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第三十話:狐火の道標、山里に潜む影と囁き
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役小角(えんのおづぬ)様と星空の下で永遠の愛を誓い合った、あの湯けむりの里での日々は、朱音(あかね)の心に温かく、そしてかけがえのない記憶として深く刻まれた。彼の自分に向ける眼差しや言葉の一つ一つが、これまでの孤独と悲しみを溶かし、朱音の内に新たな自信と、彼と共に未来を歩むという確かな希望を与えてくれていた。
一行は、湯治場として賑わった村を後にし、次なる宿場を目指して再び静かな旅路に戻っていた。季節は晩秋から初冬へと移ろい、山々は赤や黄色に燃え立つような紅葉の盛りを過ぎ、今はその多くが葉を落とし始めている。吹き抜ける風は肌を刺すように冷たいが、時折雲間から射す陽光は、枯れ野を黄金色に染め上げ、どこか物寂しいながらも美しい光景を描き出していた。
その日、一行は分かれ道が多く、地図にもあまり記されていないような深い山道に迷い込んでしまった。陽が傾き始め、心細さが募り始めた頃だった。どこからともなく、ふわりと数匹の狐が現れたのだ。艶やかな赤茶色の毛並みをした、利口そうな顔つきの狐たち。彼らは、驚く一行の前を、まるで「こちらへ」と誘うかのように、軽やかな足取りで先導し始めた。
「まあ、狐さん……」
朱音は、その愛らしい仕草に思わず顔を綻ばせる。狐たちは時折こちらを振り返り、一行がついてきているのを確認すると、また心得たように先を駆けていく。その姿には、どこか悪戯っぽい親愛の情が感じられた。
「…ふん、ただの狐ではなさそうだな。この辺りの土地神の使いか、あるいは…」
役小角様は、腕を組んで面白そうに呟いた。義王(ぎおう)も、いつものように警戒を解いてはいないものの、狐たちから敵意や邪気を感じ取れないのか、静かにその様子を見守っている。
朱音は、狐たちの中に、ひときわ体が小さく、そしてどこか寂しげな、潤んだ大きな瞳をした子狐がいるのに気づいた。その子狐は、他の狐たちから少しだけ離れて、時折不安そうに朱音の方を見つめている。朱音がそっと微笑みかけると、子狐はびくりと体を震わせたが、逃げようとはしない。そして、陽光が木々の間からその子狐を照らした瞬間、朱音はふと、その姿が一瞬だけ、小さな人間の女の子のように見えた気がして、胸の奥が小さくざわめいた。
(今の……気のせい、かしら……?)
狐たちに導かれるようにして、一行は無事に山を下り、夕暮れ時、山間の小さな村へとたどり着くことができた。村は「霧隠(きりがくれ)の里」と呼ばれているらしく、その名の通り、夕靄(ゆうもや)が静かに立ち込め、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。狐たちは、村の入り口で、まるで役目を終えたかのように、一声高く鳴くと、あっという間に森の奥へと姿を消してしまった。
宿を探そうと、朱音が近くで畑仕事を終えて家路につく村人に声をかけると、その初老の男は、一行の姿、特に役小角様や義王のただならぬ雰囲気に一瞬目を見張った後、開口一番、険しい顔つきでこう尋ねてきた。
「あんたたち、そのなりからすると旅の者だろうが…山道で、狐どもに悪さをされなかったかい?」
「え? 狐、ですか…?」朱音は戸惑いながらも答える。「いいえ、むしろ道を教えていただいたような…とても、利口で可愛らしい狐たちでしたけれど…」
すると、男は顔をしかめ、吐き捨てるように言った。
「可愛らしいだと? とんでもねえ!この辺りの山にはな、悪賢い妖狐(ようこ)の一団が棲みついておるんだ。油断させて人に近づき、作物を荒らすわ、旅人を化かして道に迷わせるわ、やりたい放題よ。姿を見ても、決して近づくんじゃねえぞ。特に、日が暮れてからはな」
その言葉には、妖狐に対する強い警戒心と、長年積み重なってきたであろう不信感が色濃く滲んでいた。
朱音は、先ほど道案内してくれた、あの愛らしい狐たちの姿を思い出し、村人の言葉に納得がいかないものを感じた。あんなに優しそうな瞳をしていたのに。
