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序章
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…これは、誰もが知っていて、そして誰も知らない、あるお伽噺の、真実の物語。
海の底、光の届かぬ静寂の世界に、ひとりの人魚姫がおりました。
彼女は泡よりも儚く、けれど夢見る心は誰よりも熱かったのです。
人魚姫が恋い焦がれたもの――それは、陸の王子でも、地上の宮殿でもございません。
彼女の胸を震わせ、魂を打ち抜いたのは、ただひとつ。
揺れる船の甲板で、よろめいた王子を抱きとめた、従者の腕の中の光景。
その瞬間、稲妻に打たれたように、人魚姫の心は震え、かつてないほどにうちふるえたのです。
(まあっ……! この世にこれほど尊きものがありましょうか……!)
乙女は知ってしまったのです。
これこそが、真のときめき、真の物語――すなわち「萌え」であると。
海の底、光の届かぬ静寂の世界に、ひとりの人魚姫がおりました。
彼女は泡よりも儚く、けれど夢見る心は誰よりも熱かったのです。
人魚姫が恋い焦がれたもの――それは、陸の王子でも、地上の宮殿でもございません。
彼女の胸を震わせ、魂を打ち抜いたのは、ただひとつ。
揺れる船の甲板で、よろめいた王子を抱きとめた、従者の腕の中の光景。
その瞬間、稲妻に打たれたように、人魚姫の心は震え、かつてないほどにうちふるえたのです。
(まあっ……! この世にこれほど尊きものがありましょうか……!)
乙女は知ってしまったのです。
これこそが、真のときめき、真の物語――すなわち「萌え」であると。
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