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エピソード26
虚飾の檻(6)
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「ユリア……なんでここに……」
「水浴びするって言うのに、
着替えも持たないで出て行ったから慌てて追いかけたんですよ」
オレを抱き上げながら、ユリアが言う。
「あー……」
「やっと追い付いたと思えば、服のまま川で泳いでるし。
驚いたのなんのって」
「泳いでいたと言うか……」
言葉に詰まっていると、ユリアは何かに気付いたように「あっ」と、声を上げた。
「もしかして……水浴びついでに洗濯も済ませようとか思いました?」
「……なに?」
「良かった、バンさんも同じこと考えてて。
でも、ダメですよ。意外とここって流れが速いから、
体洗ってるうちに服が流れていっちゃうんです」
「お前、やったのかよ」
「えへへ……」
照れたようにユリアが笑う。
オレもつられて笑うと、彼の鼻の頭を抓んで引っ張った。
「ふがっ……」
「横着すんなっつったろ」
「ええ、でもバンさんだって……」
オレはやってねーよ。という言葉を飲み込んだ。
じゃあ何してたんですかと聞かれても、答えなんて持ち合わせていない。
「……ったく、しょうがねえヤツだな」
抓んでいた指を離して、オレはユリアの頬に触れた。
飴色の髪が陽光を照り返し、キラキラと輝いている。
キレイだな、と思った。
背景の眩い森の緑も、小川のせせらぎも、
彼にはとてもよく似合っている。
「あの……バンさん。
そんなに見つめられると、照れてしまうんですが」
そんなことを言いながら、ユリアが頬を染めて目線を逸らした。
「いい男なんだから仕方ないだろ」
「いい男……」
キョトンとした彼は、続いて眉尻をキッと持ち上げた。
「それを言うならバンさんの方ですよ!」
力強く言い放ち、ユリアは目を細めてオレを見た。
「バンさんみたいに、優しくて誠実で格好いい人いません」
「……そんなことねぇよ」
オレは曖昧に笑って目線を落とす。
ユリアの真っ直ぐな眼差しを受け止められない。
「もう。すぐそうやって謙遜する」
「そりゃお互い様だろ」
オレは苦笑と共にユリアの腕から逃れると、踵を返した。
「あれ?何処行くんですか?」
「服脱ぐんだよ。
流されるってお前が言ったんじゃねえか」
「やっぱり洗濯しようとしてたんじゃないですか!」
オレは適当に泳ぐと近場の岩場によじ登った。
それから、濡れた服をその場に脱ぎ捨て、川に飛び込む。
「わっ……!」
水飛沫を頭からかぶって、ユリアが声を上げた。
「お前も脱げ」
「泳ぐんですか?」
「さあ、どうだろうな」
「……!」
意味深に微笑めば、ユリアはそそくさと
オレがさっきよじ登った岩まで、手で水をかいて歩いた。
その後についていったオレは
彼が岩に手をついたタイミングを見計って、背後から抱きついた。
「水浴びするって言うのに、
着替えも持たないで出て行ったから慌てて追いかけたんですよ」
オレを抱き上げながら、ユリアが言う。
「あー……」
「やっと追い付いたと思えば、服のまま川で泳いでるし。
驚いたのなんのって」
「泳いでいたと言うか……」
言葉に詰まっていると、ユリアは何かに気付いたように「あっ」と、声を上げた。
「もしかして……水浴びついでに洗濯も済ませようとか思いました?」
「……なに?」
「良かった、バンさんも同じこと考えてて。
でも、ダメですよ。意外とここって流れが速いから、
体洗ってるうちに服が流れていっちゃうんです」
「お前、やったのかよ」
「えへへ……」
照れたようにユリアが笑う。
オレもつられて笑うと、彼の鼻の頭を抓んで引っ張った。
「ふがっ……」
「横着すんなっつったろ」
「ええ、でもバンさんだって……」
オレはやってねーよ。という言葉を飲み込んだ。
じゃあ何してたんですかと聞かれても、答えなんて持ち合わせていない。
「……ったく、しょうがねえヤツだな」
抓んでいた指を離して、オレはユリアの頬に触れた。
飴色の髪が陽光を照り返し、キラキラと輝いている。
キレイだな、と思った。
背景の眩い森の緑も、小川のせせらぎも、
彼にはとてもよく似合っている。
「あの……バンさん。
そんなに見つめられると、照れてしまうんですが」
そんなことを言いながら、ユリアが頬を染めて目線を逸らした。
「いい男なんだから仕方ないだろ」
「いい男……」
キョトンとした彼は、続いて眉尻をキッと持ち上げた。
「それを言うならバンさんの方ですよ!」
力強く言い放ち、ユリアは目を細めてオレを見た。
「バンさんみたいに、優しくて誠実で格好いい人いません」
「……そんなことねぇよ」
オレは曖昧に笑って目線を落とす。
ユリアの真っ直ぐな眼差しを受け止められない。
「もう。すぐそうやって謙遜する」
「そりゃお互い様だろ」
オレは苦笑と共にユリアの腕から逃れると、踵を返した。
「あれ?何処行くんですか?」
「服脱ぐんだよ。
流されるってお前が言ったんじゃねえか」
「やっぱり洗濯しようとしてたんじゃないですか!」
オレは適当に泳ぐと近場の岩場によじ登った。
それから、濡れた服をその場に脱ぎ捨て、川に飛び込む。
「わっ……!」
水飛沫を頭からかぶって、ユリアが声を上げた。
「お前も脱げ」
「泳ぐんですか?」
「さあ、どうだろうな」
「……!」
意味深に微笑めば、ユリアはそそくさと
オレがさっきよじ登った岩まで、手で水をかいて歩いた。
その後についていったオレは
彼が岩に手をついたタイミングを見計って、背後から抱きついた。
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