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第十話・決別しよう。
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ダンジョンで鍛えてきたコンビネーションで攻め込む私とロイド。
だけど、コンビネーションは向こうも負けてはいなかった。
「あっ!」
「お兄ちゃんのとこには行かせないよ!」
「あなたの相手は私たちです!」
「ソフィア!」
「あなたはこっちよロイド」
私とロイドを分断するかのように、私の前にはキャロとミモザが、ロイドの前にはナタリーが割り込んでくる。
「さぁて?見たところロイドに…ううん、騎士団には強力な魅了がかけられてるみたいだけど、あなたなのねフィア。この騒動の黒幕も彼女が原因なのかしら?」
「……」
「まぁでも、それなら解除すれば問題ないわよね」
「(まずい!)」
ナタリーは状態異常を解除する魔法を覚えていたはず。それをされてしまえばロイドにかけた強化も、魅了も解除され、あんな格好をしているナタリーを前に戦意を喪失するかもしれない。
なんとかそれを阻止しようと私はロイドの元へ向かおうとするけれど、キャロの体術とミモザの魔法によって阻まれる。
「ロイド様!」
「行かせないよ!」
「くっ!」
キャロの爪を槍で防ぐ。一進一退の攻防。向こうも同じのようだ。
「ほらほら!女の子の裸を見て全力を出せない惨めな姿をさらしちゃえ!」
ロイドはナタリーの剣を防ぐだけで攻撃に移ろうとしない。どうしたというのだろう。
「……ナタリーは」
すると不意に口を開く。
「ナタリーは、セルドが王都を襲撃しようとしているのを知っているのか?」
唐突に質問するロイドに、ナタリーは攻撃する手を緩めないままきょとんとした。
「当たり前じゃない」
「なんでだ、悪魔の魔石を使えばどうなるかお前だってわかってるだろう。あれには破壊の悪魔が宿ってるんだぞ。あれは契約主を堕落させて、最後には契約主の身体を魂ごと乗っ取って現界する。そうなったら世界は破壊されてしまうんだぞ!?」
ロイドの話を聞いて、私はゲームのラストバトルの事を思い出した。
ラストバトルでは破壊の悪魔が教祖の身体を取り込み、その姿を現していた。
確か乗っ取った宿主の魔力が強ければ強いほど悪魔も強くなるとかなんとかだったかな?ラスボスなだけあって一撃一撃が強力だったのを覚えている。
おまけに自己再生なんて回復技まで使ってくるもんだから攻略には苦労した。
その厄介性をよく理解しているロイドに対して、ナタリーは
「えぇそうねぇ、でもしょうがなくない?領主様が国を手に入れるんだって決めたんだから、私たちはそれに従うまでよ」
「…それで、たくさんの人が傷ついてもか?」
ロイドの質問の糸が分からないナタリーは再び目を丸くし、そして笑顔で答える。
「えぇ、だって領主様の望みだもの。それで私たちは活躍して手柄を立てて、また種付けしてもらうの!」
「………そうか」
「さて、そろそろ解除しちゃいましょうかね!」
ナタリーはロイドの手から剣を弾き飛ばすと、彼の目の前に手をかざし、状態異常回復の魔法をかけた。
彼にかけていた魅了魔法が解除される……その直後、ロイドは握りこぶしをナタリーの腹部を殴りつけた。
「え……?きゃああああっ!」
一瞬何が起こったのか理解できなかったナタリーは、そのまま殴り飛ばされ、壁に激突した。
「お姉ちゃん!?」
「ナタリーさん!?」
それに驚いたのはキャロもミモザも、私も同じだ。まさか魅了解除されても、ナタリーに攻撃できるなんて。
「がはっ……ろい、ど?」
突然の攻撃に受け身も取れず、腹部を抑えながらナタリーは座り込む。
ロイドはその場に静かにたたずみ、ナタリーを、キャロを、ミモザを見渡す。
「お前たちが言いたいことはよくわかった」
「お兄、ちゃん?」
