温もり

本の虫

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9月

文化祭 side黎

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文化祭当日。準備なんて楽しくてあっという間だった。・・・みんなにいっぱい写真撮られたのは全然楽しくなかったけど。でも、陽ちゃんが可愛い、似合ってるよって言ってくれたから、うれしかった♪
メイド喫茶は紅茶、サンドイッチ2種類、クッキーを出すことになった。厨房で陽ちゃんが忙しそうに指示出してる。こっちはこっちでメイド長(接客担当リーダー)の秋野さんが最後の説明をしてくれてる。女子7人は、桜木さん選抜の可愛い子ばっかり・・・。
学年1美人と名高い、秋野真姫さん。おしとやかで大和撫子というあだ名までついてる齋藤優子さん。小さくて笑顔の可愛い寺西心菜さん。高校生とは思えない大人っぽさをもつ橋口琴子さん。バレエ部の1年生エース江口美奈さん。小中一緒で面倒見がよくて優しい大場彩子ちゃん。眼鏡の似合うクールビューティー波越恵さん。
本当に、よく口説き落としたなってくらい可愛い子しかいない。実際、この7人がメイド服で登場した時クラス中の男子が固まってた。
・・・陽ちゃんはこれ見て、やっぱり女の子がいいって思うかな。男が着るより全然可愛いもんね当然だけど。
「なにちょっと不貞腐れてんの、黎。」
「・・・別に。」
「大丈夫、黎が一番可愛いよ。」
「だ、からうれしくない、もん・・・///」
「はいはい、そこのバカップル。もう開店だって。はやく配置につけって怒ってるよ桜木が。」
「ごめん、隼。じゃー黎がんばろうな。空き時間は一緒に回るだろ?」
「うんっ・・・!がんばる!」
陽ちゃんと一緒に文化祭回れるなら接客とか人と話すの苦手だけど、がんばれる!






「1-Bでメイド喫茶やってまーす!!女装メイドも可愛いメイドもいっぱいいるよーーー!!!」
「おいしいサンドイッチとクッキーをご用意してご主人様をお待ちしていまぁす♪」
「すっげぇ可愛い・・・!」
「メイド喫茶?行こうぜ!」
「あの子たちの名前聞きてぇ・・・」
寺西さんと彩子ちゃんがちょっと客寄せに行っただけでたくさんのお客さんがやってきた。男の人がいっぱい来るのかなって思ってたけど女の子もちらほらいる。
余談だけど、僕と悠くんと神セブンの子たちはみんなとちょっとメイド服のデザインが違っている。桜木さん曰く、
「可愛い子はメイド服から変えてうちの看板にしないと。」
とのこと。特に神セブンの子たちのはアレンジが素人目でもすごすぎる。着物っぽさを取り入れてみたり、バレエの衣装みたいになってたりするのだ。おかげで、メイド服が違う人は無駄に指名されて困る。そう、指名。なぜかここのメイド喫茶は指名制で入り口で写真をみて気に入った人に給仕を頼むことができるのだ。僕なんかに頼まなくてもいいのになぜか指名されて忙しくて正直ちょっと桜木さんを恨んだ。
でも、桜木さんの努力の甲斐あって文化祭が始まってから2時間ほどしかたってないのにほかのクラスと比べても明らかに人が来ている。
「氷室くん、また指名来たよ!次はあの右隅のテーブル。にしても3席も受け持ちなんて神セブンに負けず劣らずじゃん!やっぱり、うちのクラスがほこるイケメンは違うわぁ・・・」
受付の女の子にお客さんの追加を頼まれてしまった。右隅の・・・うわ、こわいなぁ・・・高3とかかな?4人組で体も声も大きくて不良っぽい。
「ご指名ありがとうございます、ご主人様。黎と申します。短い間ですが精いっぱいご奉仕させていただきます。ご注文がお決まりでしたらお申し付けください。」
ふう、つっかえずに言えた。マニュアルのセリフ丸覚えしたけど全然うまく言えるようにならなかったから・・・
「サンドイッチ4つとクッキー4つと・・・黎くんお持ち帰りで!」
「かしこまり・・・は?」
え?何言ってるのこの先輩たち・・・にやにやとこっちを見てきている。
「入学してきた時からずっと可愛いと思ってたんだよね。さっきシフト表見えちゃったんだけどあと10分で終わりでしょ?俺たちとさ、一緒に文化祭楽しもうぜ?」
「え、あの、僕はもう一緒に回る人決めてるので・・・すみません。」
「もしかしてー先輩の言うこと聞けないわけ?嘘でしょw」
「そんなわけないだろーでさ、黎くんもう一回言ってよ。俺ら聞こえなかったからさぁー?」
「・・・サンドイッチ4つとクッキー4つですね。かしこまりました。」
「なになになに?聞こえないふり?ないわー」
「とにかく体育館倉庫で待ってるから。拒否権とかないから。来なかったら・・・わかってんだろ?」
「俺らさーちょっとやばい系の知り合いとかいっぱいいるんだよね。」
「お友達怪我するの嫌でしょ?」
「ご奉仕してくれるんだろー?」
「・・・失礼します。」



