6 / 29
一章 ソフィアと魔王
魔法薬師とは
しおりを挟む
「薬師ってものは知ってる?」
チエリはゲラルドが起きたということで、ご飯を作りに部屋を出て行った。なんでも酒屋の女将さんが食料をくれたとか。
だからその間に私はゲラルドに話をしなくてはいけない。私がなりたいものについてを。
ゲラルドは僅かに考える素振りをした後に「たしか数百年前に居た職業にそんなものがあった」と呟いた。その答えに私は大きく頷く。
「よかった。そこから話すとなるとなかなか今の時代難しいから。薬師ってものは民の健康を守るために居た職業なの」
「今の教会のような仕組みか?」
「うーん、ちょっと違うかな。怪我をしたりしたら、それを治すためのサポートをするし、健康状態を維持するための仕事。もちろん魔法は使わないで」
「……失われた職業ということか」
「うん、そう。魔法が確立されて三百年。その間に消えた職業の一つ」
魔法は突如、四百年くらい前に発生したのでは、と言われている。明確な理由も存在も不明。それがちゃんと魔法となったのは三百年前。
暴発する事故が格段に起きなくなったのはここ五十年の話。
魔法という歴史はとても浅い。だけど人類の進化には大きな衝撃を与えた。
「魔法が発生してから、人類は科学の進歩よりも魔法を選んだ。だってそっちの方が利便性がいいから」
魔法の素となる魔素は空気中に沢山ある。それを有機生物が何らかの方法で吸収することで魔力になる。魔力に法則を加えれば魔法となる。
なにも機械も要らない。たった一人で出来る事だ。もちろん大魔法になったら協力とかしないと出来ないけど、魔法という存在は遥かに人類の躍進されるものだ。
大きな力を得ると、人は更に欲しくなる。欲というのは空腹状態の野生動物みたいなものだ。
もっと欲しくなる。少しだけなんて言ってられない。沢山、いっぱい、全部。
だから魔法が発生した三百年前は国取りの戦争が勃発した。それは二百年前に魔王が誕生した事で止んだけれど。
その間に魔法という存在は暮らすうえで中心的な存在にまでなっていった。
「では今更その薬師、というものになるのは些か時代遅れというものではないか」
「私が目指しているのは薬師じゃない。魔法薬師。職業としても称号としても、未だ誰もが行ったことのないもの」
持ってきた結晶の一つをゲラルドに渡す。結晶は私が今実験中のものだ。
「これは鎮痛剤、っていう痛みを和らげる薬になるかもしれないもの」
「そんなの魔法でどうにでもすればいいだろう」
「そうだね。でも魔法を使えない人も沢山いる。私だって使えない」
「使えない?」
結晶を光に照らして眺めていたゲラルドは、不可解な言葉を聞いたような表情で私を見つめてくる。
「そう、使えないの。弟とは違って」
弟はすごい魔法剣士だ。魔法のコントロールはもちろん、魔力量もすごいらしい。ならば私だってそうだろう、と思われがちだが私は全く使えない。
使えないどころか魔素の影響すら受けにくいのだから、これから先一生魔法を使うのは難しいだろう。
でもそれはなにも私だけじゃない。魔法が効きづらい人も居る。確かに大きな魔法を使えば、全回復するかもしれないけれど、そんなの非効率。
だから魔力量によって出来る仕事が決まることもしばしばある。
「今は魔法主義社会。魔法を使えない人は居るけれどそれはとても少ない。となると、そんな少数のために社会は優しくならない」
「そのために魔法具もある。精霊や古来獣も助けてくれるだろう」
「そうだね。人は誰かに助けて生きていくものだ。でも恩着せがましく助けてもらってまで生きたい人なんてどれくらい居るんだろう」
「……捻くれているな」
だって魔法が使いたくても使えない、って試合をする前から負けが確定しているくらいの差だ。それを非魔力側はずっと思うのだろう。
本当だったら空を飛びたかった。本当だったら海中で呼吸出来るようになりたかった。魔王を倒して勇者になりたかった。
思ってしまう。ないものねだりだって分かっていても。
「やっと情勢が落ち着いて五十年。昔の文明は三百年前。魔法が使えなかった文明をどれだけの人が振り返ると思う? 誰が好んで不便な生活に戻りたいと思う? ――そうして人は傲慢に怠惰になっていくんです」
「娘……」
ゲラルドの青紫の瞳が切なげに細められる。それを見て、この人思ったよりも優しいのかもしれないな、なんて思ってしまった。
「て、言うのがどこかの研究者のポエム」
「は」
「研究者ならば悲観する前に何かやれ、って話だよね。そもそも正気に戻って、人の気持ちに寄り添おうとしてるところからして諦めてる。ダメ失格」
目を丸くして固まっているゲラルドに「私はね」と続ける。
「魔法が知りたい。どうして法則を与えることで魔力が変わるのか。つまりそれは反応式とか数式に近い」
魔力に違う法則をつけたら? それが人ではなく草木や生成物にだったら? 人にどうやって影響する? どんな顔を見せてくれる?
