俺の幼馴染がエロ可愛すぎてヤバい。

ゆきゆめ

文字の大きさ
5 / 53

幼馴染は健全に休日デートをします。

しおりを挟む
「ヒロさんヒロさん」

「んあー?」

「デートに行きましょう」

 新学期が始まって最初の土曜日。
 昼下がり。眠気が身体を支配する頃。

 当たり前のように我が家に来ているユキはそう言った。

「こんな時間から出かけるのか?」

 少し昼寝でもしちゃおうかなぁと思っていたところなのに。

「ヒロさんがいいようでしたら」

「行きたいところでもあんの?」

「はい」

「どこ?」

「ラブホです」

「ああーラブホね、ラブ……ラブホぉ!?」

「一度は行ってみたいじゃないですか」

「ま、まあその気持ちは分からんでもない……」

 あくまでひとつの経験として、ね?

「では行きましょうか。やっとその気になってくれたんですね、ヒロさん。しっぽりムフフと楽しみましょう」

「いや行くとは言ってないからね?」

「そうですか……。残念です」

 本気でがっかりしたような顔するのやめない?
 俺が悪いみたいじゃん。……いやもしかして俺が悪い?

「ということで冗談はさておくとして、本題に入りましょうか」

「冗談かよ!」

 一瞬騙されようになってた俺の純情を返せ。

「当たり前じゃないですか。ダメですよ。高校生がラブホになんて行ったら。それとも実は本気でその気になっちゃってましたか? だとしたらすみません。初めてはヒロさんの部屋がいいので遠慮します」

「なんで俺が断られる流れになってんのぉ!?」

 もうほんと意味わかんない! この幼馴染意味わかんない!

「といったところで、今度こそ本題に入りますね」

「はい……」

「行きたい喫茶店があるのです」

「喫茶店?」

「この4月からオープンしたお店なのですが、とても評判になってるんですよ。パンケーキが美味しいらしいです」

「へえ……」

 高揚を隠せない様子でユキは言う。

 ユキはこう見えて甘いものに目がない。とりあえずスイーツを与えておけばご機嫌まである。

 そしてそれは俺にもけっこう当てはまることで、俺も甘いものは好きな方だ。
 日常的に食べたいと思うほどではないが、ユキと一緒にスイーツを食べに行くのはたまにあることだった。

 ああいったお洒落な店は男1人では入り辛いため、俺としても非常に助かるのだ。

「こんな感じみたいですが、どうですか?」

 ユキがスマホを操作して店の写真を見せてくれる。そこには色んな種類のパンケーキやその他のスイーツが並んでいた。

「美味そうだな。行くか」

「はい、ヒロさん」

 ユキは返事をして微笑むと出掛ける準備を始めた。その姿からはすでにご機嫌なオーラが漏れている。
 ほら、ちょっとぴょんぴょんしてるし。
 こういう時は普通の女の子してるんだよなぁ……。

 本当に、甘いものには目がない幼馴染であった。



✳︎ ✳︎ ✳︎



「さて、ここですね」

 すぐ近くの商店街の一角にその喫茶店はあった。

「並んでんのな」

「SNSで一気に広がってましたからね。みなさんこの土日で食べにきているのかもしれません」

「そういうことか。んじゃ並びますか」

「はい」

 2人並んで列に加わる。
 並んでいるといってもそこまでの列じゃない。長く待たされることはないだろう。

 ふと隣の幼馴染を見てみる。
 ユキは「はやくっ。はやくっ」といった様子で列が進むのを待っていた。
 他人からは平静に見えるかもしれないが、俺にはわかる。

 それから、今日のユキは私服だ。俺にとってはそこまで珍しいものでもないが、それでも制服よりは新鮮味がある。

 といっても女性の服のことについてなんてよく分からないのだが。

 それでも少し分析してみるとするならば、ユキは意外とシンプルな服装が多い気がする。今日は淡い色のワンピースっぽい服を着ている。
 元々の素材がいいからなのか、ユキは変に着飾らなくても十分すぎるくらいに綺麗だ。

