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第二章
精霊王マティウスの提案
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「リリアナ、今夜は随分機嫌が良いようだが何かいいことでもあったのか?」
晩餐の席でシエルが不思議そうに尋ねてきた。どうやら昼間の楽しいお茶会の余韻が顔に出ていたらしい。
「ええ、今日は先日仲良くなった方たちとまた一緒にお茶をすることができたんです。」
「ああ、それは聞いていたがそんなに楽しかったのか?」
「はい、とても話が合って楽しいひと時でした。シエルが王都に住む気になってくれて感謝しますわ!」
「そ、そうか?それは良かった。」
シエルが少し気まずそうに目を反らした。少し嫌味に聞こえたかしら?今のは純粋にお友達ができた喜びの気持ちから出た言葉でそんなつもりはなかったのだけど。でも、今ならシエルの昔の行いもまあ許しても良いかもと思えるくらいには私は上機嫌だった。
あ、でも昔の行いと言えば......。
「シエル。まさかと思うけど、この旅で向かう屋敷にまた住もうなんて考えてないわよね?」
ふと思い付いて一応確認してみる。
私の言葉を聞いてシエルが今度は食べていた物を喉に詰まらせたのかゴホゴホとむせた。近くに控えていた家令のパトリックが慌てて水を入れたグラスを差し出す。シエルはそれを飲むと何とか落ち着いたようだった。
いつもの無表情で落ち着き払ったシェルからは想像もできないような慌て振りは、きっといつもこき使われているシエルの部下たち、魔法省の魔法使いが見たらさぞかし喜びそうだった。特に、シエルの一番弟子のリカルドは大喜びしそうね。
「シエル、お前信用無いな...。まあ前科があるからしかたがないがな。」
テーブルの下から声が聞こえてきて、私の足元のテーブルクロスの影から黒猫が姿を現した。黒猫は軽々と私の膝の上に飛び乗って撫でろとアピールしてきた。
もう、食事中なのに!と心では思ったけれど艶々の毛並みには逆らえず思わす撫でてしまう。
この艶々の綺麗な黒猫は実はこの国の神殿で祀られている精霊王マティウス様なのだけれど。それを知っているのはほんの一部の人達だけだ。周りを見るとパトリックを始めとしてシエルと私以外の人間は眠りこけていた。しかも器用にも立ったまま。
「煩い。さっさと神殿に帰れ!」
シエルが先ほどの動揺からやっと立ち直ってマティに冷たく言い放った。それを綺麗に無視してマティが続ける。
「リリアナが心配するのも無理はない。私が先にあの森の中の屋敷に行って待って居よう。もし、シエルが良からぬことを考えても今度は私が止めるので心配することは無い。」
前世でシエルは私を束縛するために、深い森の中にある屋敷に監禁した。広い屋敷の敷地内は自由に歩けたから、監禁したというのは大袈裟に聞こえるかも知れないけど、箱入り娘だった貴族の娘が人里から離れた樹海といっても差し支えない森にひとりで踏み出すなど考えもしなかった。
夫であるシエルはいつも側に居てくれたけど、友人もいない身内とも会えない日々は監禁といわれても仕方がなかったと思う。
猫のマティの姿をした精霊王は私に撫でられて気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らした。最近、マティの毛並みの艶が増したのは精霊としての力が戻って来たかららしい。でも王宮の侍女たちにブラッシングされているからだと思っているサンドラが負けじと一生懸命ブラッシングしているのを私は知っている。
もちろん、自分がブラッシングしている猫が実はこの国の神様と崇められている精霊王マティウスだとは知る由もない。
「まあ、ありがとうございます。でもよろしいのですか?神殿にいらっしゃらなくて。」
まあ、すでにここにいる時点で神殿から抜け出している訳だけど。
「あくまで神殿は人間たちが勝手に作ったものだ。居心地は悪くないから人間たちの祭事に付き合ってやってはいるが、別にずっと神殿にいる訳ではないぞ。私がどこへ行こうと全くの自由だ。ただしその土地土地に住む精霊たちを尊重するようにはしているがな。」
なるほど、別の土地には別の精霊たちがいるという訳なのだろう。例えば私を攫おうとしたハルのように。私はあの時のことを思い出して少し身震いをした。
精霊王マティウス様はシエルと共謀して私を生まれ変わらせたために力を使い果たしてしまい、つい最近まで黒猫の姿で私の近くで力を回復するため療養していた。というのも、どうやら私は精霊や魔法使い達のような存在にとって気持ちの良い空気?霊気?を出しているらしい。やっと、本来の力を取り戻したのだからこの屋敷に居る必要はもうないのだけど私の側が居心地が良いと未だに我が家の家猫の振りをしている。私としても中身は精霊王マティウス様と分ってはいても、子供の頃から一緒の黒猫のマティがいきなり居なくなってしまうのは悲しいので是非我が家にいて欲しいと思っている。
我が家の人達にはマティが精霊王マティウス様だとは伝えていないし、当然猫のマティが話せることも知らない。なので、シエルと私以外の人がいる前でマティが話をする時、マティは周りの皆を眠らせてしまうのだった。
「まあ、お前達はゆっくりと観光しながら行くのだろう?私は先に森に行って懐かしい同胞と一緒にのんびり待つとしよう。」
「ふん、年寄りは年寄り同士仲良く茶でも飲んで待っていれば良いだろう。」
全く、この二人は仲が良いのだか悪いのだか良く分からない。まあ、私には分からない程長い付き合いなのだから通じるものがあるのでしょうけど。
ちなみに、この国で一番崇められている精霊王にこんな口をきける人はシエル以外に居ないだろう。例え国王様でも絶対無理!
