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1章 1幕 疫病の時代
第7話 不穏な気配
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「怖い顔しちゃってすまなかったね。怖がらせてしまったかな?検問を通過できたとはいえ、壁の外から来たのには変わりない。だから私を含め皆少し神経質になっているんだよ。まぁ見る限り黒血病らしき症状は見られないから大丈夫だとは思うんだけどね。」
そう言って老人はもう一度優しく微笑む。
「俺達以外に外から来た人たちはいるんですか?」
少し安心したようにユウトが聞いた。
「1週間くらい前かな?5人くらいここに来たのを覚えているよ。『黒血病の原因を調査する』とかなんとか言っていたけれど、その三日後くらいにはガッカリしたように壁の外へ帰っていったよ。今思えばここ、“フロントライン“以外に集落なんかあったかな?君たちもそこから来たのかい?」
「まぁ、そんなところです。」
さすがに『100年前からタイムスリップしてきました』とは言えないのでユウトは適当に答えて話を軽く流した。
「我々の目的も黒血病の原因の調査です。早速ですが、黒血病が流行りだした時期は分かりますか?」
コウキが口を開いた。これ以上自分たちの素性を探られるのは厄介だと思ったのだろう。
「黒血病についてはフロントライン内の病院を訪ねてみると良いと思うよ。案内人を付けるよ。」
「ありがとうございます。えっと……」
「マグだ。一応フロントラインの統括責任者だ。まぁ市長みたいなものだと思ってね。」
マグと名乗った老人は早速後ろにいた男のうちの1人にコウキ達の案内をするように頼んだ。
フロントラインの内部は初めの町と比べるととても発展していた。壁の中の広さはコウキ達の想像を遥かに超えていたのだ。
「うわぁぁぁぁぁ!すげぇぇぇぇぇ!」
ユウトが目を輝かせる。ミリアも口を開けてふぉぉ、と変な声を漏らしていた。
「こちらがフロントライン内の病院になります。では、ごゆっくり。」
案内をしてくれた男に軽く会釈すると、3人はいくら見上げても頂上が見えない病院の中に入っていった。
「コウキ様方ですね。市長から話は伺っております。責任者と合わせますのでこちらでお待ちください。」
話を通しておくとマグが言っていたので受付のナースに名前を告げると、すぐに広い応接間へ誘導された。そしてしばらくその部屋で待っていると、少し雰囲気の変わった白衣の男が入ってきた。年はぱっと見三十代で、数日間手入れされてないであろうボサボサの髪型と汚れた丸メガネが不潔感を漂わせていた。はっきり言ってとても汚い。
「ええと…まずは自己紹介からかな。」
そう言って白衣の男はボロボロの胸ポケットから名刺を取り出し、
「黒血病研究の統括をしているアサグチと申します。よろしく。旅の方。」
と言ってニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
そう言って老人はもう一度優しく微笑む。
「俺達以外に外から来た人たちはいるんですか?」
少し安心したようにユウトが聞いた。
「1週間くらい前かな?5人くらいここに来たのを覚えているよ。『黒血病の原因を調査する』とかなんとか言っていたけれど、その三日後くらいにはガッカリしたように壁の外へ帰っていったよ。今思えばここ、“フロントライン“以外に集落なんかあったかな?君たちもそこから来たのかい?」
「まぁ、そんなところです。」
さすがに『100年前からタイムスリップしてきました』とは言えないのでユウトは適当に答えて話を軽く流した。
「我々の目的も黒血病の原因の調査です。早速ですが、黒血病が流行りだした時期は分かりますか?」
コウキが口を開いた。これ以上自分たちの素性を探られるのは厄介だと思ったのだろう。
「黒血病についてはフロントライン内の病院を訪ねてみると良いと思うよ。案内人を付けるよ。」
「ありがとうございます。えっと……」
「マグだ。一応フロントラインの統括責任者だ。まぁ市長みたいなものだと思ってね。」
マグと名乗った老人は早速後ろにいた男のうちの1人にコウキ達の案内をするように頼んだ。
フロントラインの内部は初めの町と比べるととても発展していた。壁の中の広さはコウキ達の想像を遥かに超えていたのだ。
「うわぁぁぁぁぁ!すげぇぇぇぇぇ!」
ユウトが目を輝かせる。ミリアも口を開けてふぉぉ、と変な声を漏らしていた。
「こちらがフロントライン内の病院になります。では、ごゆっくり。」
案内をしてくれた男に軽く会釈すると、3人はいくら見上げても頂上が見えない病院の中に入っていった。
「コウキ様方ですね。市長から話は伺っております。責任者と合わせますのでこちらでお待ちください。」
話を通しておくとマグが言っていたので受付のナースに名前を告げると、すぐに広い応接間へ誘導された。そしてしばらくその部屋で待っていると、少し雰囲気の変わった白衣の男が入ってきた。年はぱっと見三十代で、数日間手入れされてないであろうボサボサの髪型と汚れた丸メガネが不潔感を漂わせていた。はっきり言ってとても汚い。
「ええと…まずは自己紹介からかな。」
そう言って白衣の男はボロボロの胸ポケットから名刺を取り出し、
「黒血病研究の統括をしているアサグチと申します。よろしく。旅の方。」
と言ってニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
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