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本編

第40話

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<あお視点>


あらんお兄ちゃん達に行ってらっしゃいをした後は少し職員さんのお手伝いをして子供たちの夜ご飯を運んだり遊んだりした。すると
『あおく~ん、あと1時間は少なくてもかかりそう...ごめんね!もしこれ以上かかるようなら先に家に帰ってていいからね!』
とあらんお兄ちゃんから『思念』で届いた。それに『大丈夫だよ~』と返して、また子供たちと遊んでると遠くの方から悲鳴が聞こえた。それを聞いたキース先生(職員さん)が
「少し様子を見てきますね」
と言って、出て行った。子供たちは怖いのかあおにくっついてくる。一番小さい子を抱きしめて待ってると、キース先生が大勢の子供とその保護者らしき人たちを連れて戻ってきた。
「あおくん!魔物が中庭に出現です!冒険者1パーティーと1人の魔法使いが魔物を食い止めてますがゲートが閉じていなかったのでたくさん来ます!ここで子供たちを守ってください!」
と言うなり、腰から短剣を出して走って行ってしまった。
んー魔物の発生か~しかもゲートまで...ゲートは最悪災害級の魔物も出てきちゃうからあおも行かないと!と思い立ち上がり行こうとしたら、近くの子供たちにローブの裾を掴まれた
「うわぁ!んもう!いきなり引っ張んないでよ~」
「ダメ!あおくんもここにいるの!行っちゃヤダ!」
と言ってしがみつかれ泣かれた。
うぅ...困ったな...あおが行かないと負傷者や死者が出ちゃう...どうしようと悩んでるとまた違う大人が入ってきた
「ゴブリンキングが出てきたぞ!早く避難しろ!裏門なら今は安全だ!」
それを聞いた人たちと後から来た大人たちは子供を適当に抱えながら避難し始めている。それはあお達も同じで近くにしがみついてた子が離れた。その隙を逃さず、中庭に向かった。途中すれ違う大人に危ないぞ!と言われ抱きかかえられそうになったが避けて中庭までの道を急ぐ。すると、途中でゴブリンと戦ってるキース先生を見つけた。「先生!」と周りにいる魔物を魔法で倒し近づいて行った。
「先生!クロとルナちゃんを起こしてきてください!もし起きなかったらお兄ちゃん達かリーゼさん...はっ!リーゼさん!」
話してる途中でリーゼさんのことを思い出した。
もしかしたらリーゼさんが戦ってるかもしれない!急がないと!と思い先生の返事を聞かずに走って中庭に向かった。


中庭が見える窓から見えたのはリーゼさんが1人と冒険者パーティーの1人が頑張って魔物を抑えているところだった。
「お願いします!早く逃げてください!あなたたちは将来有望な若手冒険者!だから早く仲間を連れて逃げてください!」
とリーゼさんが叫びながら無詠唱で魔法を使ってる。それに対してあらんお兄ちゃん達よりは下に見える冒険者が
「無理ですよ!もう2人とも走れない...!周りにも人がもういないから!しかもリーゼさんを置いて逃げれないですよ!」
と泣きながら剣を振ってるがそのせいで視界が悪くなったのか倒した魔物の後ろからくる魔法に気づいてなかった。それにいち早く気付いたあおは窓を魔法で割り魔法を放った
「リーゼさん!その子と一緒に後方に下がって!」
と窓から外に出ながら叫んで外に出た瞬間にフャイヤーアローを発動させた
それを見たリーゼさんと冒険者くんは倒れてる仲間を抱え近くに来た
「あおくん!なんでここに!?フィーたちと行ったんじゃ!?」
「ごめんなさい!来るの遅くなっちゃって!」
「それは大丈夫ですけど...クロくんとルナちゃんは?」
「今は寝てます!大丈夫です!あお一人でもこれくらいならできます!」
と言って、様々な魔法を発動させる。
っとついでに2人も治してみよう。ん-、このぐらいの傷だとヒールじゃ足りないかもだから『ハイヒール』と心の中で唱えると2人の体が光に包まれ傷が治っていった
「よし!こっちも完了!だけど、めんどくさい魔物がでてきたなぁ...」
とゲートの方を見るとドラゴンが出てきた。がドラゴンが出てきた瞬間にゲートも閉じたので最後の魔物だ
「あおさんはドラゴンを倒せますか?」
と冒険者くんが聞いてきた。ここは素直に
「魔法が効けば倒せるとは思うけど今は魔力不足で火力が心配」
「な!魔力無いんですか!?」
「うん...ルナちゃんとの回復魔法の時のやつが回復してないしさっきの回復魔法で余計使っちゃったから...だからここからはクロとルナちゃんが来てくれるまで時間を稼ぐ!」
「わかりました!ならあなたたちは避難を!」
「な!僕たちも戦います!」
「ごめん、その気持ちはうれしいけど正直もうあおは君たちをかばうほどの余裕が魔力にないから...」
「っ...!わ、わかりました。でも、ひとつだけ絶対にけがしないでくださいね!」
と言い孤児院に入っていった
「よし!リーゼさん約束しちゃったし耐え抜くよ!」
「はい!絶対にあのドラゴンだけは止めて見せます!」
と意気込んでドラゴンに挑んだ。
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