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繊細な悪党
繊細な悪党3大事な仕事
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本当にお馬鹿なリンメルではあるが、悪い連中の学生の中では真面目なほうで、授業を受ける率も高かったことで今回選ばれた。
まともな家でない子供は馬鹿にされるので、授業を受けなくなるのは必然なのだが、こそこそした悪口くらいならリンメルも慣れているので、気まぐれに授業に行くのだ。
何故それが怪しい仕事に重要かというと、リンメルは上位学部に行くことになるからだ。
学校とは、誰でも行くことができるようになっているのではあるが、貴族と庶民を一緒にするには危険もあることから、授業など分けていることが多い。
とくに、リンメルの通う学校は偶然であるが、王都一番の大きさ、歴史をほこる学校であり、有力貴族の子息が通っているので、近くの別の学校というくらい分けられている。
何故そんな学校に通っているのかというと、単純に範囲に入る地域にいたというだけである。
上位学部は一般の学校と一応、同じ敷地にあるが、寮も校舎もしっかり一般と離れている。
そこにリンメルが通えることになるのは、上位学部は貴族だけでは批判の対象にもなるので、才能のある者も受け入れているからだ。
リンメルはそんな才能はないが、貴族による推薦によって入ることができた。
「えーと、ここか」
今まで通っていた校舎よりもずっと豪華な作りの校舎に、びびりながら中へと入ったリンメルは指定された場所にやってきた。
「失礼しまーす」
ちゃんと声を出してから中に入る。これはさすがに組織に入っているとしないと殴られるんだよな。こういう微妙に礼儀にうるさいのはうんざりする。普通の奴らだと、適当なことしても、睨みはしても殴らないので羨ましい。
部屋の中にはそこそこ顔の綺麗な奴がいた。きぞくーって感じのいけすかない奴。ま、そんなもんいっぱい見てるから気になんないけどね。偽物の上品な奴はいいお客だし。
俺を不快なもののように見てるのも気にしない。そんなのは今更だ。しかし腹は立たないけど傷ついてはいるぞ?俺は繊細だからな。
「…マシなのを選んだと聞いたが、こんなものか。しかたない。あなたには私の手足になってもらいます。足を引っ張るようなことはしないでくださいね」
「へーい」
男は偉そうなことを言う。適当に返事すれば睨まれた。そんくらい怖くねえよ、坊ちゃん。
指示を出された後、俺は寮へと向かう。通うとこが変わるだけじゃなく寮まで変わるとは! どんなんかなー。お、ここか。
寮監からもらった鍵を使い部屋に入る。
「おおお、ちゃんとした部屋!」
広さある。寝台ふかふか。棚もでかくて物たくさん置ける。あの貧乏寮では少ない私物すら部屋に全部は入らなかったのに、今は全部入れても隙間あるし!
はしゃいで部屋を物色するリンメル。気づいてないが、リンメルに与えられた部屋は庶民用の寮で一番質素である。
有力貴族となれば部屋が2つ3つとあるが、知らなければ幸せでいられる。
それから寝台の感触を楽しんで、まだ教師への挨拶などあるというのに眠ってしまうのだった。
リンメルに与えられた仕事は、ある人間の監視である。
そんな事を何故するのかと言うと、リンメルに詳細は知られさていないが、軽くは教えられた。
この国の王家や神殿の者にしか知られていない言い伝えがある。
呼ぶ人という、存在を現している言い伝えだ。
召喚能力の絶大な力を持つ者だという。数百年くらいの単位で現れる、稀な存在。
どういう存在で、何をするのか、詳細は分かっていない。ただ、災厄を呼ぶこともあれば、神の恩恵も呼ぶという。
そんな言い伝えを、実は他に知っている有力貴族がいた。王家に仕え、今まで固い忠誠をしめしてきたのだが、今代の当主は野心を持った。
そして今回暗躍し、自分が王家になりかわろうと企んでいる。それにリンメルは荷担することになったというわけだ。
それが何を意味するかなんて、詳しく知らず。
神官がお告げを受け、呼ぶ人が現れることを知った極一部の国の重要人物達。
ただ、どこに、など、詳しいことは分からずに10年以上の月日がたち、1年ほど前に、呼ぶ人が国の田舎貴族に出現した。
