れる朱音の赤い瞳を真っ直ぐに見据えている。
「朱音! 感じろ! この屋敷の中で、最も強い怨念はどこから発せられている!? お前のその赤い瞳は、どんな闇をも見通す特別な光だ。恐れるな、その魂で、怨念の源を捉えろ!」
彼の力強い言葉が、朱音の心の奥底に眠っていた勇気を呼び覚ます。そうだ、私は役小角様の役に立てる。この忌まわしいと思っていた力も、今この瞬間、彼らを助けるための光になるのかもしれない。
朱音は、襲い来る吐き気と激しい頭痛に耐えながら、ぎゅっと目を閉じ、必死で意識を集中させた。屋敷全体に渦巻く怨念の奔流の中から、ひときわ強く、冷たく、そして…どうしようもなく深い悲しみに染まった気配の源泉を探る。それは、まるで凍てついた涙の雫のように、冷たく、そして痛ましい。
(あった……! 二階だ……! 二階の、一番奥の部屋……!)
「二階です! 役小角様!」
朱音は、涙で潤んだ声で叫んだ。
「廊下の突き当り…たぶん、一番大きな部屋から……! とても……とても、悲しい……感じがします……! 誰かが、ずっと、ずっとそこで泣いているような……そんな……!」
怨念の感情に同調しすぎて、朱音自身の心まで引きずられそうになるのを、必死で堪える。
「よくやった、朱音。お前のその魂の輝きが、我らを導く」
役小角様は、そう言うと、朱音の濡れた頬を優しく手の甲で拭い、その髪にそっと口づけを落とした。それは、彼の深い労いと、そして揺るぎない愛情の証だった。朱音は、その不意の口づけに顔を真っ赤にしながらも、胸の奥から湧き上がる温かい力に満たされるのを感じた。
一行は、軋む音を立てる古い階段を駆け上がり、二階へと向かった。
二階の廊下もまた、一階よりもさらに強い怨念の気配に満ちていた。埃っぽく、薄暗い廊下の突き当り、一番奥に、他よりも一回り大きな、重々しい木の扉が見える。朱音が感じ取った通り、その扉に近づくにつれて、怨念の圧力は凄まじいほどに強くなっていく。まるで、見えざる壁に押し返されるかのようだ。そして、その扉の隙間から、冷たい風と共に、微かな嗚咽のような、あるいは誰かの恨み言を繰り返し呟くような音が、断続的に漏れ聞こえてくる気がした。
この扉の向こうに、この屋敷の悲劇の中心があり、そして今もなお、強い怨念を放ち続けている存在がいるのだ。
三人は、互いに目配せをし、覚悟を決めた。役小角様が、そっとその古びた扉に手をかける。
ギィィ……。
まるで悲鳴を上げるかのように、長い間開けられたことのなかった扉が、重い音を立てて、ゆっくりと内側へと開き始めた。
扉の先は、かつて高貴な身分の女性が使っていたのであろう、広い私室だった。埃は厚く積もり、壁には大きな染みが広がり、部屋の調度品の多くは朽ち果てているものの、その造りや残された家具の繊細な意匠からは、往時の華やかさが微かに偲ばれる。立派な鏡台、螺鈿(らでん)の施された美しい書き物机、そして床には色褪せた極彩色の絹の衣の断片が、まるで散った花びらのように散らばっていた。しかし、それら全てが、今は深い悲しみと絶望の色に染まっているかのようだった。部屋全体に、息が詰まるほど濃密な怨念が、まるで淀んだ水のように満ち満ちている。
そして、部屋の奥、月明かりが辛うじて差し込む大きな窓辺に――ひとつの人影が、静かに佇んでいた。
それは、美しい藤の花の刺繍が施された白い袿(うちき)のようなものを纏った、若い女性の姿に見えた。床に届くほど長く艶やかな黒髪が、その細い肩から滑り落ちている。けれど、その輪郭はどこか曖昧で、まるで陽炎(かげろう)のように揺らめいており、足元は透けているようにも見える。物理的な実体があるのかないのか、判然としない。彼女こそが、この屋敷に満ちる、途方もない怨念の源なのだろう。
その女性の怨霊(と呼ぶべきか)が、ゆっくりとこちらを振り返った。
その顔立ちは、生前はさぞかし美しく、多くの人々を魅了したであろうと思わせるものだった。しかし、今は深い悲しみと、そして底なしの憎悪によって、その精緻な造作は見る影もなく歪んでいる。虚ろな瞳が、侵入者である一行を捉えた。その瞳の奥には、何百年もの間燃え続けてきた、決して消えることのない怨嗟の炎が揺らめいていた。
「……誰だ……? よくも……私の部屋に……土足で踏み込んできたな……!」
その声は、かつては鈴を転がすような美しさを持っていたであろう名残を留めながらも、今は恨みと怒りに震え、聞く者の肌を粟立たせるほどに冷たく、そして鋭かった。
その声と共に、部屋の中の空気がビリビリと震え、棚の上に辛うじて残っていた物がカタカタと激しく音を立て始める。怨念の力が、目に見える形で溢れ出し、三人に襲いかかろうとしていた。
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