魔法という概念をどうしてくれる?
「魔法を理解して、それを魔法が使えない私が薬師として全国民を健康に導けたら? 魔法の概念、バーンってぶっ壊れると思わない!?」
魔法に頼っているのも別にいい。便利だし。魔法は今じゃ社会のカースト決めにもなっている。
だって魔法が使えないと生きていけないから。だから教会があって白魔法があって、みんなそれを頼る。
それが要らなくなったら?
きっと世界は面白くなる!
「私が第一人者になってそのあとにも魔法薬師が排出されたら。そしたら世の中絶対に面白くなる」
「……世界でも掌握したいのか?」
「まさか。そういうのは興味ない。私はただ自分の興味ある事を調べて理解して実証したいだけ」
科学というのは実験と結果と考察の繰り返し。
今は科学は色々と禁止されている事が多い。だからそれは難しいこととされている。
全部魔法で済むから。安心安全な方へみんなでお手手繋いで仲良くしましょう、って。
そんな人生は真っ平御免だ。
「人生は一度きりだもの。楽しまないと損じゃない?」
やりたい事をやって、私は満足して死にたい。もしかしたら志半ばで終わるかもしれない。でも死ぬ間際にやっておけば良かった、と思って死にたくはない。
だから私は魔法薬師になりたい。
ゲラルドは私を見つめて呆然とした表情をしていたと思ったら、突然笑い出した。大きな声でお腹を抱えて、本気で笑っている。
変なものでも食べたのか、頭を強くぶつけて今更に後遺症が出てきたのかと心配になる。ちょっと狂ってる人を相棒にはしたくない。
「豪胆な奴だと思ったが、娘よ、お前なかなかな強欲だな」
「理性ありてコミュニケーションが取れるものはみんな強欲だよ。ただお利口さんにするのが上手いだけ」
「そうかそうか、なるほどな」
まだ少しだけ笑いの余韻を残していたゲラルドは大きく息を吐いて、最後にふっ、と笑った。相当楽しかったらしい。こっちは本気なのに。
ゆっくりとゲラルドは立ち上がり、ゲラルドは自分の指を軽く振る。すると薄汚れていたゲラルドの衣服や見た目がみるみる綺麗になって、白い髪の毛は光に当たると眩しいくらいに変化した。
「お風呂要らずだ……」
「ソフィア・コネリー。僕はお前に協力しよう。その願いが叶うまで必ず」
「え! そんなにいいの!? よかったー、ゲラルドみたいな頑丈で魔力が沢山ある人なんて、きっとこれから先見つからないだろうから」
「だろうな」
私を見下ろす綺麗な青紫の瞳の中はキラキラとしている。キラキラしているのは魔素によるもの。それがまるで薄明るい空に星が輝いているようだ。
この世の物とは思えないほどに、目が奪われて呼吸が止まりそう。ついゲラルドの顔に目を伸ばしそうになる。
「これは僕からの餞別だ」
そう言って、ゲラルドは長く伸びている髪の毛を風の魔法か何かで、バッサリと短く切ってしまう。癖っ毛なのか、僅かに毛先が跳ねているのがさっきよりもよく目立つ。
切り落とした髪の毛を掴んで、何か呟いた後に手を離して床へ髪の毛の束を落とす。落とた先の床には沢山の白い髪が落ちて――いない。ふわり、と床に落ちる前に溶けるように無くなっていった。
不思議な光景に「おお」と感心の声が出る。
「これでこの小屋はお前が許可しない者は一切踏み入れることは出来なくした」
「あ! それはすごく助かる! ありがとう!」
「あぁ、だから絶対になれ。その魔法薬師とやらに」
ゆるりと笑みを浮かべるゲラルドはとても楽しそうに私を見つめる。私もゲラルドを見つめて、口角を更に上げた。
「うん! よろしくね、ゲラルド!」
チエリはゲラルドが起きたということで、ご飯を作りに部屋を出て行った。なんでも酒屋の女将さんが食料をくれたとか。
だからその間に私はゲラルドに話をしなくてはいけない。私がなりたいものについてを。
ゲラルドは僅かに考える素振りをした後に「たしか数百年前に居た職業にそんなものがあった」と呟いた。その答えに私は大きく頷く。
「よかった。そこから話すとなるとなかなか今の時代難しいから。薬師ってものは民の健康を守るために居た職業なの」
「今の教会のような仕組みか?」
「うーん、ちょっと違うかな。怪我をしたりしたら、それを治すためのサポートをするし、健康状態を維持するための仕事。もちろん魔法は使わないで」
