異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜

アーエル

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第六章

第76話

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この事件以降、外交官と言えども出入国時には『鑑定石』で鑑定を受けることになった。
外交官や特使から反対の声が出るかと思われていたが、それは杞憂きゆうに終わった。
自らやましい所がないと証明するには『鑑定を受けるのが一番』と、誰もがこぞって賛成したのだ。



問題はコーティリーン国だ。
他族を・・・特に『人族』を見下しているのは『天罰騒動』以前から周知の事実だった。
だから『さくら様襲撃事件』でエルハイゼン国の王城を攻撃した事に驚いた。
しかし、何となく「ああ。とうとう『やらかした』か」と納得もしていた。

そして今回発覚した『人身売買事件』。
それにまた『さくら様が狙われた』事が知れ渡った。
国をあげて一斉に『探し』して回ったのだ。

流石に上位貴族たちの中からは反感が出た。
突然兵士が30人と役人10人の『1チーム』が押し寄せて来て「今から屋敷内を『家探し』させて頂きます。これは国王命令王命です」と言われても「はいどうぞ」と招き入れられる訳がない。

その時にまだ秘匿だった『さくら様誘拐未遂事件』の話が持ち出されて、「これは『さくら様』の御身おんみを守るためです」と言われると誰もが納得したのだ。
さすが『さくらの親衛隊ネットワーク』だ。
・・・しかし『秘匿情報』にもかかわらず、『さくら様』がかかわっていると『秘匿』にならないことも判明した。

そして呆気なく『人身売買』がバレて捕縛された貴族も多かった。

貴族たちは『さくら様の敵かいなか』と問われてすんなりと『誰から買ったか』を自白。
そして『奴隷を買い替えて不要になったら『回収』する』という施設が複数あると判明した。
その施設をすべて調べたところ、後ろに『コーティリーン国』がいたのだ。
ちなみに『回収された子供』はいなかった。


神殿に神々が罰を下すのか問い合わせようとした国もあった。
しかしその前にエルハイゼン国から『神々は主犯8人に罰を下された』と連絡がきた。
それは『他の者たちは自分たちの手で裁いて良い』ということだ。
貴族たちは『子供を買う金があることが問題』として財産没収。
平民に格下げされた。
『没落貴族』という不名誉な肩書きがつくのだ。
市井という『見えない檻』の中で、民衆という『監視者』に見張られて生きていくことになる。
『檻の中の囚人』よりツラい立場だろう。

領主たちは領民から『恥さらし』のレッテルを貼られた。
そして領民たちは国王に『領主の交代』を願い出て認められた。
後継者がいる者は領内の塔に幽閉された。
その後継者も関与してた者や、後継者がおらず『領主の交代』で領地を明け渡す者は、王都に送られて『懸案けんあん塔』に幽閉させられた。

どの国にも『懸案塔』はある。
それは『神の罰』という解決がまだつかない貴族以上の者たちが、罰を受けるまで入れられる塔だ。
『罰』を受ければ、その程度にあわせて神殿の地下などに移動させられる。
塔から終生出されないのは、王族と王政にかかわった者だけだ。



そして国際会議が繰り返された結果。
『コーティリーン国』の完全消滅が決定した。
『過去の事件』で『国としての機能』は既にない。
今は『研究施設』が『コーティリーン』の名を継いでいるだけだ。
その研究施設も今回の誘拐事件にかかわっていた。
研究施設はエルハイゼン国とセリスロウ国の国境に移築されて、元の施設は徹底的に破壊された。
以前からさくらに『エルフ族は瘴気に弱いかも知れない』と指摘されていた。
そのため『エルハイゼン国から一番遠い』場所から『すぐ隣』に移築することで『瘴気の影響』を抑えることにしたのだ。
それと同時に各国の『監視の目』が集まる場所となった。
研究施設が残されたのは、飛空船や鉄道など今までの研究成果は評価されるものだからだ。

ただエルフ族は『天罰』で、寿命を30歳にまで減らされた。
そうなって、やっと『後悔』し『反省』し『謝罪』した。
しかしすでに『手遅れ』だった。
天罰は『エルフ族全体』にかけられたのだ。
そのこともあり、研究員は全種族から集められることになった。

そしてここの警備は『さくらの親衛隊』が受け持つこととなった。
彼らは『さくらのため』なら、『権力』だけでなく『瘴気の影響』ですら跳ね返す強い精神を持っているのだ。


これからは『コーティリーン』の名は、もとの地に残る『地下迷宮ダンジョン牢獄』をさすだけになった。



『聖なる乙女』が召喚されてからエルハイゼン国は確かに瘴気が薄まった。
そして正気に戻った国王レイソル宰相マクニカはさくらに対する自分たちの言動を恥じていた。
聖なる乙女たちの『お披露目』が決まってすぐ、鉄格子越しでジタンと面会した2人。
自身たちが治療院へ運ばれてから起きた『天罰騒動』や『暗殺未遂事件』、『エルフ族襲撃事件』などさくらの周りで起きたことを聞かされた。
そこでようやく自身たちが『瘴気にあてられて正気ではなかった』ことを認めた。
女神からの神託に国王として正しく応対し、さくらに礼を尽くして招いていれば、少なくとも『暗殺未遂事件』は避けられていたのだ。

ジタンは父王たちにも『呪い』のことは伏せた。
アグラマニュイ国との関係を崩すこともなく『円満解決』出来たのだ。
それは『さくら自身』の望みだった。
『当事者以外に罰を与えないで』
だからこそ国王たちに罪は問われなかったのだ。
そして『終わったこと』を今さら蒸し返す気はなかった。


ジタンは以前から計画していたことがある。
それは自身が『国王』になったら真っ先に実行しようと考えていた。
王城敷地内はとても広い。
純和風の『聖なる乙女の館』は敷地南部にある。
王城の隣にある『迎賓館』は二階建てで『横長』になっている。
王城が三階建てのため、王城内を探検していた時に屋上庭園から見たさくらの感想は「小学校の校舎みたい!」だった。

今、その隣に新たな迎賓館を建設計画中だ。
まだ『国王代理』のため勝手に着手出来ないのだ。
その『計画』を父王レイソルに伝えると賛成してくれた上、一筆したためてくれた。

そして最後に「さくら様に『申し訳なかった』と代わりにびてほしい」と頭を下げたのだった。


『計画』は『聖なる乙女のお披露目』が終わった翌日・・・『ボルゴたちの制裁』後に着手された。


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