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しおりを挟む「先日のMRIの結果ですが、悪性は見つかりませんでした」
そう言った先生の目の先には先日検査したMRIのカラー映像が映し出されていた。
このカラーで驚くことが判明した。
「ここですね。大きな腫瘍に隠れるように小さな腫瘍が見つかりました」
先生が見せた何枚目かの画像。
そこには右の大きな腫瘍の下に隠れた腫瘍が3個。
次の画像を飛ばしたその次にも腫瘍がいくつも見つかった。
『多発性筋腫』
子宮筋腫の半分以上が多発性で珍しいことではないらしい。
先生曰く「どれも良性」とのこと。
ただ、腹腔内にある空間が筋腫でいっぱいになっているらしい。
「それでですね」
手術で子宮を取ることになっていたが、卵巣を残しても卵巣がんになる可能性が残るそうだ。
子宮を取ることは納得できても、卵巣まで取ることを同意できない女性は多いとのこと。
サクッと摘出に同意した私に先生の方が驚いて「本当にいいのですか?」と聞いてきた。
「ガン家系、でしょ?」
隣に座る母に確認すると母も頷いて「この子の祖父はガンで亡くなりましたから」と先生に伝えた。
その際「この病院で」と告げるのも忘れない。
先生もガン家系ならリスクを少しでも回避しようと考えるのにも納得した。
「手術の日程を決めたいのですが……」
感染防止のため手術が中止になっていたこともあり、先生の手帳は週二回の診察日以外の平日は手術の予定でギッシリだった。
一番早くて五十日後。
前日に入院。翌日が手術。
翌週には退院
入院期間はだいたい一週間から十日ってところだろうか。
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