というか姿を見ることも普通はできないけど。
「でも、マティはどうやって遠くまで旅をするのですか?」
空を飛んで行くのかしら?
「如何様にも。空を飛んでも、水を伝っても、木々の間を抜けてでも。人と違い私達は自由だ、可愛いリリアナ。」
そう言うとマティはゴロゴロと喉を鳴らして撫でていた私の手をペロリと舐めた。
「爺!さっさと、リリアナの膝から降りろ!」
それを見てシエルがとうとうぶち切れて、手近にあったクロスを投げ付けた。クロスは綺麗にマティの背中に当たるかと思えたが、パシッという音ともに見えないものに弾かれて床に落ちた。
それにしても、マティに爺って。自分だって充分に年を取っているじゃないの。誰もシエルの本当の年齢を知らないくらいには...。まあ、私も一度生まれ変わっているから中身に関しては人のことは言えないけど。
精霊王マティウス様に手を嘗められたら赤面ものだけど、猫のマティだから…。う~ん?
マティは渋々といった呈で私の膝から床に飛び降りると、にゃ~と猫の鳴き声をあげ庭に面した窓から外に出ていった。
そのとたん、回りの人達が何事も無かったかの様に動き出した。
晩餐の席でシエルが不思議そうに尋ねてきた。どうやら昼間の楽しいお茶会の余韻が顔に出ていたらしい。
「ええ、今日は先日仲良くなった方たちとまた一緒にお茶をすることができたんです。」
「ああ、それは聞いていたがそんなに楽しかったのか?」
「はい、とても話が合って楽しいひと時でした。シエルが王都に住む気になってくれて感謝しますわ!」
「そ、そうか?それは良かった。」
シエルが少し気まずそうに目を反らした。少し嫌味に聞こえたかしら?今のは純粋にお友達ができた喜びの気持ちから出た言葉でそんなつもりはなかったのだけど。でも、今ならシエルの昔の行いもまあ許しても良いかもと思えるくらいには私は上機嫌だった。
あ、でも昔の行いと言えば......。
「シエル。まさかと思うけど、この旅で向かう屋敷にまた住もうなんて考えてないわよね?」
ふと思い付いて一応確認してみる。
私の言葉を聞いてシエルが今度は食べていた物を喉に詰まらせたのかゴホゴホとむせた。近くに控えていた家令のパトリックが慌てて水を入れたグラスを差し出す。シエルはそれを飲むと何とか落ち着いたようだった。
いつもの無表情で落ち着き払ったシェルからは想像もできないような慌て振りは、きっといつもこき使われているシエルの部下たち、魔法省の魔法使いが見たらさぞかし喜びそうだった。特に、シエルの一番弟子のリカルドは大喜びしそうね。
「シエル、お前信用無いな...。まあ前科があるからしかたがないがな。」
テーブルの下から声が聞こえてきて、私の足元のテーブルクロスの影から黒猫が姿を現した。黒猫は軽々と私の膝の上に飛び乗って撫でろとアピールしてきた。
もう、食事中なのに!と心では思ったけれど艶々の毛並みには逆らえず思わす撫でてしまう。
この艶々の綺麗な黒猫は実はこの国の神殿で祀られている精霊王マティウス様なのだけれど。それを知っているのはほんの一部の人達だけだ。周りを見るとパトリックを始めとしてシエルと私以外の人間は眠りこけていた。しかも器用にも立ったまま。
「煩い。さっさと神殿に帰れ!」
シエルが先ほどの動揺からやっと立ち直ってマティに冷たく言い放った。それを綺麗に無視してマティが続ける。
「リリアナが心配するのも無理はない。私が先にあの森の中の屋敷に行って待って居よう。もし、シエルが良からぬことを考えても今度は私が止めるので心配することは無い。」
前世でシエルは私を束縛するために、深い森の中にある屋敷に監禁した。広い屋敷の敷地内は自由に歩けたから、監禁したというのは大袈裟に聞こえるかも知れないけど、箱入り娘だった貴族の娘が人里から離れた樹海といっても差し支えない森にひとりで踏み出すなど考えもしなかった。
夫であるシエルはいつも側に居てくれたけど、友人もいない身内とも会えない日々は監禁といわれても仕方がなかったと思う。
猫のマティの姿をした精霊王は私に撫でられて気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らした。最近、マティの毛並みの艶が増したのは精霊としての力が戻って来たかららしい。でも王宮の侍女たちにブラッシングされているからだと思っているサンドラが負けじと一生懸命ブラッシングしているのを私は知っている。
もちろん、自分がブラッシングしている猫が実はこの国の神様と崇められている精霊王マティウスだとは知る由もない。
「まあ、ありがとうございます。でもよろしいのですか?神殿にいらっしゃらなくて。」
まあ、すでにここにいる時点で神殿から抜け出している訳だけど。
「あくまで神殿は人間たちが勝手に作ったものだ。居心地は悪くないから人間たちの祭事に付き合ってやってはいるが、別にずっと神殿にいる訳ではないぞ。私がどこへ行こうと全くの自由だ。ただしその土地土地に住む精霊たちを尊重するようにはしているがな。」
なるほど、別の土地には別の精霊たちがいるという訳なのだろう。例えば私を攫おうとしたハルのように。私はあの時のことを思い出して少し身震いをした。
精霊王マティウス様はシエルと共謀して私を生まれ変わらせたために力を使い果たしてしまい、つい最近まで黒猫の姿で私の近くで力を回復するため療養していた。というのも、どうやら私は精霊や魔法使い達のような存在にとって気持ちの良い空気?霊気?を出しているらしい。やっと、本来の力を取り戻したのだからこの屋敷に居る必要はもうないのだけど私の側が居心地が良いと未だに我が家の家猫の振りをしている。私としても中身は精霊王マティウス様と分ってはいても、子供の頃から一緒の黒猫のマティがいきなり居なくなってしまうのは悲しいので是非我が家にいて欲しいと思っている。
我が家の人達にはマティが精霊王マティウス様だとは伝えていないし、当然猫のマティが話せることも知らない。なので、シエルと私以外の人がいる前でマティが話をする時、マティは周りの皆を眠らせてしまうのだった。
「まあ、お前達はゆっくりと観光しながら行くのだろう?私は先に森に行って懐かしい同胞と一緒にのんびり待つとしよう。」
「ふん、年寄りは年寄り同士仲良く茶でも飲んで待っていれば良いだろう。」
全く、この二人は仲が良いのだか悪いのだか良く分からない。まあ、私には分からない程長い付き合いなのだから通じるものがあるのでしょうけど。
ちなみに、この国で一番崇められている精霊王にこんな口をきける人はシエル以外に居ないだろう。例え国王様でも絶対無理!
というか姿を見ることも普通はできないけど。
「でも、マティはどうやって遠くまで旅をするのですか?」
空を飛んで行くのかしら?
「如何様にも。空を飛んでも、水を伝っても、木々の間を抜けてでも。人と違い私達は自由だ、可愛いリリアナ。」
そう言うとマティはゴロゴロと喉を鳴らして撫でていた私の手をペロリと舐めた。
「爺!さっさと、リリアナの膝から降りろ!」
それを見てシエルがとうとうぶち切れて、手近にあったクロスを投げ付けた。クロスは綺麗にマティの背中に当たるかと思えたが、パシッという音ともに見えないものに弾かれて床に落ちた。
それにしても、マティに爺って。自分だって充分に年を取っているじゃないの。誰もシエルの本当の年齢を知らないくらいには...。まあ、私も一度生まれ変わっているから中身に関しては人のことは言えないけど。
精霊王マティウス様に手を嘗められたら赤面ものだけど、猫のマティだから…。う~ん?
マティは渋々といった呈で私の膝から床に飛び降りると、にゃ~と猫の鳴き声をあげ庭に面した窓から外に出ていった。
そのとたん、回りの人達が何事も無かったかの様に動き出した。
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