「でも、私たちが会った狐さんたちは、本当に親切にしてくれたように見えましたが……」
「そりゃあ奴らの手口だ! そうやって油断させておいて、後で酷い目に遭わせる魂胆に決まっておる!」
別の村人も、鍬(くわ)を肩にしたまま会話に加わってきた。「あいつらは、ただの獣じゃねえ。人を化かす知恵を持った、性悪な妖(あやかし)だでな」
どうやら、この村では妖狐は徹底的に嫌われ、恐れられているらしい。その強い偏見と恐怖心が、村全体をどこか陰鬱な空気で覆っているように朱音には感じられた。
さらに、最初の男が声を潜め、まるで忌まわしいものでも語るかのように続けた。
「…それだけじゃねえだ。あの性悪な妖狐どもと…あろうことか、人間の間にできた、『あいの子』までいるって噂だ。まったく、聞いただけで気味が悪いったらありゃしねえ…」
「あいの子……」
その言葉に、朱音の心臓が、ドクンと大きく脈打った。
自分と同じ、「人ならざるものの血を引く者」。
そして、山道で見た、あの寂しげな瞳の子狐――あるいは、一瞬だけ人間の女の子に見えた、あの幻影のような姿が、鮮明に脳裏をよぎる。
(もしかして、あの子が……この村のどこかに……?)
朱音は、その「あいの子」のことが、どうしようもなく気になって仕方がなくなっていた。どんな境遇で、どんな思いで、この妖狐を恐れる村で暮らしているのだろうか。会って話をしてみたい、という強い気持ちが、胸の奥から湧き上がってくる。
役小角様は、そんな朱音の心の揺れ動きを、いつものように静かに、しかし全てを見通すかのような深い瞳で見つめていた。彼の表情は読み取りにくいが、その瞳の奥には、朱音の優しさへの理解と、そしてこれからこの村で起こるかもしれない出来事への、微かな予感のようなものが宿っているように見えた。
一行がようやく見つけた小さな宿に入り、旅の疲れを癒すための粗末ながらも温かい食事を囲んでいる時も、朱音の心は、村外れにいるかもしれない「妖狐と人間のあいの子」のことでいっぱいで、なかなか落ち着かなかった。
そんな朱音の様子に気づいたのか、役小角様が、ふと箸を止め、静かに問いかけた。
「…気になるか、朱音。その『あいの子』とやらが」
その声は、どこまでも穏やかだった。
一行は、湯治場として賑わった村を後にし、次なる宿場を目指して再び静かな旅路に戻っていた。季節は晩秋から初冬へと移ろい、山々は赤や黄色に燃え立つような紅葉の盛りを過ぎ、今はその多くが葉を落とし始めている。吹き抜ける風は肌を刺すように冷たいが、時折雲間から射す陽光は、枯れ野を黄金色に染め上げ、どこか物寂しいながらも美しい光景を描き出していた。
その日、一行は分かれ道が多く、地図にもあまり記されていないような深い山道に迷い込んでしまった。陽が傾き始め、心細さが募り始めた頃だった。どこからともなく、ふわりと数匹の狐が現れたのだ。艶やかな赤茶色の毛並みをした、利口そうな顔つきの狐たち。彼らは、驚く一行の前を、まるで「こちらへ」と誘うかのように、軽やかな足取りで先導し始めた。
「まあ、狐さん……」
朱音は、その愛らしい仕草に思わず顔を綻ばせる。狐たちは時折こちらを振り返り、一行がついてきているのを確認すると、また心得たように先を駆けていく。その姿には、どこか悪戯っぽい親愛の情が感じられた。
「…ふん、ただの狐ではなさそうだな。この辺りの土地神の使いか、あるいは…」
役小角様は、腕を組んで面白そうに呟いた。義王(ぎおう)も、いつものように警戒を解いてはいないものの、狐たちから敵意や邪気を感じ取れないのか、静かにその様子を見守っている。
朱音は、狐たちの中に、ひときわ体が小さく、そしてどこか寂しげな、潤んだ大きな瞳をした子狐がいるのに気づいた。その子狐は、他の狐たちから少しだけ離れて、時折不安そうに朱音の方を見つめている。朱音がそっと微笑みかけると、子狐はびくりと体を震わせたが、逃げようとはしない。そして、陽光が木々の間からその子狐を照らした瞬間、朱音はふと、その姿が一瞬だけ、小さな人間の女の子のように見えた気がして、胸の奥が小さくざわめいた。
(今の……気のせい、かしら……?)
