疎まれ魔女は、年下騎士の執愛に食み尽くされる~別れ話をしたら媚薬を盛られました~

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9.すっごい見てくる(☆)

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 素肌を通して伝わるテオドールの体温は、とても熱かった。触れている部分にじんわりと汗をかく。その熱から逃れようとしても、セラよりはるかに大きくたくましい身体にのしかかられて、ほとんど身動きが取れない。
 テオドールは、ひとしきりセラの舌を味わったあと、耳、首筋、鎖骨へとくちびるを這わせていく。きっと、それなりにしょっぱいだろう。

 お互い下穿き一枚の格好で、セラの脚には布地越しにテオドールの膨らんだものが当たっている。ほんのり濡れている部分があり、彼がすっかり準備万端なことを示していた。すぐにでも挿入したいだろうが、きちんと前戯をしてくれるようだ。
 とはいえ、セラの股座またぐらもそれなりに受け入れ態勢が整っているのだが、あえて言う必要はないだろう。

「……っ」

 乳房を優しくつかまれたかと思えば、テオドールの指が先端をかすめ、小さく声が漏れた。何度か撫でられると、あっという間に膨らんで硬くなり、感度が増す。指先でつままれ、押し潰され、ひねられると、快感が押し寄せて腰が跳ね、甘ったるい声が鼻から抜ける。

(すっごい見てくる……)

 テオドールの強烈な視線を感じ、セラは戸惑いのあまり目を泳がせる。たぶん、セラの反応を確かめているのだと思うが、ちょっとやめてほしい。まあ、嫌だとはっきり言うほどでもない。
 彼の視線が外れたかと思いきや、反対の乳房に顔を寄せて吸い付かれた。舌先で転がして硬くさせたあと、根元を軽く噛まれて、また舌先で先端を転がす。もう片側では、指が勤勉に動いて絶え間なく快感を生み出し続けていた。

「んっ、ちょっ、あ……」

 両胸を責められる悦楽に翻弄され、身をよじり、なんとなしにテオドールの髪へ手を差し入れる。柔らかい毛質は指に心地よいが、その奥の頭皮はじっとり濡れていた。

「気持ちいいですか?」

 不意に顔を上げたテオドールが低い声で問うてくる。目線はしっかりとセラを捉えていた。

「言わなくてもわかるでしょ」
「そうですね。続けても?」
「好きにすればいいじゃない。そういう権利をあげたでしょ」

 ぶっきらぼうに言い放つと、テオドールはふっと頬を緩めた。

「好きなときに、好きな場所へキスする権利、ですね」

 テオドールが身を乗り出したかと思うと、口元にキスが降ってくる。もうすっかり慣れて、遠慮はなくなっていた。何度もくちびるをまれ、舌を差し込まれる。絡ませ合っていると、テオドールの手がセラの下半身へ伸びた。

 突然のことに、身体がびくりと震える。下着越しに秘所を撫で上げられ、ぬるり、ひやりとした感触がして、予想以上に濡れていたのだと思い知らされた。これは間違いなく、体液が布地を貫通している。脱ぐタイミングを見誤った。

 しかし後悔に浸る余裕はなかった。テオドールの指先が下着の上から突起に触れたから。そのまま強く押し込まれ、今まででいちばん激しく身体が跳ねた。喉奥から声が漏れたが、あいにく口を塞がれているため、部屋に反響することはなかった。

「んっ、んん、……んっ」

 陰核を優しく擦りながらもテオドールは執拗にキスをしてくる。おかげでセラの嬌声はくぐもったものになるだけ。

(これは……すぐイくな……)

 冷静に分析しながら、セラは腰を動かし、テオドールの指がより良い位置に当たるよう微調整を行った。快楽が蓄積していき、まもなく限界を迎えて爆発するだろう。絶頂の予兆にセラが腰を突っ張らせたとき、唐突にテオドールがくちびるを離し、わずかに顔を上げた。
 思わず目を見開いて彼を見ると、びっくりするくらい真剣な表情で、こちらを凝視していた。

(こいつっ……! イキ顔を拝む気だ……!)

 ついでに声も堪能する気だろう。
 だがセラの肉体に蓄積した快楽は決壊寸前で、ここで中止させても自分が辛いだけ。テオドールの指の動きも止まらないどころか、セラを追いやるために速度を速めている。布越しの刺激がたまらなく気持ちいい。

「あっ、あっ、やだ……」

 自分でも恥ずかしくなるくらい甘ったるい雌の声が湧き出る。もう間もなくだ、と思った瞬間、波が一気に防波堤を超えた。

「んっ、テオ……っ!」

 絶頂の瞬間、なぜ名を呼んだのかは自分でもわからない。膣が激しく収縮し、そのたびに凄まじい快楽を生産し、下肢がびくびくと引きつる。

「あ、ああ……」

 テオドールの指の動きは緩慢になったものの、まだ刺激を与えてセラを翻弄してくる。鋭敏になった性感帯から送り込まれる快楽は強烈に過ぎ、享受しがたい。

「ちょ、もう、やめて……」

 弱弱しく懇願すると素直に従ってくれたため、セラは呼吸を整える。
 まだ膣がヒクついているが、おおかたの波は去った。性行為に及んだのは久々で、その分だけ深々と達してしまったようだ。
 テオドールはまだこちらを凝視している。ばかやろう、と内心で毒づきながら、羞恥のあまり顔を背け、腕で目元を覆った。その腕を、テオドールにやんわりと取り払われる。

