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本編

01.

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カッとなって書きました。 頭空っぽで読んで下さいm(_ _"m)
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筋肉ムキムキナイスマッチョなイケメンを拾った。
例年よりも少し遅い雪が降った翌日の、年に一度の『聖なる日』と呼ばれている特別な日の事だった。

本当なら雪が降るほどの冷え込みなんて気にならないくらい、『聖なる日』を祝う為に至る所飾り付けられて少し浮かれた雰囲気の町でデートして食事をしてその後は……♡ な身も心もポッカポカコースな日になるはずだったのに
「ごめん、アリーが俺の子供が出来たっていうから別れててへぺろ★」
とか言ってきたアイツのせいで一転、心中猛吹雪に見舞われて凍え切ってしまった私はうがーーーっ!とよく分からない叫び声を上げながら町を飛び出して誰もいないであろう森へ猛ダッシュ(何度か転んだのは仕方ない!)してぼふーっ!とダイブしてはジタバタと新雪を荒らしまくり、何も言えずに立っている木々に向かって雪玉を投げつけまくってめちゃくちゃに発散していた。

今日の為に!一日かけて大きな街まで少し値の張るワンピースを買いに行ったのに!
今日の為に!パン屋の売り子だから普段は引っ詰めてる髪を、昨晩から三つ編みしてふわふわにして可愛く結ったのに!
今日の為に!昔はかなりモテて遊んでいたと噂のパン屋のおかみさんから教わったメイクでバッチリ可愛く決めたのに!
全部!全部!!ぜーーーーんぶ!!!無駄だった!馬鹿みたい!!

そんな風にうがうが言いながら雪の中で暴れていた私の前に、その男は現れた。 

男が現れたというよりも”私がその男の元に奇声を発しながら向かっていった”の方が正解かもしれないけど聞こえが良いので”現れた”事にさせて貰う。

この辺りでは見ないような彫りの深い顔は私の残念な頭ではイケメン!!としか言いようがないくらい整っていたし、その上お身体は筋肉ムキムキのナイスマッチョだった。
服装から察するに王都を中心に生息しているという騎士団員というものだろう。
こんな平和な田舎町(現在局地的に大荒れ)では滅多に姿を見ないから記憶があやふやだけどこんな感じの制服だった気がする。

ただその誉高そうな騎士様(仮)の様子がすこぶるおかしい。
木に凭れ掛かって頬を紅潮させ、やたらめったら艶かしく息を乱している。

こんな筋肉ムキムキナイスマッチョでイケメンとなれば一定の婦女子にさぞやモテそうなのに何をどう間違えたのか変態さんだろうかと、すんっと一瞬で頭が冷えたその時、筋肉ムキムキナイスマッチョイケメンの手に薬草が握られていることに気づいて───思わず初対面の筋肉イケメン(面倒なので略す)に向かって「あんたバカァ!?」と叫んでしまったのは致し方ない事だろう。

「それ、摘んじゃったの!?」
「アルイクス……だと……」

うっわ、すごい良い声!ずしんってお腹に来たわ!低音ヤバいぃぃ!
──なんて言ってる場合ではない。
はあはあと息を乱している筋肉イケメンに「そうでしょうとも」と返しつつ天を仰ぐ。

アルイクスは万能薬と言われる薬草で、そして筋肉イケメンが手にしているのはアルイクスモドキだ。
正式にはメトリソウという名前があるけれど、大体はモドキと呼ばれる。

アルイクスは解熱鎮痛動悸息切れ咳に喉の痛み──不老不死になれるなんて事まで言われている。さすがにそれは眉唾だけど、つまりは何でもござれの薬草で、そして希少種だ。

対してモドキはそんなアルイクスにそっくりの見た目をしているものの、アルイクスと間違えて摘もうとした人に催淫効果のある汁を振りまくだけの愉快犯のようなタチの悪い、この辺りではそこそこ見かける毒草だ。

しかもその催淫毒、中々に強力なのだそう。

だからアルイクスとメトリソウが生える地域に住む私たちは子供の頃に違いの見分け方をこれでもかと叩き込まれる。
そう、筋肉イケメンが手にしている僅かな見た目から判別がつくくらいにはプロだ。

雪と同化しそうな程に白く可憐な花弁に薄~く入るピンクの筋、アルイクスのまぁるいものよりも少しだけ先端の尖った葉。
プロの目から見れば紛うことなくモドキだけれど、見慣れぬ人達にはお宝アルイクスに見えてしまう。

でもやってしまった事をとやかく言っても仕方がない。
とにかく一刻も早く「うっ……」「くぅ……っ」と喘ぎ声のようなものが漏れ始めて艶めかしさが格段にアップしている筋肉イケメンをどうにかしてあげなければ……。

手にしている薬草を捨てさせて、立ち上がるのも辛そうなその立派なお身体を支えて──途方に暮れた。
ご立派過ぎて私では支えたまま町まで歩くなんて無理。どうしたって不可能だったからだ。

だけどその時、私ははっと思い出した。

ここから少し奥に行ったところに夏場に木こりの皆さんが使っている小屋がある。冬場に何かあった時に避難小屋にもなるから小さな暖炉もあると言っていた気がする。
その小屋までなら、もしかしたら何とかなるかもしれない。
その後はどうするんだという悩みは置いておいて、とりあえず寒さだけでも凌がせてあげようと──これだけ興奮状態で寒さを感じているのかは謎だけれど、私は筋肉イケメンに声をかける。