「……失われた職業ということか」
「うん、そう。魔法が確立されて三百年。その間に消えた職業の一つ」
魔法は突如、四百年くらい前に発生したのでは、と言われている。明確な理由も存在も不明。それがちゃんと魔法となったのは三百年前。
暴発する事故が格段に起きなくなったのはここ五十年の話。
魔法という歴史はとても浅い。だけど人類の進化には大きな衝撃を与えた。
「魔法が発生してから、人類は科学の進歩よりも魔法を選んだ。だってそっちの方が利便性がいいから」
魔法の素となる魔素は空気中に沢山ある。それを有機生物が何らかの方法で吸収することで魔力になる。魔力に法則を加えれば魔法となる。
なにも機械も要らない。たった一人で出来る事だ。もちろん大魔法になったら協力とかしないと出来ないけど、魔法という存在は遥かに人類の躍進されるものだ。
大きな力を得ると、人は更に欲しくなる。欲というのは空腹状態の野生動物みたいなものだ。
もっと欲しくなる。少しだけなんて言ってられない。沢山、いっぱい、全部。
だから魔法が発生した三百年前は国取りの戦争が勃発した。それは二百年前に魔王が誕生した事で止んだけれど。
その間に魔法という存在は暮らすうえで中心的な存在にまでなっていった。
「では今更その薬師、というものになるのは些か時代遅れというものではないか」
「私が目指しているのは薬師じゃない。魔法薬師。職業としても称号としても、未だ誰もが行ったことのないもの」
持ってきた結晶の一つをゲラルドに渡す。結晶は私が今実験中のものだ。
「これは鎮痛剤、っていう痛みを和らげる薬になるかもしれないもの」
「そんなの魔法でどうにでもすればいいだろう」
「そうだね。でも魔法を使えない人も沢山いる。私だって使えない」
「使えない?」
結晶を光に照らして眺めていたゲラルドは、不可解な言葉を聞いたような表情で私を見つめてくる。
「そう、使えないの。弟とは違って」
弟はすごい魔法剣士だ。魔法のコントロールはもちろん、魔力量もすごいらしい。ならば私だってそうだろう、と思われがちだが私は全く使えない。
使えないどころか魔素の影響すら受けにくいのだから、これから先一生魔法を使うのは難しいだろう。
でもそれはなにも私だけじゃない。魔法が効きづらい人も居る。確かに大きな魔法を使えば、全回復するかもしれないけれど、そんなの非効率。
だから魔力量によって出来る仕事が決まることもしばしばある。
「今は魔法主義社会。魔法を使えない人は居るけれどそれはとても少ない。となると、そんな少数のために社会は優しくならない」
「そのために魔法具もある。精霊や古来獣も助けてくれるだろう」
「そうだね。人は誰かに助けて生きていくものだ。でも恩着せがましく助けてもらってまで生きたい人なんてどれくらい居るんだろう」
「……捻くれているな」
だって魔法が使いたくても使えない、って試合をする前から負けが確定しているくらいの差だ。それを非魔力側はずっと思うのだろう。
本当だったら空を飛びたかった。本当だったら海中で呼吸出来るようになりたかった。魔王を倒して勇者になりたかった。
思ってしまう。ないものねだりだって分かっていても。
「やっと情勢が落ち着いて五十年。昔の文明は三百年前。魔法が使えなかった文明をどれだけの人が振り返ると思う? 誰が好んで不便な生活に戻りたいと思う? ――そうして人は傲慢に怠惰になっていくんです」
「娘……」
ゲラルドの青紫の瞳が切なげに細められる。それを見て、この人思ったよりも優しいのかもしれないな、なんて思ってしまった。
「て、言うのがどこかの研究者のポエム」
「は」
「研究者ならば悲観する前に何かやれ、って話だよね。そもそも正気に戻って、人の気持ちに寄り添おうとしてるところからして諦めてる。ダメ失格」
目を丸くして固まっているゲラルドに「私はね」と続ける。
「魔法が知りたい。どうして法則を与えることで魔力が変わるのか。つまりそれは反応式とか数式に近い」
魔力に違う法則をつけたら? それが人ではなく草木や生成物にだったら? 人にどうやって影響する? どんな顔を見せてくれる?