「隠さないでください」
「貴方がめちゃくちゃ見るから……」
「見たいから……だめですか」

 懇願するように囁かれ、セラはきっぱりノーと言えなかった。

「不細工だったでしょ」
「いえ、かわいいと思いました。心の底から。声だって」
「あ、そう……」
「脱がせてもいいですか?」
「……自分で脱ぐ」

 下着がどんな具合になっているか、確認するのがあまりに恐ろしかった。寝たまま腰を浮かせてずり下げると、たっぷり分泌液を含んで信じられないくらいずっしり重みを増していた。まだ数回しか着用していないが、捨ててしまおうか。

 太ももの半ばまで下着を下ろしたとき、テオドールの手が伸びてするりと引き抜かれてしまった。寝台の端に放り投げられ、セラの視界から消える。まあいいか。

 テオドールがセラの下半身側へ移動したため、次はいよいよ挿入かと思って脚をわずかに開いたところで、彼の手が女陰へ伸び、指が割れ目をなぞる。指の動きに従って、あふれた蜜が尻の方へ流れていった。
 テオドールの指先が膣口に宛がわれ、セラは彼がなにをしようとしているのかを知って少しだけ身構える。

「んぅっ……」

 十分すぎるほど潤った膣はなんの抵抗もなくテオドールの骨張った指を呑み込み、敏感になった内部はセラの意に反してきゅっと締まって、快感を駆け上らせる。
 指は最奥まで侵入したあと入口の方へ戻り、浅い部分を撫で始めた。なにかを探るような仕草で指を動かされ、とある箇所を押された瞬間に腰が跳ねて、テオドールへ弱点を教えた。

「あっ、やっ」

 指の腹でゆっくり優しく圧迫され、媚肉がひくひくと反応する。
 その緩慢な動作が繰り返され、もどかしい快感に自然と腰を揺らしていた。
 この部位を激しく擦るように愛撫してくる男は多かったが、テオドールの触れ方は一線を画していた。彼の気質を表すように穏やかでいて、的確に弱点へ触れ、ぐっと押し込みながら指の腹でざらりと撫でられる。
 気持ちよさに全身がぞくぞく震え、秘所は愛液を生産し続けるが、先ほど陰核を撫で回されたときのような決定打とならない。

(なんて小賢しい触り方!)
「ん、んんっテオドール……っ!」

 おねだりするような声が出た瞬間、青年が至極満足そうな笑声を漏らしたのを聞き逃さなかった。

「どうしてほしいですか?」

 声に潜む嗜虐的な色。物腰柔らかで謙虚で紳士的で照れ屋だった彼が見せた『男』の姿に、快楽に支配されかけていたセラの心がカッと沸き立つ。

「キスしてほしい」
「……仰せのままに」

 テオドールは一瞬意外そうな顔をしたが、すぐに顔を寄せてきた。セラはすかさず手を伸ばし、彼の左頬をつねり上げる。

「調子に乗らないで!」
「も、申し訳ありません……」

 先ほどとは打って変わり、テオドールは叱られた犬のようにしゅんとした姿を見せる。

「わたしの為すことに翻弄される貴女が愛しくて……我を忘れました」

 セラがよく知るテオドールに戻ったことで一安心しつつ、せっかくの盛り上がりを台無しにしてしまったことへの罪悪感も覚える。

「ん、ああいう触り方は嫌いじゃない……けど」
「けど?」
「わたしがなにを望んでいるか、察してみなさい」
「承知しました。名誉挽回に努めます」

 テオドールの優しい口づけが額や頬に降ってくる。最後にくちびるをしっとりと吸われ、心地よさに身体が弛緩した。

「少し、脚を開いてくださいますか」

 言われるままにすると、テオドールが両腿の間に入り込み、股座へと顔を寄せていく。熱い息がかかったかと思ったら、突起を吸われていた。
 一度イかされて敏感に尖ったそこは、柔らかい刺激を受けながらセラへと強烈な快感を伝える。

「……っ!」

 くちびるで挟み込まれ、舌で舐め回され。再びセラを極地へいざなおうとする。さらに、先ほどまで緩慢かつ執拗に行われていた膣内への圧迫も開始され、二拠点への同時攻撃に凄まじい勢いで上り詰めていく。

「ああっテオドール……!」

 セラが脚をばたつかせると、腰を押さえられ動きを止められた。快感の逃げ場がなくなり、あとはただ素直に絶頂を受け入れるしかなくなる。

「あ、いくっ、あああっ」

 びくびくっと膣が震え、テオドールの指を強く咥え込む。収縮に合わせて彼の舌と指が動き、さらなる快楽が生じた。

「あっやっ……もうだめ」

 両ももでテオドールの頭をきつく挟んで抗議する。顔を上げたテオドールと目が合って、慌てて逸らした。彼はたしかに満足そうに微笑んでいたが、そこにもう嗜虐の色はない。

 羞恥を覚えながらも、セラは寝台に四肢を投げ出し、胸を大きく上下させる。だが夜はまだまだこれからだ。今度は、テオドールを官能の極致へ導いてやらねばならない。
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