狐たちに導かれるようにして、一行は無事に山を下り、夕暮れ時、山間の小さな村へとたどり着くことができた。村は「霧隠(きりがくれ)の里」と呼ばれているらしく、その名の通り、夕靄(ゆうもや)が静かに立ち込め、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。狐たちは、村の入り口で、まるで役目を終えたかのように、一声高く鳴くと、あっという間に森の奥へと姿を消してしまった。
宿を探そうと、朱音が近くで畑仕事を終えて家路につく村人に声をかけると、その初老の男は、一行の姿、特に役小角様や義王のただならぬ雰囲気に一瞬目を見張った後、開口一番、険しい顔つきでこう尋ねてきた。
「あんたたち、そのなりからすると旅の者だろうが…山道で、狐どもに悪さをされなかったかい?」
「え? 狐、ですか…?」朱音は戸惑いながらも答える。「いいえ、むしろ道を教えていただいたような…とても、利口で可愛らしい狐たちでしたけれど…」
すると、男は顔をしかめ、吐き捨てるように言った。
「可愛らしいだと? とんでもねえ!この辺りの山にはな、悪賢い妖狐(ようこ)の一団が棲みついておるんだ。油断させて人に近づき、作物を荒らすわ、旅人を化かして道に迷わせるわ、やりたい放題よ。姿を見ても、決して近づくんじゃねえぞ。特に、日が暮れてからはな」
その言葉には、妖狐に対する強い警戒心と、長年積み重なってきたであろう不信感が色濃く滲んでいた。
朱音は、先ほど道案内してくれた、あの愛らしい狐たちの姿を思い出し、村人の言葉に納得がいかないものを感じた。あんなに優しそうな瞳をしていたのに。
「でも、私たちが会った狐さんたちは、本当に親切にしてくれたように見えましたが……」
「そりゃあ奴らの手口だ! そうやって油断させておいて、後で酷い目に遭わせる魂胆に決まっておる!」
別の村人も、鍬(くわ)を肩にしたまま会話に加わってきた。「あいつらは、ただの獣じゃねえ。人を化かす知恵を持った、性悪な妖(あやかし)だでな」
どうやら、この村では妖狐は徹底的に嫌われ、恐れられているらしい。その強い偏見と恐怖心が、村全体をどこか陰鬱な空気で覆っているように朱音には感じられた。
さらに、最初の男が声を潜め、まるで忌まわしいものでも語るかのように続けた。
「…それだけじゃねえだ。あの性悪な妖狐どもと…あろうことか、人間の間にできた、『あいの子』までいるって噂だ。まったく、聞いただけで気味が悪いったらありゃしねえ…」
「あいの子……」
その言葉に、朱音の心臓が、ドクンと大きく脈打った。
自分と同じ、「人ならざるものの血を引く者」。
そして、山道で見た、あの寂しげな瞳の子狐――あるいは、一瞬だけ人間の女の子に見えた、あの幻影のような姿が、鮮明に脳裏をよぎる。
(もしかして、あの子が……この村のどこかに……?)
朱音は、その「あいの子」のことが、どうしようもなく気になって仕方がなくなっていた。どんな境遇で、どんな思いで、この妖狐を恐れる村で暮らしているのだろうか。会って話をしてみたい、という強い気持ちが、胸の奥から湧き上がってくる。
役小角様は、そんな朱音の心の揺れ動きを、いつものように静かに、しかし全てを見通すかのような深い瞳で見つめていた。彼の表情は読み取りにくいが、その瞳の奥には、朱音の優しさへの理解と、そしてこれからこの村で起こるかもしれない出来事への、微かな予感のようなものが宿っているように見えた。
一行がようやく見つけた小さな宿に入り、旅の疲れを癒すための粗末ながらも温かい食事を囲んでいる時も、朱音の心は、村外れにいるかもしれない「妖狐と人間のあいの子」のことでいっぱいで、なかなか落ち着かなかった。
そんな朱音の様子に気づいたのか、役小角様が、ふと箸を止め、静かに問いかけた。
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