156 / 574
第5部 ギウリーク動乱篇~ミトラへの道
第137話 ラウレスとエミリアのささやかな日常
しおりを挟む
朝、迎えの馬車に乗り込む。
ついた場所で、料理のパフォーマンス。やんやの喝采をあびる。
これを昼前から、夕暮れまで、5件ばかり繰り返す。
夜はたいてい、教皇庁だ。
偉い連中は、もと竜人師団の顧問だったラウレスは顔なじみだ。みな、ラウレスが料理をしていることに驚く。なかにはそこまで落ちたかと、哀れみや蔑みの視線をむけてくるものもいる。
それが、彼の料理で、驚愕にかわるのを見るのは、楽しい。
帰りの馬車の中で、渡された封筒をあけて、御者に、いやお代はいただいてますから、まあ、ほんの気持ちだよ、受け取ってくれたまえ、わっはっは。
ラウレスはそんな毎日を送っている。
調子に乗れば昔の悪い癖・・・同族に変態と罵られた女癖の悪さがでそうなものだが、エミリアと同宿なうえに、どういうわけか、すっかり助手だか弟子だか、の顔をして、あのウォルト少年が、どこに行くにもついてくるのだ。
おいおい、婚約者をほっといていいのか? 婚約破棄になっても知らないぞ。
そんな風に、ラウレスが言うと、ウォルトは胸に手を当てて「大丈夫、そんなに何回もやりませんから。」と意味不明の言葉を返した。
その婚約者がなにをしているかというと、エミリアがすっかり気に入ったらしく、エミリア曰くまったく手放してくれないらしい。
話の合間に悪気がないのはわかるが、エミリアの稼業のことをあれこれきいてくるので、すっかり参ってしまった、とぼやく。
言うまでもなく、エミリアの真の姿は、怪盗にして、殺しも請け負う「ロゼル一族」の副頭目であり、ミトラに来たのは、かつてここから拝借した「神竜の鱗」を元の場所に返すためであった。
その日は珍しく、教皇庁との夜の打ち合わせ(と称する食事会)がなく、ラウレスは夕方の早い時間帯で開放された。
そうだ、とラウレスは思い立った。
久しぶりのミトラだ。たまにはのんびりと散策でもして昔なじみの店でも尋ねてみよう、かと。
ホテルから少し離れたところで、馬車を止める。ウィルト少年に一緒に来るか尋ねると「もちろんっ」という返事である。
するとなると、布地の少ない人族のお姉さんがよこに座ってくれるお店は自動的に除外になるわけだ。
ちょっとラウレスはがっかりしたが、それが顔に出たのだろうか、ウォルトが慰めるように言った。
「たぶん、女の子のいるお店は、ぼくたちじゃあ無理ですよ。だって、ラウレスさんもぼくとひとつふたつしか、違わないじゃないですか。
ああいうお店は未成年をいれてあとでトラブルになるのをすごくいやがるんですよ。
なにしろ、聖光教のお膝元ですからね。」
そうだった。ラウレスは以前、ここで働いていたときよりも外見を若くしている。ぎりぎり成人していると言い張れば、なんとか通るかもしれないが、そこまでして、という気もした。
「そうだな。ずっと焼き物ばかりだったから、鍋料理でもつつきにいくか? 」
「鍋?」
「そうだ。目の前に出汁のはいった鍋を置いてだな。具材を自分で足しながら食べるんだ。うまいぞ。」
行ってみたいですね。
と、ウォルトが目を輝かせた。かわいいっ!とラウレスは思った。
一瞬、自分の中に芽生えた感情に目を背けるように、通りの先を指差すと
「あの先に、この界隈では鍋料理の一番の名店がある。たぶんこの時間なら予約がなくてもはいれるはずだ。行ってみよう。」
“いいやつなんだけど、駄竜だなあ”とウォルトは思った。
それからのことは一瞬でおこった。
通りから黒覆面に身を包んだ男たちが、何も言わずにラウレスに殴りかかったのだ。