どうしようどうしようどうしよう!怖い怖い怖い・・・!!でもまだ給仕と見送り残ってるし・・・時間これで終わりで最後のお客さんだけど誰かに代わってもらって・・・
「黎。サンドイッチとクッキー4つずつ。これで終わりだろ。一緒に遊びに行こうぜ。」
「・・・あ、うん。」
「黎?大丈夫か?疲れたか?」
「ううん、大丈夫だよ陽ちゃん。ちょっと行ってくるね。」


「お待たせいたしました。サンドイッチとクッキーになります。」
「いやぁ待ったよほんとに。俺らすぐ食べるからさーこのまま一緒に行こうか。」
「メイド服のままとか・・・いいなw」
そういいながらたいして味わわずに食べる。・・・陽ちゃんがせっかく作ったのに。行くわけないし。
「・・・お食事はお済でしょうか。よろしければお見送りさせていただきます。」
「そんなこと言わないでさーこの後も付き合ってよ黎くん。」
「ほら、こっちこちいよ!!」
「いたいっ!」
無理やり腕をつかまれて引っ張られる。嫌だ気持ち悪い陽ちゃん・・・!
「お客様。失礼ですがその手を放していただけないでしょうか。」
「あ?お前誰だよ。どけ、殴られたいのか。」
「失礼します。」
「うぎゃあ!?」
めきょ、とそいつの手から変な音がした。
「手、放せっつってんだろ先輩。黎は俺のもんだ。ちょっかいかけてんじゃねーよ。」
「てめ、やんのか!?」
「ここでやっても目立つだけだろ?今もみんな見てるし。だいたい、俺に勝てるわけねぇだろ先輩?」
「てめぇ、調子乗ってんじゃ・・・」
「文化祭実行委員です。もめ事が起きてると聞きました。ちょっと来てもらえますか。」
「なっ・・・!?」
「逆らうのは得策ではないのでは、先輩。涼恵は一応進学校ですよ?」
「・・・くそっ!!!」


「黎。大丈夫か?」
「陽ちゃん・・・!」
安心したら倒れこんでしまったら、控室に陽ちゃんが連れっててくれた。
「やっぱり可愛すぎて心配だっつの・・・文化祭、回れそうか?それとももう帰るか?」
「やだ帰らない。陽ちゃんと回るの。」
「はいはい。じゃ、着替えて来いよ。俺もちょっと片付けてくるからさ。」


「お待たせ、黎。どこ行こうか。」
「パフェ!射的!!陽ちゃん、おごって?」
「勝てねぇなwおごるおごる。」
陽ちゃんとこうやって文化祭回れるの本当にうれしい・・・大好き、大好きだよ。
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