魔法という概念をどうしてくれる?
「魔法を理解して、それを魔法が使えない私が薬師として全国民を健康に導けたら? 魔法の概念、バーンってぶっ壊れると思わない!?」
魔法に頼っているのも別にいい。便利だし。魔法は今じゃ社会のカースト決めにもなっている。
だって魔法が使えないと生きていけないから。だから教会があって白魔法があって、みんなそれを頼る。
それが要らなくなったら?
きっと世界は面白くなる!
「私が第一人者になってそのあとにも魔法薬師が排出されたら。そしたら世の中絶対に面白くなる」
「……世界でも掌握したいのか?」
「まさか。そういうのは興味ない。私はただ自分の興味ある事を調べて理解して実証したいだけ」
科学というのは実験と結果と考察の繰り返し。
今は科学は色々と禁止されている事が多い。だからそれは難しいこととされている。
全部魔法で済むから。安心安全な方へみんなでお手手繋いで仲良くしましょう、って。
そんな人生は真っ平御免だ。
「人生は一度きりだもの。楽しまないと損じゃない?」
やりたい事をやって、私は満足して死にたい。もしかしたら志半ばで終わるかもしれない。でも死ぬ間際にやっておけば良かった、と思って死にたくはない。
だから私は魔法薬師になりたい。
ゲラルドは私を見つめて呆然とした表情をしていたと思ったら、突然笑い出した。大きな声でお腹を抱えて、本気で笑っている。
変なものでも食べたのか、頭を強くぶつけて今更に後遺症が出てきたのかと心配になる。ちょっと狂ってる人を相棒にはしたくない。
「豪胆な奴だと思ったが、娘よ、お前なかなかな強欲だな」
「理性ありてコミュニケーションが取れるものはみんな強欲だよ。ただお利口さんにするのが上手いだけ」
「そうかそうか、なるほどな」
まだ少しだけ笑いの余韻を残していたゲラルドは大きく息を吐いて、最後にふっ、と笑った。相当楽しかったらしい。こっちは本気なのに。
ゆっくりとゲラルドは立ち上がり、ゲラルドは自分の指を軽く振る。すると薄汚れていたゲラルドの衣服や見た目がみるみる綺麗になって、白い髪の毛は光に当たると眩しいくらいに変化した。
「お風呂要らずだ……」
「ソフィア・コネリー。僕はお前に協力しよう。その願いが叶うまで必ず」
「え! そんなにいいの!? よかったー、ゲラルドみたいな頑丈で魔力が沢山ある人なんて、きっとこれから先見つからないだろうから」
「だろうな」
私を見下ろす綺麗な青紫の瞳の中はキラキラとしている。キラキラしているのは魔素によるもの。それがまるで薄明るい空に星が輝いているようだ。
この世の物とは思えないほどに、目が奪われて呼吸が止まりそう。ついゲラルドの顔に目を伸ばしそうになる。
「これは僕からの餞別だ」
そう言って、ゲラルドは長く伸びている髪の毛を風の魔法か何かで、バッサリと短く切ってしまう。癖っ毛なのか、僅かに毛先が跳ねているのがさっきよりもよく目立つ。
切り落とした髪の毛を掴んで、何か呟いた後に手を離して床へ髪の毛の束を落とす。落とた先の床には沢山の白い髪が落ちて――いない。ふわり、と床に落ちる前に溶けるように無くなっていった。
不思議な光景に「おお」と感心の声が出る。
「これでこの小屋はお前が許可しない者は一切踏み入れることは出来なくした」
「あ! それはすごく助かる! ありがとう!」
「あぁ、だから絶対になれ。その魔法薬師とやらに」
ゆるりと笑みを浮かべるゲラルドはとても楽しそうに私を見つめる。私もゲラルドを見つめて、口角を更に上げた。
「うん! よろしくね、ゲラルド!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる