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繊細な悪党
繊細な悪党11モテそう
しおりを挟む「はあ? あんな奴と仲いいなんて想像でも、嫌だぞ」
「でも、よく一緒にいるよね?」
「それはしょうがなくなんだよ。勘違いすんな」
「そうなの? …僕ともしょうがなく? あ、ごめん。聞かなかったことにして」
自分の発言に恥ずかしくなって取り消したクルクであるが、リンメルはそれにも気づかず言われたことを考える。
「あん? お前の場合しょうがなくってのとは違う気がするな。なんだ。んー、助かるから? 助かる限り一緒にいるぞ」
「そっか…。じゃあ、リンメルが助かるように頑張るよ」
金の切れ目が縁の切れ目と言ってるようなものだが、もともと友達なんて思ってるのは自分だけだと思ってるクルクはそれでもいい。
「…頑張らなくてもいいんじゃないか? お前十分頭いいし、メシうまいし。…あれ、モテそうな要素ばっかりだな。いいな、モテる男は。俺も料理とかできたほうがいいのかな…」
「え! 僕、モテないけど」
「まだ学生だからだろ。最終的には優しくてなんでもしてくれる夫がいいんだって聞いたことある。俺よりモテ要素あるだけで可能性は高いわけだし。いいよなー」
「え、え。そんなこと…」
「少しくらいなんか分けろよー。ちくしょう」
「ええー」
最終的に変なところに行き着いたことで、クルクのネガティブモードはどこかに吹き飛んだ。
指示してくる者に、リンメルは今後のことをどうしたらいいのか聞くと、準備ができて動くので、リンメルの役目はそれまでクルクを見張るように指示された。
さすがにその時になって今回の仕事が気になり始めたリンメル。
指示者の顔がさらにすげーやばいことになってる気がする。あれってやべー薬とかやってんのだろうか。それだけは勘弁してほしい。やべーよ、あれは。なんせ人じゃなくなるね。いくら気持ちくなってもおかしくはなりたくない。
…このままだと悪いことが起こるってことだよな。あのやばい奴がなんかして。
結局呼ぶ奴?ってのはなんなんだ? それはいいとしてもクルクはどうなんだよ。むー、分からん。
「…あれ?」
悩みながら池にやってきたのに、そこにおっちゃんはいなかった。
右を見ても左を見ても、茂みを覗いても、おっちゃんはいない。
「…おっちゃん? …あれか、あまりに魚とれなくて場所変えたか。それとも仕事見つかったか。…おっちゃんが? ないだろ」
失礼なこと言いつつ、混乱する頭を落ち着かせようとする。
「…なんだよ。また俺が話相手してやろうとしてやってきたのに。おっちゃんのクセに生意気だ。………くそっ」
リンメル自身しらず、存外ショックだった。
ふてくされながら学校のある敷地へと戻る。
学校の敷地内は英雄祭の催しの為にか、授業が終わっているのに人が多い。
一般の学校より金がかかっているだけに、庭も丁寧に整えられていて、その庭を通りこの後どうしようかと考えているリンメルは、騒がしさを気にせず歩くが、声をかけられて足を止め眉を寄せた。
声からでも素養の高さ、リンメルからすると身分の高さを感じさせる。
「…ずいぶん拗ねたような顔だけど、何かあった?」
「はああ?」
親しいような物言いに相手を睨みつけた。
その相手の顔は優雅な美形の男だ。年齢はリンメルより少し年上のように見える。
「げえっ」
一番の敵。才能もないのに女にモテるタイプだ。その証拠に目を輝かせた生徒が何人も男を見ている。
「ずいぶんな声出すなあ」
「てめえみたいな奴は嫌いなんだよ。声なんてかけてくんな。顔がいいのを見せつけたいのか」
「いやー、ちょっと見せたかったのは確かだけど、そこまでの反応されるとは思わなかったなあ」
「ああん? 何が言いたい」
穏やかそうな顔してやがるが、そういう奴がえげつないことしてたりするんだ。俺はそこまで腐ってない。
「話を聞いたんだ。ある人からね。池で」
「! おっちゃん?」
「そう呼ばれてるらしいね」
自分達だけが知ってるはずの事で勝手に推測したリンメル。
「場所を変えようか」
「…おう」
おっちゃんがこんな男と知り合いとは思えないんだが…。まさか! おっちゃん仕事が見つからなさすぎて、やばい話に乗ったんじゃ…。
周囲を警戒しながら優男についていくと人の少ない場所に来た。くそっ。突然茂みに隠れた奴が出てきて襲ってくんのか? おっちゃんは大丈夫か?!
「なに茂みを睨みつけてんの。そこにはネズミ1匹もいないけど」
「うっせえ! おっちゃんどこやった! こっちはな、すげー後ろ盾がいんだからな」
「ええー。そんな方向に考えたの? …会話とかしてみたくなったけど想像以上にメンドウだなー」
「あああ?」
こいつ、さっきから変なこと言ってんな。頭いかれてんのか?
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