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ディル・マグノリア。
王家を支える三大公爵家が一つ、マグノリア公爵の次男で、ソレル殿下の筆頭護衛を務める騎士。
私より六つ年上の二十四歳。
すらりと均衡のとれた身体に、私にとっては懐かしい色の髪。
迷子の子供を保護しようとしたら泣かれてたって噂を聞いた事がある、少し鋭い焦茶色の瞳。
彼が殿下の護衛に就いた時から五年。
好きだって気づいてから四年。
普段は護衛といえど学園には入れないけれど、今日は外部の人も出席する卒業パーティーなので、彼が殿下の側にいるのは知っていた。
ついさっき、パーティー会場を去る時にその姿を目に焼き付けたばかりだ。
その彼が。
夢のまま、もう二度と会えないだろうなと思っていた彼が、なぜか今、私の腕を、掴んでいる。
「あ……の……???」
何が何だか分からなくて、掴まれた腕が熱くて、私は視線を彷徨いに彷徨わせて、結局間近にある彼の顔を見る事なんてできずに、うつむいた。
「ソレル殿下が……」
彼の口から零れた名前に、ビクリと震える。
婚約破棄宣言で終わったと思っていたけれど、違ったのだろうか。
彼は、私を連れ戻しに来た──?
あぁ、一瞬ときめいちゃってバカみたい。
自分で思ったよりも大きい反応をしてしまったのか、ディル様は慌てた様に私の腕を離すと、きれいなきれいな、四十五度の礼をした。
「ソレル殿下が、失礼をいたしました」
「……え? い、いえ、あの、頭を……ディル様が謝られる事ではありません……から……」
何これ、何でディル様が謝ってるの。
っていうかやっぱ姿勢良い人は礼もキレイだよね! 超カッコいい! なんて思いながらも、私はあわあわと手を振る。
「頭を上げて下さい。私は大丈夫ですので……!」
「けれど、近くにありながら殿下を止められませんでした」
つむじがっ! いつもは絶対見えないつむじ! 時計回り!!
あぁ、もうどうでも良いとこにしか頭がいかない。
「マグノリア殿は、姉をソレル殿下のところに連れ戻すおつもりですか」
私の後ろから、ひやりとした声がかかる。
ディル様はその声に頭を上げると、首を振った。
「いや……あんな事があった後でお一人ではと……お送りしようかと、思って……」
ぽかんと、
それはもうきっとものすごーくぽかんと、私は阿呆面を晒してしまっていたに違いない。
「いえ……あの、この通り、弟もおりますので……」
大丈夫です、と言おうと思ったら、何故か一瞬。
本当に一瞬。
ディル様の瞳が切なそうに、揺れた。
今日はフェンネルの驚く表情も見たし、言い澱むディル様に、更に表情が動くところまで見られてしまった。
何これ、今日は何の日?
婚約破棄の日!
「──では、私はパーティー会場に戻るので姉をお願いできますか。当家の馬車は暫く来ないでしょうから」
「はい!??」
さっき待たせてるって言ってたよね!?
ぐるんっと振り返った私に、フェンネルが外向きの笑顔のままゆったりと頷く。
「馬車が来るまで付き添っていようと思っていましたが、送って頂けるのであれば私も好都合です。マグノリア殿、姉をよろしくお願いいたします」
え? え??
待って、フェンネル、おねーちゃん全然分かんない。
さっきまでは一緒に帰りましょうな雰囲気だったよね!?
私の心中をまるっとさらっと無視して、フェンネルはディル様に礼をするとさっさと踵を返して、パーティー会場の方へと戻っていってしまった。
――何で??
ぽっかーんとしていた私の前に、そっと手が差し出される。
その手を辿って視線を上げると、やっぱりそこにはディル様しかいなくて……
―――何で???
「シブレット家まで、お送り致します」
「な……ぜ……」
殿下の筆頭護衛──一番近くにいなくてはいけない人が、何故そんな事を?
殿下が命じたとは、思えない。というか有り得ない。
混乱したまま、差し出された手を取ることも出来ずに固まってしまっていた私の手を、ディル様は半ば強引に引くと、ゆっくりと歩き始めた。
私は引っ張られるように、その後ろをついていくしかなかった。
車寄せにはいくつもの馬車が停まっていて、当然うちの馬車もそこにいた。
殿下の婚約者の家の馬車だから、良い位置に陣取っているから気付かないはずがないのに、ディル様は少し離れたところに停まっていたマグノリア家の馬車へと向かう。
いや、ていうかそのマグノリア家の馬車、在学中の妹さんの為の馬車ですよね?
使っちゃダメですよね??
「ま……待ってください、あちらに家の者がおりますので……ここまでで……!」
ていうか手汗っ!! ヤバそうだから、離して欲しいっ!!
何とかディル様にガッチリ握られている自分の手を取り戻そうと、ぐいぐいと腕を引いてみるけれど、ビクともしない。
どうしよう。本気でわけが分からない。
実は私本当は殿下とロベリア嬢に断罪されて、あそこで兵に斬られたとかで死んだのかな。
でも確かゲームで断罪されても、極寒の地にある修道院に送られるだけで済むはずだから、悪役令嬢の死亡エンドはない、と言っていた、はず……
夢? もしかしてこれ全部夢なのかも??
ぐるぐると考えていると、ディル様が私を振り返った。
「ローズマリー様」
「は、はい……っ」
すっと眇められた瞳を、私はなぜか少しだけ怖いと思った。
ビクリと震えてしまった私に、ディル様は小さく小さく苦笑して、そのままマグノリア家の馬車に乗り込む。
驚いた様子の御者を華麗にスルーして「シブレット家まで」と短く伝えたディル様は、私をそっと座らせてから対面に座す。
少しの沈黙の後、ディル様がゆっくり口を開いた。
「私は、ソレル殿下の護衛の任を下りました」
「…………え? 下りま "した"?」
「えぇ、つい先ほど。下りるとお伝えしてきました。正式な手続きはまだですが、もう殿下の護衛に戻るつもりはありません」
「どうして……だって、殿下の護衛なんて、名誉な……」
「名誉? 貴女を、傷つけるようなヤツに仕える事が?」
──何か幻聴聞こえた。
「わ……私の事など……殿下の、」
「俺にとって、貴女より大事なものなんてない」
──何か幻聴………
っていうか今「俺」って言った!? いつも「私」だったのに、「俺」って言った……!!??
脳内大忙しの私の前に、ディル様が、ゆっくりと跪く。
え? え?? 今度は何? 何が起きてるの?
「ローズマリー様……俺を、選んでくれませんか」
「はぇ………?」
ものすっっっごく、間抜けな声が出た。
王家を支える三大公爵家が一つ、マグノリア公爵の次男で、ソレル殿下の筆頭護衛を務める騎士。
私より六つ年上の二十四歳。
すらりと均衡のとれた身体に、私にとっては懐かしい色の髪。
迷子の子供を保護しようとしたら泣かれてたって噂を聞いた事がある、少し鋭い焦茶色の瞳。
彼が殿下の護衛に就いた時から五年。
好きだって気づいてから四年。
普段は護衛といえど学園には入れないけれど、今日は外部の人も出席する卒業パーティーなので、彼が殿下の側にいるのは知っていた。
ついさっき、パーティー会場を去る時にその姿を目に焼き付けたばかりだ。
その彼が。
夢のまま、もう二度と会えないだろうなと思っていた彼が、なぜか今、私の腕を、掴んでいる。
「あ……の……???」
何が何だか分からなくて、掴まれた腕が熱くて、私は視線を彷徨いに彷徨わせて、結局間近にある彼の顔を見る事なんてできずに、うつむいた。
「ソレル殿下が……」
彼の口から零れた名前に、ビクリと震える。
婚約破棄宣言で終わったと思っていたけれど、違ったのだろうか。
彼は、私を連れ戻しに来た──?
あぁ、一瞬ときめいちゃってバカみたい。
自分で思ったよりも大きい反応をしてしまったのか、ディル様は慌てた様に私の腕を離すと、きれいなきれいな、四十五度の礼をした。
「ソレル殿下が、失礼をいたしました」
「……え? い、いえ、あの、頭を……ディル様が謝られる事ではありません……から……」
何これ、何でディル様が謝ってるの。
っていうかやっぱ姿勢良い人は礼もキレイだよね! 超カッコいい! なんて思いながらも、私はあわあわと手を振る。
「頭を上げて下さい。私は大丈夫ですので……!」
「けれど、近くにありながら殿下を止められませんでした」
つむじがっ! いつもは絶対見えないつむじ! 時計回り!!
あぁ、もうどうでも良いとこにしか頭がいかない。
「マグノリア殿は、姉をソレル殿下のところに連れ戻すおつもりですか」
私の後ろから、ひやりとした声がかかる。
ディル様はその声に頭を上げると、首を振った。
「いや……あんな事があった後でお一人ではと……お送りしようかと、思って……」
ぽかんと、
それはもうきっとものすごーくぽかんと、私は阿呆面を晒してしまっていたに違いない。
「いえ……あの、この通り、弟もおりますので……」
大丈夫です、と言おうと思ったら、何故か一瞬。
本当に一瞬。
ディル様の瞳が切なそうに、揺れた。
今日はフェンネルの驚く表情も見たし、言い澱むディル様に、更に表情が動くところまで見られてしまった。
何これ、今日は何の日?
婚約破棄の日!
「──では、私はパーティー会場に戻るので姉をお願いできますか。当家の馬車は暫く来ないでしょうから」
「はい!??」
さっき待たせてるって言ってたよね!?
ぐるんっと振り返った私に、フェンネルが外向きの笑顔のままゆったりと頷く。
「馬車が来るまで付き添っていようと思っていましたが、送って頂けるのであれば私も好都合です。マグノリア殿、姉をよろしくお願いいたします」
え? え??
待って、フェンネル、おねーちゃん全然分かんない。
さっきまでは一緒に帰りましょうな雰囲気だったよね!?
私の心中をまるっとさらっと無視して、フェンネルはディル様に礼をするとさっさと踵を返して、パーティー会場の方へと戻っていってしまった。
――何で??
ぽっかーんとしていた私の前に、そっと手が差し出される。
その手を辿って視線を上げると、やっぱりそこにはディル様しかいなくて……
―――何で???
「シブレット家まで、お送り致します」
「な……ぜ……」
殿下の筆頭護衛──一番近くにいなくてはいけない人が、何故そんな事を?
殿下が命じたとは、思えない。というか有り得ない。
混乱したまま、差し出された手を取ることも出来ずに固まってしまっていた私の手を、ディル様は半ば強引に引くと、ゆっくりと歩き始めた。
私は引っ張られるように、その後ろをついていくしかなかった。
車寄せにはいくつもの馬車が停まっていて、当然うちの馬車もそこにいた。
殿下の婚約者の家の馬車だから、良い位置に陣取っているから気付かないはずがないのに、ディル様は少し離れたところに停まっていたマグノリア家の馬車へと向かう。
いや、ていうかそのマグノリア家の馬車、在学中の妹さんの為の馬車ですよね?
使っちゃダメですよね??
「ま……待ってください、あちらに家の者がおりますので……ここまでで……!」
ていうか手汗っ!! ヤバそうだから、離して欲しいっ!!
何とかディル様にガッチリ握られている自分の手を取り戻そうと、ぐいぐいと腕を引いてみるけれど、ビクともしない。
どうしよう。本気でわけが分からない。
実は私本当は殿下とロベリア嬢に断罪されて、あそこで兵に斬られたとかで死んだのかな。
でも確かゲームで断罪されても、極寒の地にある修道院に送られるだけで済むはずだから、悪役令嬢の死亡エンドはない、と言っていた、はず……
夢? もしかしてこれ全部夢なのかも??
ぐるぐると考えていると、ディル様が私を振り返った。
「ローズマリー様」
「は、はい……っ」
すっと眇められた瞳を、私はなぜか少しだけ怖いと思った。
ビクリと震えてしまった私に、ディル様は小さく小さく苦笑して、そのままマグノリア家の馬車に乗り込む。
驚いた様子の御者を華麗にスルーして「シブレット家まで」と短く伝えたディル様は、私をそっと座らせてから対面に座す。
少しの沈黙の後、ディル様がゆっくり口を開いた。
「私は、ソレル殿下の護衛の任を下りました」
「…………え? 下りま "した"?」
「えぇ、つい先ほど。下りるとお伝えしてきました。正式な手続きはまだですが、もう殿下の護衛に戻るつもりはありません」
「どうして……だって、殿下の護衛なんて、名誉な……」
「名誉? 貴女を、傷つけるようなヤツに仕える事が?」
──何か幻聴聞こえた。
「わ……私の事など……殿下の、」
「俺にとって、貴女より大事なものなんてない」
──何か幻聴………
っていうか今「俺」って言った!? いつも「私」だったのに、「俺」って言った……!!??
脳内大忙しの私の前に、ディル様が、ゆっくりと跪く。
え? え?? 今度は何? 何が起きてるの?
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ものすっっっごく、間抜けな声が出た。
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