「少し先に小屋があるので、そこまで頑張って下さい。本当は娼館まで連れて行ってあげられれば良いんですけど……」
「いや……じゅうぶん……だ……助かる……っ」

はぁっと息を漏らしながら良いお声でそう答えた筋肉イケメンは、何とか足に力を入れたようで私が指さした方向へ歩き始めた。


小屋に辿り着いた頃には筋肉イケメンの喘ぎはもうすごい事になっていた。
そしてそれを耳元で聞かされた上にムキムキ筋肉に触れ続けていた私は一つの結論を出していた。

ほんの少し前まで”結婚の約束をしている恋人”だと思っていた男が、私が「両親とも亡くして一人だった私にも家族が出来る!子供は三人くらい欲しいわ!」なんて浮かれていた事を承知していたはずの男が、しれっと浮気していた挙句にその浮気相手に子供が出来たからとあっさり私を捨てた事に私はとても傷ついて悲しくて悔しくて、そしてとても怒っていたのだ。
森の中で一人暴れまくる程には。

つまり簡単に言うと「カッとなってやった」。 そういう事だ。


「騎士様、でしょうか? 町まで連れて行ってあげられないので、私で我慢してくれます?」
「な……にを……っあ……っ!」

筋肉イケメンの首筋を撫でてみると、そこまで? と思うくらいビクンと身体が跳ねた。

「私ね、ついさっき婚約者だと思っていた男にフラれたんです。他の女に子供が出来たからって。悲しくてムカついて……だからね、騎士様。発散させて下さい」
「ま、て……おれ、は……んっ……!」

座り込んでいる筋肉イケメンに圧し掛かるようにして少しカサついた唇を奪う。
そのまま何度か唇を重ねて、私はごめんなさいと言いながら筋肉イケメンのズボンに手を伸ばす。

喘ぎ声と艶やかな吐息の合間にやめろ、とか考え直すんだ、みたいな事を言っていたようだけど、私はお構いなしで前を寛げる。
そうして現れた体躯に見合った──もしかしたらそれ以上のイチモツに思わずわぁと声を上げてしまった。

「すごい……」

ごくんと唾を飲んでしまう。
ついさっきまで恋人だった男のモノとは比べ物にならないそれに、私はそぉっと触れてみる。
モドキのせいだろうけど、ピクピクして先端からは既に白い体液が溢れ始めている。

「辛そう……ちょっと大きすぎて心配だけど、がんばります!」

私はスカートを捲り上げて中に履いているズボンと下着をぽいぽいと脱ぐと、よいしょと筋肉イケメンに跨る。
そしてご立派過ぎるモノに擦り付けるようにして腰を動かすと、筋肉イケメンはそれだけであぁっと艶かしい声をあげた。

──何だかすごい悪い事している気分だわ。これってば私が襲っている事になるのかしら?
いやいや、モドキにやられちゃった哀れな男性の発散のお手伝い!

そう頭の中で言い訳しながらうんうんと一人頷いて、では失礼いたしますと腰を落とす。

「んんっ……!す、ごい……おっき……っ」

やばい、アイツとは本当に大違いだ。
アイツとは何度かこういう事してたし、耳元で聞かされまくった喘ぎ声のせいで恥ずかしながら濡れ始めていたのに、ものすごい押し開かれてる感……! 何かメリメリって聞こえて来そう……!

これ全部入るかしらと内心焦りながらも何とか頑張って腰を沈めて、ようやく全部飲み込めた私ははーっと息を吐いた。
そして辛そうにぐぅっと眉を寄せている筋肉イケメンにもう一度ごめんなさいと囁く。

「騎士様、おっきすぎてちょっとすぐには動けなさそう」

大丈夫ですか?と聞くと、筋肉イケメンが眉間の皺を濃くして私を見返した。

「……ジスランだ」
「え?」

キョトンとしてしまった私に、筋肉イケメンは「名は?」と続けた。

「あぁ、名前……ノエルです」
「ノエル……すまない」

今度は筋肉イケメ……ジスランさんに謝られたと思ったらころんっと床に押し倒された。
でも圧倒的筋力で支えてくれたようで背中を打ち付ける事もなくふわんと優しく下ろされる。

「発散、させてくれ」

そう言って、ジスランさんは舌なめずりをした。
──うっあ!雄って感じ!めっちゃケダモノ感!!ヤバいカッコイイ!!私別にマッチョ好きではなかったはずなのに、今のは何かズキュンって来た!!
なんて心中ジタバタしている間にジスランさんが動き始めてしまった。

「あっ!?」

毒にやられて苦しいだろうに、気を遣ってくれてるのか動きはゆっくりとしたものだ。
それなのにみっちみちだったナカがごりごりと刺激されて、私はあっという間に飛んでしまいそうになってジスランさんにしがみ付く。

「あぁっ!あっ、ジスランさん……っ!すごいよぉ……!」
「ジスラン、だ。ノエル」
「あっ、ぁんっ……ジス……ジス、ラン……!」

そうだ、と満足そうに笑ったジスランはまた「すまない」と囁いて初めて自分から私にキスをすると、大きく腰を引いた──
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