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噂と真実は?
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「けどね、真実の愛があれば何をやってもいいとは限らないと思うけど」
一対複数。いじめにも見える。
それにこういったデリケートな事は静かなところで関係者のみで話し合う内容だ。
「な、オマエは?」
ムッとした顔をクラウスは青年に向けた。
「あの方って、ハリソン辺境伯領から薬草の研修のいらしている方だわ」
令嬢の一人が隣の令嬢に耳打ちする。
「騎士様らしいですわよ、でもね」
騎士は令嬢の間では人気の夫候補だった。なので情報は広がっていた。
「家門などは謎らしいですわよ。ハリソン辺境家の遠縁らしいですわよ」
いつの間にか令嬢たちは、青年の知りうる情報を交換していた。
「でもね、お姿が……」
騎士というのに髪は長くボサボサ。そのため目は隠れているのではっきりとした容姿は分からない。その上、畑仕事のためいつも小汚い恰好という印象だった。
「ギルバードと申します」
自己紹介と名を名乗り、簡易な挨拶をした。
「ハリソン領から研修に来ていて、たしかエリーゼの弟子ってことらしいけど」
クラウスが誰かから聞いていたことを口にする。
「ええ。切り傷にいい薬草をクロスフォード家から譲っていただけるので、その育成方法を覚えにきております」
リセアナという新種で、エリーゼが交配に成功した薬草だった。
「育成だって! あれは、トラエル家にと願いでていたはずだ」
育成方法を覚えに来るということはできた薬ではなく苗を渡すということ。トラエル家には否と応じられた。
「ハリソン領は辺境の地です。薬にしてお渡しするには時間がかかるので苗から作っていただくことがいいと父が判断しました。ケガをする方の数が半端ではないらしいので」
「そ、そうだけど」
クラウスの父親は苗を手にし、自身で研究してクロスフォード家が作る薬より効果の低い物を製造して近隣諸国の知り合いに内密に売ろうと考えていた。それも相場の何倍かの値段でだ。それほどリセアナの効果はいいものだった。
今この国は危険な生物や瘴気という人体に害でしかない空気が溢れていた。
その原因は、先の戦いで隣国のクルカド帝国の魔法使いがこの国、ベイアルノ王国との国境にある広大な森のどこかに魔物呼びの石、今では魔石と呼ばれているものを隠したからだった。
国としては探し出して消滅させたいのだが、魔物や石のせいで狂暴化した野獣と石から放たれる瘴気のためになにもできてなかった。
できることは人里に魔物や狂暴化した野獣が入ってこないようにすることしかなく、その戦いのためけが人は多くいた。特にクルカド帝国との国境を守るハリソン辺境伯領は、魔石が隠された地の近くでもありひどかった。
「うん、リゼの家の薬草には助けられているよ」
「リゼだと!」
ギルバードのエリーゼに対しての馴れ馴れしい態度もだが、愛称で呼んでいることに異常に反応した。
「どうして家族でも婚約者でもないオマエがそう呼ぶんだ?」
自分でさえ愛称呼びなどしたことはない。
「え! 育成方法をおしえている時など、クロスフォード令嬢と呼ばれていてもなんていうか時間がおしいというか、さっさと物事を伝えたいのでこうなりました」
家族や婚約者というくくりで文句を言うならば、あなたはどうなのと訊きたいエリーゼだったが、今は止めた。
また屁理屈で反撃されるのも鬱陶しい。
「こうって……」
また平民のようなことをとクラウスは頭を抱える。
仕事上でもなんでもお勧めできるものではない。
「トラエル伯爵子息。あなたはエリーゼ嬢と婚約解消したいって本気?」
クラウスの葛藤など無視でギルバードは話しを変える。
「な!」
「そうですわ」
口ごもるクラウスに代わり、イラートが応じる。
「私たちの邪魔はやめてほしいの」
「邪魔なんで、してませんよ」
全く覚えのないエリーゼだった。
婚約して二年がたつ。
当所はまだ交流があったが、今では絶対に参加しなくてはいけない王家主催の舞踏会でさえエスコートをしてもらえない状態だった。
婚約者の間でするプレゼント、手紙に定期的なお茶会など今は皆無状態だった。
冷めきっていた。
それでも身分が上でこちらから婚約解消を願おうにも相当な理由がなければできなかった。
浮気相手がいるとエリーゼが訴えても。
トラエル家に訴えてもクラウスには親しい令嬢がいる。ただそれだけだ。それに浮気をしたとしても一時の気の迷いと言われれば、それまでだった。
家のための婚姻。貴族令嬢の定めと諦めていたが、我慢も限界に近かった。
趣味も合わず、クロスフォード家の家業でもある土仕事もバカにされ、あげくに浮気だ。傷物と社交界で蔑まれようになるだろうが、そんなものもうどうでもよかった。
さっさと婚約を解消して自由にしてほしい。そして、運がよければ夢を叶えるチャンスになる。
傷物令嬢になるから、すぐに縁談はこないだろう。ならばしばらくは自由にさせてもらえる。
本当に実行に移せるチャンスだ。
その夢は危険だった。
それもあり両親は無理矢理婚約をさせたようでもあった。
クラウス側が断りを入れない限りは継続するという方針だったが、さすがにこの頃耳にする噂には心配をしていた。
危ない事はさせたくないが、不幸にはもっとなってほしくないが両親の願いだった。
「それにねぇ」
令嬢たちが扇を口元に寄せてまたひそひそやり出す。
こちらに聞こえる音量で。
「クラウス様に愛想をつかされて、悔しいからって王弟殿下に付きまとっていると聞きますわ」
「ええ、王弟殿下は困っていられるようだとも」
こう言いながらバレリレイトが憎々し気にエリーゼを睨む。
「王弟殿下が迷惑をしてます!」
断固講義と扇を閉じてエリーゼに突き付ける。
「それはないです。私は王弟殿下とお会いしたことがないので」
きっぱりと否定する。
「嘘を! いい! 王弟殿下はあなたをすこぶるお気に入りらしいと側近が噂していたのですよ」
バレリレイトの目には涙が浮かんでいた。
家柄も年ごろも合うので、婚約を王家に申し込んだが、想い人がいると何度も断られていた。
一時期付き合いは全くなくなったが、近年王家主催のパーティで再会して何度か公式の場で会う度親しく話しをしていて、幼い頃のような関係に戻れた、親しくなれたと喜んでいたのにだ。
調べればエリーゼの存在があった。
「バレリレイト様、身分差もですがこの方の本性が分かれば王弟殿下も目がさめられますから」
「あのぉ……」
エリーゼが何かを言おうとしたが、ギルバードに両肩を強く握られて止められた。
そして耳元で囁かれる。
「今は相手をしない方がいい。あることないことふれまわられるよ」
噂など作ればいいという方針だと。
「けど」
本当に付き合いがない。それに自分の本性って、あなたたちとも付き合いがないのにどうして分かるの? と言い返したいのを我慢した。
「ほら今も」
令嬢の一人が二人の会話する様子を指摘する。
「あらあら、本当に浮気性な方。王弟殿下も気付かれるわ。それに婚約解消された令嬢なんて、王家ではねぇ」
理由はどうであれ大抵は女性が傷物と蔑まれる。
今回のように男性側の浮気という原因でもだ。
相手をつなぎとめる魅力がない女と。
「ふーん、面白い噂だね。王弟殿下か」
ギルバードは小声で笑っていた。
「ギル様?」
ここは笑うところではないと振り向く。
「いい加減にしろよ!」
クラウスが声を荒げる。
「エリーゼまで愛称呼びか! そいつとはどんな関係なんだ? ぼくとはまだ婚約しているんだぞ」
共に愛称で呼び合っている。それに距離も近い。
「弟子さ」
ギルバードが答え、クラウスとイラートを見る。
