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42話 相談事
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「すいません。もう帰るところなのに引き留めて。」
まだ、周りの家からは明かりが漏れていた。向かいの宿からも声が聞こえて来る。
「いいや、別に構わないが。クローディアの事かな?」
どうやらマーリーンさんは分かっていたようだ。
「...はい。あの...。ちょっと聞きたいことがあって。以前、マーリーンさんと一緒の時にクローディアが大人の姿になったことがあるじゃないですか。あれは、どうしてだったんでしょうか?」
僕は何と言ったら良いのか考えながら聞いたため曖昧な表現になってしまった。
「なぜそんなことを聞くんだい?」
マーリーンさんも予想外の事を聞かれたようでちょっと驚いた顔をする。まあ、そうですよね。
「それが、その...。クローディアがあれ以来時々大人の姿になるんです。一度は、もうならないようなことを言っていたのに...。」
そうなのだ。クローディアも僕の言葉に同意してくれていたと思っていたのに。
「おやおや、それはどんな時になるんだい?」
ところがマーリーンさんは僕の話を聞くと、一転してニヤニヤとした笑いをして質問してきた。
「どんな時?」
「そう、例えば君と二人きりの時なのか、他に誰かがいる時なのか。」
それを聞いて僕はマーリーンさんに見透かされた気がして顔が熱くなるのが分かった。
光虫貝の仄かな明かりの中でも僕の表情はマーリーンさんに読み取れただろう。
「...。たぶんお隣のエマが居る時だと思います。」
今日は他の人もいたけど、エマが会場作りの手伝いに来ていた時だった。
「なんだ、じゃあ君はもう理由が分かっているんじゃないのかな?」
「...。」
何だろう。マーリーンさんに相談しようとしていたのに何故か追い詰められている気がするのは。
「では、最初にあの姿になった時に私とルーが何とクローディアに言ったか教えよう。」
「あの...やっぱり。」
断ろうとした僕の言葉を遮ってマーリーンさんが言った。
「あのエマという少女と同じくらいもう少しだけ大人の姿の方が、君とお似合いなんじゃないのかな。って言ったんだよ。」
マーリーンさんが顔を赤くして俯く僕の頭の上でニヤニヤ笑っているのが目に見えるようだった。
絶対この人ドSだ!
「いや~、まさかまさか。純粋なクローディアに嫉妬させるなんて大したもんだよ。長い付き合いだがクローディアにはそう言った感情は欠落しているのかと思っていたが、ただ好みの相手に出会わなかっただけだったのかな。さすが、勇者ベテルギウスの剣の主。」
絶対最後の一言は馬鹿にしているに違いない。
「マーリーンさん、絶対面白がっていますよね?」
僕はやっとの思いで顔を上げるとマーリンさんを睨みつけた。たぶん、顔が赤いままだったので全く威力は無かっただろうけど。
「いやいや、ルーだったら面白がっていると断言しそうだけどね。私は可愛いクローディアの願いが叶うと良いとは思っているよ。いつも一緒にいる訳ではないけど、私たち魔法使いは家族のようなものだと私は思っているからね。」
マーリーンさんの事をお母さんと例えたのは間違いではなかったのか。
「それで、どうしたら、そのいつもの姿で居てくれると思いますか?」
そうだ、僕はそれが聞きたかっただけなのに。
「そうだねぇ。まあ君はどうなのかは知らないが、クローディアは恋愛に関しては幼子なみだ。まずは言葉できちんと話してみたらいいのではないのかね。」
「言葉でですか?」
「そう、クローディアが嫉妬しなくていいように、安心するようにね。結局、今は君の事を信じていないってことだろう?」
「信じていない...。」
人に無条件に信じてもらえるほど自分を大層な人間だとは思ったことはないけど、地味にショックだ。
「まあ、私はもちろん君よりもクローディアの味方だけど。」そうでしょうとも。
「クローディアの相手として応援はしているよ。なんたって勇者の剣の持ち主だ。」
「また、それですか?そんなのはたまたま僕が手に入れただけで...。」
単に偶然手に入れただけだろうに。
「なんだ、知らなかったのか。」
「?」一体なにを?
「勇者の剣というのは持ち主が剣を選ぶのではなく、剣が持ち主を選ぶのだ。」
それは以前聞いた気がする。
「つまり、どういうことかというと、選ばれたものは間違いなく人格者だということだ。」
「人格者!?」
「万が一、剣の持ち主が人の道を誤るような行いをした場合は必ず報いを受ける。そしてその剣も一緒に滅びる。」
「ええっ?」
そんな怖いものだったのか?人の道を誤るっていったいどの程度の事を指すのか?人を殺したときとか?いや、違うか、剣なんだからもともと戦うものだろうし。
「まあ、大丈夫大丈夫。そんな事になった人間は私が知っている限りは過去に一人だけだよ。普通はきちんと人生を全うしているから。」
過去にひとり居たのか!っていうか確率的にはどれぐらい?う~んと考え込んでしまった僕の頭をマーリーンさんがポンポンと軽く叩く。
「それに、君には魔法使い達の加護がついているから。」
「加護?魔法使いのですか?」まあ、みんなには良くしてもらっているとは思うが。
「なんだ、気づいていないのか。魔法使い全員に好かれているじゃないか。」
好かれている?そりゃあ、クローディアには好かれていると思いたいけど。リコさんはどうかな?
