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Ⅱ 最低な番相手
①
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ジリスをネモスの部屋に招待する、と正式に返事が届いた。自分からお誘いしたのだが、ジリスは自分の居室ではもてなしが出来ないから助かった。
翌日、侍女に連れられて王太子宮殿を歩いた。ネモスの宮殿は、白国王太子が歴代住むという大きな建物だ。まるで上流貴族の小城のようだ。
ジリスはその最上階である五階の一室を与えられていると分かった。
ネモスの居室は三階のワンフロア全て。重厚な玄関ドアを通過し、白を基調とした重厚な室内へ通される。室内を見てジリスは舌打ちをしたくなった。
(なんだよ。白国だって、室内を真っ白になんてしないじゃんか)
ネモスの部屋は大理石や調度品が差し色になり、白が基本であるが落ち着きのある色調になっている。
黒国だって、黒が基本だけど真っ黒にするわけではない。やはりジリスの居室は嫌がらせの意味合いが強いのだと納得した。
「こちらにネモス殿下がいらっしゃいます」
侍女に案内されて中庭の見える明るい部屋に入室した。ネモスはすでに茶を楽しんでいるようだった。
「失礼します。ネモス殿下、ジリスでございます」
声を掛けると、めんどくさそうにネモスが目線を向けた。そして、ネモスの隣には金髪の女性がいた。
女性は美しい外見をしているが、まるでジリスを値踏みするような目で見てきた。その目線に敵意が込められていると感じた。
ネモス殿下は女性の腰に腕を回し密着して座っている。これは、もしかすると、特別な関係ではないだろうか。
ジリスの心がザワザワした。
「黒オメガ、座るがいい」
偉そうなネモスの言葉にイラッとしながらも、何とか会釈を返してジリスは席に着いた。
すぐに侍女がジリスの前に白茶を用意した。
「黒オメガ、紹介する。オレの愛するミーナだ。オレは彼女を伴侶と決めている」
着座してすぐに衝撃的な言葉を言われて、ジリスは血管がぶち切れそうになった。そんなジリスを、赤い口紅の女性がクスッと笑った。
その瞬間、言いようのない怒りがジリスに生じた。
「ネモス殿下、それでは僕は番になれません」
出来るだけ冷静に一言を伝えた。番になり王妃であることは神の掟なのだ。番とは別に伴侶を作るなど、これまでに聞いたことが無い。
「いや、番はお前だ。オレは王になりたいからな。発情期に噛んでやろう。ただ、噛むだけだ。オメガの番を得れば、別に愛さなくても王にはなれる」
「お断りします。そのようなことを言われて、番になるとお思いですか?」
ジリスは言い放って席を立とうとした。しかし、侍女に行く手を阻まれる。この室内は、侍女侍従が皆ネモスに従っているのが分かる。
道を開けない侍女をにらむと、ゆっくりとネモスが立ち上がった。ジリスのもとに歩み寄るネモスは、身体が大きい。
ソファー席では楽しそうにミーナがジリスを見ている。
不穏な空気にジリスは心臓が冷えるような恐怖を感じた。
「黒オメガ、逃がすと思うか?」
ジリスの腕をネモスの大きな手がつかんだ。
翌日、侍女に連れられて王太子宮殿を歩いた。ネモスの宮殿は、白国王太子が歴代住むという大きな建物だ。まるで上流貴族の小城のようだ。
ジリスはその最上階である五階の一室を与えられていると分かった。
ネモスの居室は三階のワンフロア全て。重厚な玄関ドアを通過し、白を基調とした重厚な室内へ通される。室内を見てジリスは舌打ちをしたくなった。
(なんだよ。白国だって、室内を真っ白になんてしないじゃんか)
ネモスの部屋は大理石や調度品が差し色になり、白が基本であるが落ち着きのある色調になっている。
黒国だって、黒が基本だけど真っ黒にするわけではない。やはりジリスの居室は嫌がらせの意味合いが強いのだと納得した。
「こちらにネモス殿下がいらっしゃいます」
侍女に案内されて中庭の見える明るい部屋に入室した。ネモスはすでに茶を楽しんでいるようだった。
「失礼します。ネモス殿下、ジリスでございます」
声を掛けると、めんどくさそうにネモスが目線を向けた。そして、ネモスの隣には金髪の女性がいた。
女性は美しい外見をしているが、まるでジリスを値踏みするような目で見てきた。その目線に敵意が込められていると感じた。
ネモス殿下は女性の腰に腕を回し密着して座っている。これは、もしかすると、特別な関係ではないだろうか。
ジリスの心がザワザワした。
「黒オメガ、座るがいい」
偉そうなネモスの言葉にイラッとしながらも、何とか会釈を返してジリスは席に着いた。
すぐに侍女がジリスの前に白茶を用意した。
「黒オメガ、紹介する。オレの愛するミーナだ。オレは彼女を伴侶と決めている」
着座してすぐに衝撃的な言葉を言われて、ジリスは血管がぶち切れそうになった。そんなジリスを、赤い口紅の女性がクスッと笑った。
その瞬間、言いようのない怒りがジリスに生じた。
「ネモス殿下、それでは僕は番になれません」
出来るだけ冷静に一言を伝えた。番になり王妃であることは神の掟なのだ。番とは別に伴侶を作るなど、これまでに聞いたことが無い。
「いや、番はお前だ。オレは王になりたいからな。発情期に噛んでやろう。ただ、噛むだけだ。オメガの番を得れば、別に愛さなくても王にはなれる」
「お断りします。そのようなことを言われて、番になるとお思いですか?」
ジリスは言い放って席を立とうとした。しかし、侍女に行く手を阻まれる。この室内は、侍女侍従が皆ネモスに従っているのが分かる。
道を開けない侍女をにらむと、ゆっくりとネモスが立ち上がった。ジリスのもとに歩み寄るネモスは、身体が大きい。
ソファー席では楽しそうにミーナがジリスを見ている。
不穏な空気にジリスは心臓が冷えるような恐怖を感じた。
「黒オメガ、逃がすと思うか?」
ジリスの腕をネモスの大きな手がつかんだ。
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