 そんなことを思って見つめていると、ユキと目が合った。

「ヒロさん? どうしましたか?」

「え、あーいや……」

 俺が言い淀むと、ユキの顔には疑問符が浮かぶ。この前もあったなぁこんなこと。

 幼馴染の銀髪美少女を前に、可愛いだとか服が似合ってるだとか、そんなことを言うには今更すぎて恥ずかしすぎるのだ。

「天気……いいなぁと思って」

「天気ですか? そうですね。気温も丁度いいです。それが私の顔を見つめながら思うことなのかはわかりませんが」

 ですよね。知ってた。
 咄嗟に適当な言い訳を考えるのって難しい。特にこの幼馴染にはなんでも見透かされている気がする。

 「なんでもない」と返した先日もしかりだ。



「まあいいです。ほらヒロさん、もう入れそうですよ」

 しかしパンケーキが楽しみなこともあってか、今回は追及されずに見逃された。
 ナイスだパンケーキ。

 ユキに促されて店に入ると、お洒落な内装やインテリアが俺たちを迎えた。

 それから店員に従って席に着く。
 
 そして2人でメニューを覗き込んだ。

 写真でも見せてもらった通り、メニューには数々のスイーツが並んでいる。

「ヒロさん、何にしますか?」

「ユキの好きなのをどうぞ。どうせひとつに絞れないんだろ」

「いいんですか? じゃあえっとえっと……このストロベリーのパンケーキとですね……」

 いつになく真剣な様子でメニューと睨めっこするユキ。その様子はとても微笑ましくて、可愛らしい。
 写真に収めたいくらいだ。
 とりあえずは心のアルバムに保存しておくことにする。

「決めました。この抹茶ホイップのパンケーキにします。ヒロさん、それでいいですか?」

「おう。それじゃ店員呼ぶな」

 俺はテーブルに設置されたベルを鳴らして店員を呼ぶ。

「お待たせしましたー。ご注文ですか?」

「はい。これと、このパンケーキをひとつずつと……」

 ユキはメニューを指差しながら注文をする。

「それから、このカップル限定のラブラブジュースをお願いします」

「は?」

 今、なんて言った? なんのこっちゃい聞いてませんよユキさんや。

 しかし俺の疑問をよそに、注文をとり終えた店員は去ってしまう。

「あの……ユキさん?」

「なんですか、ヒロさん」

「さっき頼んだのは一体なんでございませうか?」

「ラブラブジュースですよ? カップル限定の」

「カップル限定て……」

「私たちもカップルですよね?」

 キョトンとした様子のユキ。

 いやまあ、こんな小洒落た喫茶店に来る男女のペアがカップルじゃなかったら何なのだという話で。そうであるからこそ店員も普通に注文を通しちゃったわけで。

 そもそもカップルにだって色んな意味があるわけで。
 
 でもさぁ? カップル限定とかいうそんなバカップル専用みたいなもん飲む勇気ないんだが……?

「あ、そんなことを言ってるうちにもう来ましたよ。はやいですね」

 店員がパンケーキを2つと、それからラブラブジュースなるものを置いていく。

「うわあ……」

 ラブラブジュースは赤いジュース(恐らくベリー系の味だろうか?)に何やら豪華な装飾、そして絡み合いながらハートを形作る2つのストローで出来ていた。

「うわあとはなんですか。あと、まだ食べないでくださいね。写真撮りますから」

「それは分かってる……」

 ユキがスイーツの写真を撮るのは毎回のことで、もう慣れている。ユキはひとりはしゃぎながら写真を連写し始めた。

 現代っ子な幼馴染である。


 それにしてもこれ、ほんとに飲むのか?

 このほぼ満員で人目のある店内で?

 どんな罰ゲームだよ……。

「ヒロさんとの写真も撮りたいですね。あ、すみません」

 ユキは近くの店員を呼びつける。

「何か御用ですかぁ?」

「写真を撮ってもらってもいいですか?」

「はいはいかしこまりまし————って藤咲さん!?」


 写真撮影のためスマホを受け取ろうとした店員が、突如驚いたようにユキの名字を叫んだ。


「ユキの知り合いか?」

「……? いえ。知らない人だと思うんですけど……」

「ええぇぇ!? あ、あたし! あたしだよ! あたし!」

「あたしだって言ってるぞ」

「あたしなんて名前の人は知りませんね」

「だな」

「あたしあたし詐欺ですかね」


 緊張感なく言う俺とユキ。こんなときの息はぴったりである。
 しかし店員はなおも挫けずに言う。


「違うって! あたし! クラスメイトの、星乃夏帆ほしのかほだよ!」


 へー。クラスメイトですか。
 いや……誰やねん。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...