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魔女と奇妙な男 (41) 化け物の話
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「役割分担があるんだよ。コリスの屋敷に行くのは別の連中だ。今、言ったように、オレはこの倉庫の物色と情報収集、そしてお前を捕まえて、そいつらに引き渡すのが役目ってわけだ。
コリスは、魔女って以外は只のオバサンだが、腐っても最高位。そう簡単に薬草や本のありかを教えたりはしねぇだろう。
そこでお前さんが、役に立つんだよ」
ネリスは、やっと自分の立場が理解できました。
あぁ~、バカ、バカ、バカ。私のバカ! 多分、師匠に言う事を聞かせようってよりも、師匠を通じてレアロンを黙らせる腹づもりに違いないわ。その道具にされちゃうなんて、私ってば本当にバカ!
クレオンが屋敷を訪れた際に、いきなりおっぱじめたレアロンとの戦い。その出来事を通じて彼の力量を知っているネリスは、連中の目的をたやすく察しました。そして、ある事にも気がつきます。
だけどこいつ、どうやらレアロンの実力を知らないようね。だって、レアロンのレの字も出て来ないもの。どうなっているのかしら。
仲間同士の連携が取れていないのか、それとも別の意図があるのか、それはネリスにはわかりませんでした。でもこのままでは、自分が師匠に大きな迷惑をかけてしまうのは火を見るよりも明らかです。
一度は絶望したネリスでしたが、どうにかこの場を切り抜けられはしないかと考え始めます。
その為には、まず時間稼ぎをしよう。どうやらこいつは、おのれの才覚を自慢したがっているようだから、それを利用して……。
「さっき、冥土の土産にって言ってたわよね。じゃぁ、色々聞かせて!」
「ほう、いよいよもって観念したか。感心、感心。もちろん答えてやるよ。オレ様は慈悲深いんだ」
ネリスの言葉に、頬を紅潮させ悦に入る化け物メサイト。
「まず、あなた方、何で屋敷にある秘密の花壇や超貴重な薬学書の事を知っているの? 身内の者しか知らないはずよ」
ネリスは勇気を出して、化け物の目を見据えます。
「そりゃぁな、お前だよ」
メサイトの言葉に、ネリスは戸惑います。
「私?」
「そうさ、お前だ」
ネリスには、メサイトが言った言葉の意味がわかりません。
「お前さ……、屋敷の間取りとか、どういう奴らがそこに居るかとか、他にも花壇の事、どういう貴重な本があるかって事、喋った覚えはないか?」
怪物が、そのいやらしい目をニタニタさせました。
「そ、そんな大切な事を、ベラベラ喋るわけないじゃ……」
ネリスはそう言いかけますが、同時に彼女の頭の中から様々な記憶がにじみ出てきます。そして、思い出すのです。
ネリスは後ろを振り向きながら、
「サジルさん、あなたが……」
と、言いました。
彼女に疑惑のまなざしを向けられた商人は、すまなそうな顔をして目をそらします。
そうです。魔女の薬相談所の接客ロビーで、ネリスはサジルと色々な話をしました。そこで彼女は無意識の内に、コリス邸の情報を漏らしていたのです。もちろん一時にではありません。そうであれば、彼女だって怪しいと気がついていたでしょう。
ですが、サジルの商人としての巧みな話術は、ネリスに意識させる事なく、様々な情報を引き出す事に成功していたのでした。
自分がまんまと情報源になっていたのを知ったネリス。その迂闊さに、頬が焼けるように真っ赤になります。怒り、恥ずかしさ、後悔、様々な物がないまぜになって、ネリスの心をかき乱しました。でもそんな中、新たな疑問がネリスの頭に浮かびます。
コリスは、魔女って以外は只のオバサンだが、腐っても最高位。そう簡単に薬草や本のありかを教えたりはしねぇだろう。
そこでお前さんが、役に立つんだよ」
ネリスは、やっと自分の立場が理解できました。
あぁ~、バカ、バカ、バカ。私のバカ! 多分、師匠に言う事を聞かせようってよりも、師匠を通じてレアロンを黙らせる腹づもりに違いないわ。その道具にされちゃうなんて、私ってば本当にバカ!
クレオンが屋敷を訪れた際に、いきなりおっぱじめたレアロンとの戦い。その出来事を通じて彼の力量を知っているネリスは、連中の目的をたやすく察しました。そして、ある事にも気がつきます。
だけどこいつ、どうやらレアロンの実力を知らないようね。だって、レアロンのレの字も出て来ないもの。どうなっているのかしら。
仲間同士の連携が取れていないのか、それとも別の意図があるのか、それはネリスにはわかりませんでした。でもこのままでは、自分が師匠に大きな迷惑をかけてしまうのは火を見るよりも明らかです。
一度は絶望したネリスでしたが、どうにかこの場を切り抜けられはしないかと考え始めます。
その為には、まず時間稼ぎをしよう。どうやらこいつは、おのれの才覚を自慢したがっているようだから、それを利用して……。
「さっき、冥土の土産にって言ってたわよね。じゃぁ、色々聞かせて!」
「ほう、いよいよもって観念したか。感心、感心。もちろん答えてやるよ。オレ様は慈悲深いんだ」
ネリスの言葉に、頬を紅潮させ悦に入る化け物メサイト。
「まず、あなた方、何で屋敷にある秘密の花壇や超貴重な薬学書の事を知っているの? 身内の者しか知らないはずよ」
ネリスは勇気を出して、化け物の目を見据えます。
「そりゃぁな、お前だよ」
メサイトの言葉に、ネリスは戸惑います。
「私?」
「そうさ、お前だ」
ネリスには、メサイトが言った言葉の意味がわかりません。
「お前さ……、屋敷の間取りとか、どういう奴らがそこに居るかとか、他にも花壇の事、どういう貴重な本があるかって事、喋った覚えはないか?」
怪物が、そのいやらしい目をニタニタさせました。
「そ、そんな大切な事を、ベラベラ喋るわけないじゃ……」
ネリスはそう言いかけますが、同時に彼女の頭の中から様々な記憶がにじみ出てきます。そして、思い出すのです。
ネリスは後ろを振り向きながら、
「サジルさん、あなたが……」
と、言いました。
彼女に疑惑のまなざしを向けられた商人は、すまなそうな顔をして目をそらします。
そうです。魔女の薬相談所の接客ロビーで、ネリスはサジルと色々な話をしました。そこで彼女は無意識の内に、コリス邸の情報を漏らしていたのです。もちろん一時にではありません。そうであれば、彼女だって怪しいと気がついていたでしょう。
ですが、サジルの商人としての巧みな話術は、ネリスに意識させる事なく、様々な情報を引き出す事に成功していたのでした。
自分がまんまと情報源になっていたのを知ったネリス。その迂闊さに、頬が焼けるように真っ赤になります。怒り、恥ずかしさ、後悔、様々な物がないまぜになって、ネリスの心をかき乱しました。でもそんな中、新たな疑問がネリスの頭に浮かびます。
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