それがちょうど、王都のリンメルの通う学校の上位学部に通っていた、というわけだ。
まともな家でない子供は馬鹿にされるので、授業を受けなくなるのは必然なのだが、こそこそした悪口くらいならリンメルも慣れているので、気まぐれに授業に行くのだ。
何故それが怪しい仕事に重要かというと、リンメルは上位学部に行くことになるからだ。
学校とは、誰でも行くことができるようになっているのではあるが、貴族と庶民を一緒にするには危険もあることから、授業など分けていることが多い。
とくに、リンメルの通う学校は偶然であるが、王都一番の大きさ、歴史をほこる学校であり、有力貴族の子息が通っているので、近くの別の学校というくらい分けられている。
何故そんな学校に通っているのかというと、単純に範囲に入る地域にいたというだけである。
上位学部は一般の学校と一応、同じ敷地にあるが、寮も校舎もしっかり一般と離れている。
そこにリンメルが通えることになるのは、上位学部は貴族だけでは批判の対象にもなるので、才能のある者も受け入れているからだ。
リンメルはそんな才能はないが、貴族による推薦によって入ることができた。
「えーと、ここか」
今まで通っていた校舎よりもずっと豪華な作りの校舎に、びびりながら中へと入ったリンメルは指定された場所にやってきた。
「失礼しまーす」
ちゃんと声を出してから中に入る。これはさすがに組織に入っているとしないと殴られるんだよな。こういう微妙に礼儀にうるさいのはうんざりする。普通の奴らだと、適当なことしても、睨みはしても殴らないので羨ましい。
部屋の中にはそこそこ顔の綺麗な奴がいた。きぞくーって感じのいけすかない奴。ま、そんなもんいっぱい見てるから気になんないけどね。偽物の上品な奴はいいお客だし。
俺を不快なもののように見てるのも気にしない。そんなのは今更だ。しかし腹は立たないけど傷ついてはいるぞ?俺は繊細だからな。
「…マシなのを選んだと聞いたが、こんなものか。しかたない。あなたには私の手足になってもらいます。足を引っ張るようなことはしないでくださいね」
「へーい」
男は偉そうなことを言う。適当に返事すれば睨まれた。そんくらい怖くねえよ、坊ちゃん。
指示を出された後、俺は寮へと向かう。通うとこが変わるだけじゃなく寮まで変わるとは! どんなんかなー。お、ここか。
寮監からもらった鍵を使い部屋に入る。
「おおお、ちゃんとした部屋!」
広さある。寝台ふかふか。棚もでかくて物たくさん置ける。あの貧乏寮では少ない私物すら部屋に全部は入らなかったのに、今は全部入れても隙間あるし!
はしゃいで部屋を物色するリンメル。気づいてないが、リンメルに与えられた部屋は庶民用の寮で一番質素である。
有力貴族となれば部屋が2つ3つとあるが、知らなければ幸せでいられる。
それから寝台の感触を楽しんで、まだ教師への挨拶などあるというのに眠ってしまうのだった。
リンメルに与えられた仕事は、ある人間の監視である。
そんな事を何故するのかと言うと、リンメルに詳細は知られさていないが、軽くは教えられた。
この国の王家や神殿の者にしか知られていない言い伝えがある。
呼ぶ人という、存在を現している言い伝えだ。
召喚能力の絶大な力を持つ者だという。数百年くらいの単位で現れる、稀な存在。
どういう存在で、何をするのか、詳細は分かっていない。ただ、災厄を呼ぶこともあれば、神の恩恵も呼ぶという。
そんな言い伝えを、実は他に知っている有力貴族がいた。王家に仕え、今まで固い忠誠をしめしてきたのだが、今代の当主は野心を持った。
そして今回暗躍し、自分が王家になりかわろうと企んでいる。それにリンメルは荷担することになったというわけだ。
それが何を意味するかなんて、詳しく知らず。
神官がお告げを受け、呼ぶ人が現れることを知った極一部の国の重要人物達。
ただ、どこに、など、詳しいことは分からずに10年以上の月日がたち、1年ほど前に、呼ぶ人が国の田舎貴族に出現した。
それがちょうど、王都のリンメルの通う学校の上位学部に通っていた、というわけだ。
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