そう言ってマーリーンさんは何が可笑しいのかハハハハッと大きく笑った。僕はご近所迷惑にならないが少しだけ心配になった。
まだ、周りの家からは明かりが漏れていた。向かいの宿からも声が聞こえて来る。
「いいや、別に構わないが。クローディアの事かな?」
どうやらマーリーンさんは分かっていたようだ。
「...はい。あの...。ちょっと聞きたいことがあって。以前、マーリーンさんと一緒の時にクローディアが大人の姿になったことがあるじゃないですか。あれは、どうしてだったんでしょうか?」
僕は何と言ったら良いのか考えながら聞いたため曖昧な表現になってしまった。
「なぜそんなことを聞くんだい?」
マーリーンさんも予想外の事を聞かれたようでちょっと驚いた顔をする。まあ、そうですよね。
「それが、その...。クローディアがあれ以来時々大人の姿になるんです。一度は、もうならないようなことを言っていたのに...。」
そうなのだ。クローディアも僕の言葉に同意してくれていたと思っていたのに。
「おやおや、それはどんな時になるんだい?」
ところがマーリーンさんは僕の話を聞くと、一転してニヤニヤとした笑いをして質問してきた。
「どんな時?」
「そう、例えば君と二人きりの時なのか、他に誰かがいる時なのか。」
それを聞いて僕はマーリーンさんに見透かされた気がして顔が熱くなるのが分かった。
光虫貝の仄かな明かりの中でも僕の表情はマーリーンさんに読み取れただろう。
「...。たぶんお隣のエマが居る時だと思います。」
今日は他の人もいたけど、エマが会場作りの手伝いに来ていた時だった。
「なんだ、じゃあ君はもう理由が分かっているんじゃないのかな?」
「...。」
何だろう。マーリーンさんに相談しようとしていたのに何故か追い詰められている気がするのは。
「では、最初にあの姿になった時に私とルーが何とクローディアに言ったか教えよう。」
「あの...やっぱり。」
断ろうとした僕の言葉を遮ってマーリーンさんが言った。
「あのエマという少女と同じくらいもう少しだけ大人の姿の方が、君とお似合いなんじゃないのかな。って言ったんだよ。」
マーリーンさんが顔を赤くして俯く僕の頭の上でニヤニヤ笑っているのが目に見えるようだった。
絶対この人ドSだ!
「いや~、まさかまさか。純粋なクローディアに嫉妬させるなんて大したもんだよ。長い付き合いだがクローディアにはそう言った感情は欠落しているのかと思っていたが、ただ好みの相手に出会わなかっただけだったのかな。さすが、勇者ベテルギウスの剣の主。」
絶対最後の一言は馬鹿にしているに違いない。
「マーリーンさん、絶対面白がっていますよね?」
僕はやっとの思いで顔を上げるとマーリンさんを睨みつけた。たぶん、顔が赤いままだったので全く威力は無かっただろうけど。
「いやいや、ルーだったら面白がっていると断言しそうだけどね。私は可愛いクローディアの願いが叶うと良いとは思っているよ。いつも一緒にいる訳ではないけど、私たち魔法使いは家族のようなものだと私は思っているからね。」
マーリーンさんの事をお母さんと例えたのは間違いではなかったのか。
「それで、どうしたら、そのいつもの姿で居てくれると思いますか?」
そうだ、僕はそれが聞きたかっただけなのに。
「そうだねぇ。まあ君はどうなのかは知らないが、クローディアは恋愛に関しては幼子なみだ。まずは言葉できちんと話してみたらいいのではないのかね。」
「言葉でですか?」
「そう、クローディアが嫉妬しなくていいように、安心するようにね。結局、今は君の事を信じていないってことだろう?」
「信じていない...。」
人に無条件に信じてもらえるほど自分を大層な人間だとは思ったことはないけど、地味にショックだ。
「まあ、私はもちろん君よりもクローディアの味方だけど。」そうでしょうとも。
「クローディアの相手として応援はしているよ。なんたって勇者の剣の持ち主だ。」
「また、それですか?そんなのはたまたま僕が手に入れただけで...。」
単に偶然手に入れただけだろうに。
「なんだ、知らなかったのか。」
「?」一体なにを?
「勇者の剣というのは持ち主が剣を選ぶのではなく、剣が持ち主を選ぶのだ。」
それは以前聞いた気がする。
「つまり、どういうことかというと、選ばれたものは間違いなく人格者だということだ。」
「人格者!?」
「万が一、剣の持ち主が人の道を誤るような行いをした場合は必ず報いを受ける。そしてその剣も一緒に滅びる。」
「ええっ?」
そんな怖いものだったのか?人の道を誤るっていったいどの程度の事を指すのか?人を殺したときとか?いや、違うか、剣なんだからもともと戦うものだろうし。
「まあ、大丈夫大丈夫。そんな事になった人間は私が知っている限りは過去に一人だけだよ。普通はきちんと人生を全うしているから。」
過去にひとり居たのか!っていうか確率的にはどれぐらい?う~んと考え込んでしまった僕の頭をマーリーンさんがポンポンと軽く叩く。
「それに、君には魔法使い達の加護がついているから。」
「加護?魔法使いのですか?」まあ、みんなには良くしてもらっているとは思うが。
「なんだ、気づいていないのか。魔法使い全員に好かれているじゃないか。」
好かれている?そりゃあ、クローディアには好かれていると思いたいけど。リコさんはどうかな?
そう言ってマーリーンさんは何が可笑しいのかハハハハッと大きく笑った。僕はご近所迷惑にならないが少しだけ心配になった。
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