ロイドから発せられる低い声に、キャロの声が怯えで震える。
「それなら本気で行かせてもらう」
だけど、コンビネーションは向こうも負けてはいなかった。
「あっ!」
「お兄ちゃんのとこには行かせないよ!」
「あなたの相手は私たちです!」
「ソフィア!」
「あなたはこっちよロイド」
私とロイドを分断するかのように、私の前にはキャロとミモザが、ロイドの前にはナタリーが割り込んでくる。
「さぁて?見たところロイドに…ううん、騎士団には強力な魅了がかけられてるみたいだけど、あなたなのねフィア。この騒動の黒幕も彼女が原因なのかしら?」
「……」
「まぁでも、それなら解除すれば問題ないわよね」
「(まずい!)」
ナタリーは状態異常を解除する魔法を覚えていたはず。それをされてしまえばロイドにかけた強化も、魅了も解除され、あんな格好をしているナタリーを前に戦意を喪失するかもしれない。
なんとかそれを阻止しようと私はロイドの元へ向かおうとするけれど、キャロの体術とミモザの魔法によって阻まれる。
「ロイド様!」
「行かせないよ!」
「くっ!」
キャロの爪を槍で防ぐ。一進一退の攻防。向こうも同じのようだ。
「ほらほら!女の子の裸を見て全力を出せない惨めな姿をさらしちゃえ!」
ロイドはナタリーの剣を防ぐだけで攻撃に移ろうとしない。どうしたというのだろう。
「……ナタリーは」
すると不意に口を開く。
「ナタリーは、セルドが王都を襲撃しようとしているのを知っているのか?」
唐突に質問するロイドに、ナタリーは攻撃する手を緩めないままきょとんとした。
「当たり前じゃない」
「なんでだ、悪魔の魔石を使えばどうなるかお前だってわかってるだろう。あれには破壊の悪魔が宿ってるんだぞ。あれは契約主を堕落させて、最後には契約主の身体を魂ごと乗っ取って現界する。そうなったら世界は破壊されてしまうんだぞ!?」
ロイドの話を聞いて、私はゲームのラストバトルの事を思い出した。
ラストバトルでは破壊の悪魔が教祖の身体を取り込み、その姿を現していた。
確か乗っ取った宿主の魔力が強ければ強いほど悪魔も強くなるとかなんとかだったかな?ラスボスなだけあって一撃一撃が強力だったのを覚えている。
おまけに自己再生なんて回復技まで使ってくるもんだから攻略には苦労した。
その厄介性をよく理解しているロイドに対して、ナタリーは
「えぇそうねぇ、でもしょうがなくない?領主様が国を手に入れるんだって決めたんだから、私たちはそれに従うまでよ」
「…それで、たくさんの人が傷ついてもか?」
ロイドの質問の糸が分からないナタリーは再び目を丸くし、そして笑顔で答える。
「えぇ、だって領主様の望みだもの。それで私たちは活躍して手柄を立てて、また種付けしてもらうの!」
「………そうか」
「さて、そろそろ解除しちゃいましょうかね!」
ナタリーはロイドの手から剣を弾き飛ばすと、彼の目の前に手をかざし、状態異常回復の魔法をかけた。
彼にかけていた魅了魔法が解除される……その直後、ロイドは握りこぶしをナタリーの腹部を殴りつけた。
「え……?きゃああああっ!」
一瞬何が起こったのか理解できなかったナタリーは、そのまま殴り飛ばされ、壁に激突した。
「お姉ちゃん!?」
「ナタリーさん!?」
それに驚いたのはキャロもミモザも、私も同じだ。まさか魅了解除されても、ナタリーに攻撃できるなんて。
「がはっ……ろい、ど?」
突然の攻撃に受け身も取れず、腹部を抑えながらナタリーは座り込む。
ロイドはその場に静かにたたずみ、ナタリーを、キャロを、ミモザを見渡す。
「お前たちが言いたいことはよくわかった」
「お兄、ちゃん?」
ロイドから発せられる低い声に、キャロの声が怯えで震える。
「それなら本気で行かせてもらう」
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