「お二人が結婚したいってことは、エリーゼはいらないよね」
笑顔で断言した。
一対複数。いじめにも見える。
それにこういったデリケートな事は静かなところで関係者のみで話し合う内容だ。
「な、オマエは?」
ムッとした顔をクラウスは青年に向けた。
「あの方って、ハリソン辺境伯領から薬草の研修のいらしている方だわ」
令嬢の一人が隣の令嬢に耳打ちする。
「騎士様らしいですわよ、でもね」
騎士は令嬢の間では人気の夫候補だった。なので情報は広がっていた。
「家門などは謎らしいですわよ。ハリソン辺境家の遠縁らしいですわよ」
いつの間にか令嬢たちは、青年の知りうる情報を交換していた。
「でもね、お姿が……」
騎士というのに髪は長くボサボサ。そのため目は隠れているのではっきりとした容姿は分からない。その上、畑仕事のためいつも小汚い恰好という印象だった。
「ギルバードと申します」
自己紹介と名を名乗り、簡易な挨拶をした。
「ハリソン領から研修に来ていて、たしかエリーゼの弟子ってことらしいけど」
クラウスが誰かから聞いていたことを口にする。
「ええ。切り傷にいい薬草をクロスフォード家から譲っていただけるので、その育成方法を覚えにきております」
リセアナという新種で、エリーゼが交配に成功した薬草だった。
「育成だって! あれは、トラエル家にと願いでていたはずだ」
育成方法を覚えに来るということはできた薬ではなく苗を渡すということ。トラエル家には否と応じられた。
「ハリソン領は辺境の地です。薬にしてお渡しするには時間がかかるので苗から作っていただくことがいいと父が判断しました。ケガをする方の数が半端ではないらしいので」
「そ、そうだけど」
クラウスの父親は苗を手にし、自身で研究してクロスフォード家が作る薬より効果の低い物を製造して近隣諸国の知り合いに内密に売ろうと考えていた。それも相場の何倍かの値段でだ。それほどリセアナの効果はいいものだった。
今この国は危険な生物や瘴気という人体に害でしかない空気が溢れていた。
その原因は、先の戦いで隣国のクルカド帝国の魔法使いがこの国、ベイアルノ王国との国境にある広大な森のどこかに魔物呼びの石、今では魔石と呼ばれているものを隠したからだった。
国としては探し出して消滅させたいのだが、魔物や石のせいで狂暴化した野獣と石から放たれる瘴気のためになにもできてなかった。
できることは人里に魔物や狂暴化した野獣が入ってこないようにすることしかなく、その戦いのためけが人は多くいた。特にクルカド帝国との国境を守るハリソン辺境伯領は、魔石が隠された地の近くでもありひどかった。
「うん、リゼの家の薬草には助けられているよ」
「リゼだと!」
ギルバードのエリーゼに対しての馴れ馴れしい態度もだが、愛称で呼んでいることに異常に反応した。
「どうして家族でも婚約者でもないオマエがそう呼ぶんだ?」
自分でさえ愛称呼びなどしたことはない。
「え! 育成方法をおしえている時など、クロスフォード令嬢と呼ばれていてもなんていうか時間がおしいというか、さっさと物事を伝えたいのでこうなりました」
家族や婚約者というくくりで文句を言うならば、あなたはどうなのと訊きたいエリーゼだったが、今は止めた。
また屁理屈で反撃されるのも鬱陶しい。
「こうって……」
また平民のようなことをとクラウスは頭を抱える。
仕事上でもなんでもお勧めできるものではない。
「トラエル伯爵子息。あなたはエリーゼ嬢と婚約解消したいって本気?」
クラウスの葛藤など無視でギルバードは話しを変える。
「な!」
「そうですわ」
口ごもるクラウスに代わり、イラートが応じる。
「私たちの邪魔はやめてほしいの」
「邪魔なんで、してませんよ」
全く覚えのないエリーゼだった。
婚約して二年がたつ。
当所はまだ交流があったが、今では絶対に参加しなくてはいけない王家主催の舞踏会でさえエスコートをしてもらえない状態だった。
婚約者の間でするプレゼント、手紙に定期的なお茶会など今は皆無状態だった。
冷めきっていた。
それでも身分が上でこちらから婚約解消を願おうにも相当な理由がなければできなかった。
浮気相手がいるとエリーゼが訴えても。
トラエル家に訴えてもクラウスには親しい令嬢がいる。ただそれだけだ。それに浮気をしたとしても一時の気の迷いと言われれば、それまでだった。
家のための婚姻。貴族令嬢の定めと諦めていたが、我慢も限界に近かった。
趣味も合わず、クロスフォード家の家業でもある土仕事もバカにされ、あげくに浮気だ。傷物と社交界で蔑まれようになるだろうが、そんなものもうどうでもよかった。
さっさと婚約を解消して自由にしてほしい。そして、運がよければ夢を叶えるチャンスになる。
傷物令嬢になるから、すぐに縁談はこないだろう。ならばしばらくは自由にさせてもらえる。
本当に実行に移せるチャンスだ。
その夢は危険だった。
それもあり両親は無理矢理婚約をさせたようでもあった。
クラウス側が断りを入れない限りは継続するという方針だったが、さすがにこの頃耳にする噂には心配をしていた。
危ない事はさせたくないが、不幸にはもっとなってほしくないが両親の願いだった。
「それにねぇ」
令嬢たちが扇を口元に寄せてまたひそひそやり出す。
こちらに聞こえる音量で。
「クラウス様に愛想をつかされて、悔しいからって王弟殿下に付きまとっていると聞きますわ」
「ええ、王弟殿下は困っていられるようだとも」
こう言いながらバレリレイトが憎々し気にエリーゼを睨む。
「王弟殿下が迷惑をしてます!」
断固講義と扇を閉じてエリーゼに突き付ける。
「それはないです。私は王弟殿下とお会いしたことがないので」
きっぱりと否定する。
「嘘を! いい! 王弟殿下はあなたをすこぶるお気に入りらしいと側近が噂していたのですよ」
バレリレイトの目には涙が浮かんでいた。
家柄も年ごろも合うので、婚約を王家に申し込んだが、想い人がいると何度も断られていた。
一時期付き合いは全くなくなったが、近年王家主催のパーティで再会して何度か公式の場で会う度親しく話しをしていて、幼い頃のような関係に戻れた、親しくなれたと喜んでいたのにだ。
調べればエリーゼの存在があった。
「バレリレイト様、身分差もですがこの方の本性が分かれば王弟殿下も目がさめられますから」
「あのぉ……」
エリーゼが何かを言おうとしたが、ギルバードに両肩を強く握られて止められた。
そして耳元で囁かれる。
「今は相手をしない方がいい。あることないことふれまわられるよ」
噂など作ればいいという方針だと。
「けど」
本当に付き合いがない。それに自分の本性って、あなたたちとも付き合いがないのにどうして分かるの? と言い返したいのを我慢した。
「ほら今も」
令嬢の一人が二人の会話する様子を指摘する。
「あらあら、本当に浮気性な方。王弟殿下も気付かれるわ。それに婚約解消された令嬢なんて、王家ではねぇ」
理由はどうであれ大抵は女性が傷物と蔑まれる。
今回のように男性側の浮気という原因でもだ。
相手をつなぎとめる魅力がない女と。
「ふーん、面白い噂だね。王弟殿下か」
ギルバードは小声で笑っていた。
「ギル様?」
ここは笑うところではないと振り向く。
「いい加減にしろよ!」
クラウスが声を荒げる。
「エリーゼまで愛称呼びか! そいつとはどんな関係なんだ? ぼくとはまだ婚約しているんだぞ」
共に愛称で呼び合っている。それに距離も近い。
「弟子さ」
ギルバードが答え、クラウスとイラートを見る。
「お二人が結婚したいってことは、エリーゼはいらないよね」
笑顔で断言した。
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