タイムトリッパー ~能力者達の時間戦争~

Pakkiraa

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1章 1幕 疫病の時代

第6話 フロントライン

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「そうだな。頼む。」
そうコウキが言うと、
『モード移行』
アスカは最初の時のような電子音を発したかと思うと、端末から丸いゲートのようなものを出した。
その丸い扉はみるみるうちに大きくなり、やがてコウキより50cmほど高いサイズになった。
扉の拡張が止まったかと思うと、その扉が開き、中から大きな四角い鉄の塊が出てきた。
「な、なにこれ!?」
ミリアが身構える。
「大丈夫ですよお嬢様。これはクルマと言って、楽に移動することが出来る機械です。ささ、早く早く。」
と、コウキがミリアに説明し、ササッとミリアを助手席に乗せ、運転席に座る。
「しゅっぱーつ!」
ユウトも後部座席に座って楽しそうに言う。
コウキがハンドルの横についているボタンを押すと車が細かく振動し始め、助手席と運転席のちょうど真ん中辺りにあったモニターに光が灯り周辺の地図と目的地であろう赤い点が表示された。
「じゃ、ちょっと揺れるでしょうけど我慢してくださいね。」
そう言ってコウキは目的地を確認しながらアクセルを踏んだ。


「へぇ、ここが集落ねぇ。」
前に聳え立つ大きな壁を見上げながらユウトは呟く。
「ボーッとしてないで入口探せ。」
コウキ達3人は何事もなく目的の集落にたどり着けたものの、入口らしい入口が見つけられず立ち往生していた。
「ここに何かある!」
怪しまれるといけないので車を扉の中にしまって壁に沿って歩いていると、ミリアが何か見つけた。
「これは……………インターフォン…… …?」
「面白い!押してみようぜ!」
「ちょ、バカっ」

ぴんぽーん

「………………」
「………………」

ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽーん

「おまっ___」
『感染チェック開始___』
コウキの言葉を遮るようにインターフォンから声が聞こえた。
すると、インターフォンの横に四角い穴が開き、細い棒が出てきた。
「なんだこれ?」
ユウトが触れようとすると、細い棒から緑色の光が飛び出し、3人の身体を舐めるように照らした。
『感染ナシ。細菌ノ付着確認デキズ。危険物ノ持チ込ミナシ。オールグリーン。』
インターフォンは抑揚のない電子音でそう言うと、隣に大きな長方形の穴が開き、薄暗い廊下が続いていた。
「ほぇ~なんかすげぇな。」
ユウトが感心したように言葉を漏らす。
「さ、入るか。」
コウキが少し周りを警戒しながら先頭に立ち、廊下の奥へ進んで行った。

廊下を出ると、少し開けた場所に出た。そこで待っていたのは屈強な男が数名と、年老いた男が1人。男たちは険しい顔で3人を睨む。
「ヒッ……………」
ミリアがコウキの後ろに隠れる。
数秒の沈黙。
「あ、あの___」
沈黙を破ったのはユウトだった。
するとさっきまで険しい顔をしていた老人はにこりと微笑み、
「ようこそ我らが最後の砦、“フロントライン“へ。」
と、優しい口調で言った。
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