いかにラウレスが突如、年下の少年に芽生えた恋情に困惑していても、彼は古竜だった。作者もときどき忘れる事実である。実際にこのまま、ラウレスとウォルトが男たちに昏倒されられて誘拐され、それをエミリアが救出するとう話をかこうとして、はたと気がついた。
人化した竜が人間ごときのふるう鈍器で気絶させられるわけないよなあ。
ラウレスは、男たちが持った武器が棍棒程度のものであることを、見抜き、好きにさせておいた。
ラウレスの額にあたった棍棒は2つに折れた。そのほかのところに当たったものも、男たちの手にしびれだけを残した。
「き、きいてねえのか。」
リーダー各の男が、悲鳴をあげた。
その男の胸ぐらをつかみ、ラウレスは彼を掴み上げた。
「なにものだ?」
「金で雇われたチンピラのたぐいでしょう。」
そうだ、彼はひとりではなかったのだ。一緒にいた少年のことを思い出してあわてて、振り返ると、ウォルトはすでにチンピラの一人を組み敷いていた。
「とにかく、こいつを料理ができなくなるくらいに痛めつければいいんだ。」
締め上げられがら、リーダーの男が叫んだ。
「刃物を使ってもいい。殺しちまってもかまわねえ。」
戦闘は短かったが、ラウレスは甚大な被害を被った。
一着しかない上着にナイフにより、大穴が空いてしまったのだ。
エミリアは、とにかく自分に引っ付きたがるミイシアに閉口していた。
ミイシアは人並外れた美少女なのである。おそらく彼女の故郷のグランダでもやっと成人に達したかどうか、というところだ。
たいていは、連れのウォルトがラウレスに夜遅くまで同行してしまうので、夕食は必ず誘いに来る。そして、翌日の予定を聞き出すと同行をせがむか、勝手に先回りして、ちょうどわたしもこちらに来る用事がありましたので、よかったら、お昼をご一緒に。
あまりしつこいので、無理やりふって、一人の彼女が何をしているのか部下に偵察させてみた。
結果はシロである。
女性一人で、異国の地なので、ホテルの近くでウィンドウショッピングをしてから、芋を揚げたものを買って帰ってそれを昼食にしたようである。
その姿が寂しげで、かなり同情を誘うものだと報告を受け、エミリアは反省し、翌日ミトラ大聖堂の見物にミイシアを誘ったのだ。
彼女は大喜びで、ホテルのフロントに来たのだが。
「みなさん、振り返りますね。」
エミリアと腕を組みながら、ミイシアは快活に笑った。
エミリアの笑顔は、見かけ上の年齢の少女のものにしては、引きつっていた。
なにしろ、道ゆく者が、老若男女問わずに振り返るのである。
今も、絵のモデルになってほしいとの、この日ち7人めの申し出を断りながら、エミリアは悲鳴を上げかけていた。
これから行く大聖堂に、神竜の鱗を「返す」という怪盗らしからぬミッションを遂行せねばならないのだ。
はたして、元場所の神竜の鱗をこっそり出現させればよいのか。
それとも、裏のルートでく交渉が必要なのか。
エミリアたちが確認した限りでは、「神竜の鱗」の盗難は政治的ななにかを引き起こしてはいない。
「秘宝」の管理を担当している枢機卿はそのまま、現在の地位に留まっていた。
警備を担当していたのは、驚くなかれ、「紅月旅団」という冒険者ギルドだったがここもひきつづき警備を続けているらしい。
「秘宝と騒がれるが結局は大したおたからではなかったのかもしれない。」
と、エミリアは思い始めていた。
「なんだかエミリアさんと歩いていると随分と、絵のモデルを頼まれますわ。」
ミイシアは頬に手をあてて、ため息をついた。
「ミイシア、それは典型的な口実で、やつらは単にあなたを口説きたいだけだ。」
「わたしを?」
びっくりしたように、ミイシアは言った。
「ああ、ほんとはエミリアさんを口説きたいのだとばっかり。」
浮かんだミイシアの笑みにどきっとするエミリアだった。
こいつ・・・まさか!!
