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第一話
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「ビビアン、貴様との婚約を破棄する!」
王宮のとある一室にて、王子の声が響き渡る。
目の前には、王子の婚約者…いや、元婚約者だった悪役令嬢がいる。
そして私の周りには王子様が、騎士が、宰相が、神官が、商人が悪役令嬢から私を守るように囲っている。
「どうしてですか」
「貴様が聖女であるナディアを、平民だからという理由で害したからだ!」
そうやって断罪する王子様、悪役令嬢はみっともなく「私はやってない」って言い訳してる。その様子を私は、王子様達にばれないようにこっそりと笑って見ていた。
「(ざまぁないわね!悪役にはそれがお似合いよ!)」
私がこの乙女ゲームの世界でヒロインであるナディアに転生してから数年。
ストーリー通りに私は光魔法に目覚め、舞台となる学園に入学した。
そこで攻略対象である王子様や騎士様達と出会い、ゲームでやった通りに彼らを攻略した。
ちやほやされてて気分がよかったけど、ストーリー通りに進まない存在が現れた。
それが悪役令嬢のビビアン。
彼女はうるさい小言は言ってきたけど、ゲームのように嫌がらせしてこなかったのよね。
だから自作自演することにしたの。自分で教科書を破ったり水を被ったり。
そこで「私ビビアン様にいじめられてるんです…」って涙目で訴えたら、王子様達はみーんなコロっと騙されてくれた。
ごめんなさいねビビアン様、だってこうでもしないと断罪イベントが起きないんだもの。
なーんてこれまでの事を振り返っていたら、こいつの処遇が決まり、兵士たちに連れていかれていた。
確かゲームではこいつは断罪後、家が没落したから女を欲しがっているキモイおっさんのところに売られたのよね。
ゲームのスチルでそのおっさんが出て来てたんだけど、中年太りで禿げ散らかってて、ほんっとうにキモイおっさんだったわ!あんなのの奴隷になっちゃうなんて可哀そう!
まぁでも、それが悪役令嬢の末路だからしょうがないわよね。
悪役令嬢がいなくなると王子様達が「今まで大変だったな」「もう大丈夫だ」って慰めてくれたから、私はか弱いヒロインらしく「ありがとう」って笑顔で返事したの。そしたらみんな顔が真っ赤になったわ!
これで邪魔者はいなくなったし、明日からこの国の聖女として、愛されるお姫様としての生活が始まるのね。楽しみだわ!
王宮のとある一室にて、王子の声が響き渡る。
目の前には、王子の婚約者…いや、元婚約者だった悪役令嬢がいる。
そして私の周りには王子様が、騎士が、宰相が、神官が、商人が悪役令嬢から私を守るように囲っている。
「どうしてですか」
「貴様が聖女であるナディアを、平民だからという理由で害したからだ!」
そうやって断罪する王子様、悪役令嬢はみっともなく「私はやってない」って言い訳してる。その様子を私は、王子様達にばれないようにこっそりと笑って見ていた。
「(ざまぁないわね!悪役にはそれがお似合いよ!)」
私がこの乙女ゲームの世界でヒロインであるナディアに転生してから数年。
ストーリー通りに私は光魔法に目覚め、舞台となる学園に入学した。
そこで攻略対象である王子様や騎士様達と出会い、ゲームでやった通りに彼らを攻略した。
ちやほやされてて気分がよかったけど、ストーリー通りに進まない存在が現れた。
それが悪役令嬢のビビアン。
彼女はうるさい小言は言ってきたけど、ゲームのように嫌がらせしてこなかったのよね。
だから自作自演することにしたの。自分で教科書を破ったり水を被ったり。
そこで「私ビビアン様にいじめられてるんです…」って涙目で訴えたら、王子様達はみーんなコロっと騙されてくれた。
ごめんなさいねビビアン様、だってこうでもしないと断罪イベントが起きないんだもの。
なーんてこれまでの事を振り返っていたら、こいつの処遇が決まり、兵士たちに連れていかれていた。
確かゲームではこいつは断罪後、家が没落したから女を欲しがっているキモイおっさんのところに売られたのよね。
ゲームのスチルでそのおっさんが出て来てたんだけど、中年太りで禿げ散らかってて、ほんっとうにキモイおっさんだったわ!あんなのの奴隷になっちゃうなんて可哀そう!
まぁでも、それが悪役令嬢の末路だからしょうがないわよね。
悪役令嬢がいなくなると王子様達が「今まで大変だったな」「もう大丈夫だ」って慰めてくれたから、私はか弱いヒロインらしく「ありがとう」って笑顔で返事したの。そしたらみんな顔が真っ赤になったわ!
これで邪魔者はいなくなったし、明日からこの国の聖女として、愛されるお姫様としての生活が始まるのね。楽しみだわ!
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