ついた場所で、料理のパフォーマンス。やんやの喝采をあびる。
これを昼前から、夕暮れまで、5件ばかり繰り返す。
夜はたいてい、教皇庁だ。
偉い連中は、もと竜人師団の顧問だったラウレスは顔なじみだ。みな、ラウレスが料理をしていることに驚く。なかにはそこまで落ちたかと、哀れみや蔑みの視線をむけてくるものもいる。
それが、彼の料理で、驚愕にかわるのを見るのは、楽しい。
帰りの馬車の中で、渡された封筒をあけて、御者に、いやお代はいただいてますから、まあ、ほんの気持ちだよ、受け取ってくれたまえ、わっはっは。
ラウレスはそんな毎日を送っている。
調子に乗れば昔の悪い癖・・・同族に変態と罵られた女癖の悪さがでそうなものだが、エミリアと同宿なうえに、どういうわけか、すっかり助手だか弟子だか、の顔をして、あのウォルト少年が、どこに行くにもついてくるのだ。
おいおい、婚約者をほっといていいのか? 婚約破棄になっても知らないぞ。
そんな風に、ラウレスが言うと、ウォルトは胸に手を当てて「大丈夫、そんなに何回もやりませんから。」と意味不明の言葉を返した。
その婚約者がなにをしているかというと、エミリアがすっかり気に入ったらしく、エミリア曰くまったく手放してくれないらしい。
話の合間に悪気がないのはわかるが、エミリアの稼業のことをあれこれきいてくるので、すっかり参ってしまった、とぼやく。
言うまでもなく、エミリアの真の姿は、怪盗にして、殺しも請け負う「ロゼル一族」の副頭目であり、ミトラに来たのは、かつてここから拝借した「神竜の鱗」を元の場所に返すためであった。
その日は珍しく、教皇庁との夜の打ち合わせ(と称する食事会)がなく、ラウレスは夕方の早い時間帯で開放された。
そうだ、とラウレスは思い立った。
久しぶりのミトラだ。たまにはのんびりと散策でもして昔なじみの店でも尋ねてみよう、かと。
ホテルから少し離れたところで、馬車を止める。ウィルト少年に一緒に来るか尋ねると「もちろんっ」という返事である。
するとなると、布地の少ない人族のお姉さんがよこに座ってくれるお店は自動的に除外になるわけだ。
ちょっとラウレスはがっかりしたが、それが顔に出たのだろうか、ウォルトが慰めるように言った。
「たぶん、女の子のいるお店は、ぼくたちじゃあ無理ですよ。だって、ラウレスさんもぼくとひとつふたつしか、違わないじゃないですか。
ああいうお店は未成年をいれてあとでトラブルになるのをすごくいやがるんですよ。
なにしろ、聖光教のお膝元ですからね。」
そうだった。ラウレスは以前、ここで働いていたときよりも外見を若くしている。ぎりぎり成人していると言い張れば、なんとか通るかもしれないが、そこまでして、という気もした。
「そうだな。ずっと焼き物ばかりだったから、鍋料理でもつつきにいくか? 」
「鍋?」
「そうだ。目の前に出汁のはいった鍋を置いてだな。具材を自分で足しながら食べるんだ。うまいぞ。」
行ってみたいですね。
と、ウォルトが目を輝かせた。かわいいっ!とラウレスは思った。
一瞬、自分の中に芽生えた感情に目を背けるように、通りの先を指差すと
「あの先に、この界隈では鍋料理の一番の名店がある。たぶんこの時間なら予約がなくてもはいれるはずだ。行ってみよう。」
“いいやつなんだけど、駄竜だなあ”とウォルトは思った。
それからのことは一瞬でおこった。
通りから黒覆面に身を包んだ男たちが、何も言わずにラウレスに殴りかかったのだ。
いかにラウレスが突如、年下の少年に芽生えた恋情に困惑していても、彼は古竜だった。作者もときどき忘れる事実である。実際にこのまま、ラウレスとウォルトが男たちに昏倒されられて誘拐され、それをエミリアが救出するとう話をかこうとして、はたと気がついた。
人化した竜が人間ごときのふるう鈍器で気絶させられるわけないよなあ。
ラウレスは、男たちが持った武器が棍棒程度のものであることを、見抜き、好きにさせておいた。
ラウレスの額にあたった棍棒は2つに折れた。そのほかのところに当たったものも、男たちの手にしびれだけを残した。
「き、きいてねえのか。」
リーダー各の男が、悲鳴をあげた。
その男の胸ぐらをつかみ、ラウレスは彼を掴み上げた。
「なにものだ?」
「金で雇われたチンピラのたぐいでしょう。」
そうだ、彼はひとりではなかったのだ。一緒にいた少年のことを思い出してあわてて、振り返ると、ウォルトはすでにチンピラの一人を組み敷いていた。
「とにかく、こいつを料理ができなくなるくらいに痛めつければいいんだ。」
締め上げられがら、リーダーの男が叫んだ。
「刃物を使ってもいい。殺しちまってもかまわねえ。」
戦闘は短かったが、ラウレスは甚大な被害を被った。
一着しかない上着にナイフにより、大穴が空いてしまったのだ。
エミリアは、とにかく自分に引っ付きたがるミイシアに閉口していた。
ミイシアは人並外れた美少女なのである。おそらく彼女の故郷のグランダでもやっと成人に達したかどうか、というところだ。
たいていは、連れのウォルトがラウレスに夜遅くまで同行してしまうので、夕食は必ず誘いに来る。そして、翌日の予定を聞き出すと同行をせがむか、勝手に先回りして、ちょうどわたしもこちらに来る用事がありましたので、よかったら、お昼をご一緒に。
あまりしつこいので、無理やりふって、一人の彼女が何をしているのか部下に偵察させてみた。
結果はシロである。
女性一人で、異国の地なので、ホテルの近くでウィンドウショッピングをしてから、芋を揚げたものを買って帰ってそれを昼食にしたようである。
その姿が寂しげで、かなり同情を誘うものだと報告を受け、エミリアは反省し、翌日ミトラ大聖堂の見物にミイシアを誘ったのだ。
彼女は大喜びで、ホテルのフロントに来たのだが。
「みなさん、振り返りますね。」
エミリアと腕を組みながら、ミイシアは快活に笑った。
エミリアの笑顔は、見かけ上の年齢の少女のものにしては、引きつっていた。
なにしろ、道ゆく者が、老若男女問わずに振り返るのである。
今も、絵のモデルになってほしいとの、この日ち7人めの申し出を断りながら、エミリアは悲鳴を上げかけていた。
これから行く大聖堂に、神竜の鱗を「返す」という怪盗らしからぬミッションを遂行せねばならないのだ。
はたして、元場所の神竜の鱗をこっそり出現させればよいのか。
それとも、裏のルートでく交渉が必要なのか。
エミリアたちが確認した限りでは、「神竜の鱗」の盗難は政治的ななにかを引き起こしてはいない。
「秘宝」の管理を担当している枢機卿はそのまま、現在の地位に留まっていた。
警備を担当していたのは、驚くなかれ、「紅月旅団」という冒険者ギルドだったがここもひきつづき警備を続けているらしい。
「秘宝と騒がれるが結局は大したおたからではなかったのかもしれない。」
と、エミリアは思い始めていた。
「なんだかエミリアさんと歩いていると随分と、絵のモデルを頼まれますわ。」
ミイシアは頬に手をあてて、ため息をついた。
「ミイシア、それは典型的な口実で、やつらは単にあなたを口説きたいだけだ。」
「わたしを?」
びっくりしたように、ミイシアは言った。
「ああ、ほんとはエミリアさんを口説きたいのだとばっかり。」
浮かんだミイシアの笑みにどきっとするエミリアだった。
こいつ・・・まさか!!
10
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる