【本編完結】番殺しの黒オメガが背負う愛は

小池 月

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Ⅴ 黒魔術

②※

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 逃せられない熱が苦しい。身体が内側から爆発しそうだ。

「はぁ、あぁ、もう、嫌だぁ。苦しいぃ」
 泣いても叫んでも、求めるモノが得られない。満たされなくて辛い。

「ジリス様、もう一度、ナカをお慰め、します」
 アルの声がする。掠れて、苦しそうなアルの声だ。

 薄っすら目を開けると、汗だくで歯を食いしばるアルの姿がある。ジリスはただ、見つめた。

(アル、苦しそうだ……)
 ジリスの視線に気が付いて、アルがそっと頬を撫でてくれた。優しい触れ方だ。

「アル……」
 呼んでみると、ジリスの頬を涙が伝った。

「ジリス様、お苦しいですね。俺なんかより、あなたがもっと辛いはずだ」

 アルの言葉が心に届く。次の瞬間、ジリスの後腔にズン、と何かが侵入した。グポっと身体の中で湿った音がする。その動きで数本の指だと分かる。

「あぁ! ん~~」
 気持ち良さに一瞬、目の前に星が飛ぶ。腰をカクカク動かして内腔の感覚に酔いしれた。

「はぁ、はぁっ」
 前も触って欲しくて、アルを見た。

 アルは、手袋をした片手でジリスの後ろを慰め、もう片手で自分の起立を慰めている。

 アルの視線がジリスに注がれている。ジリスの背筋がゾクリとする。

 アルが雄の顔をしている。アルが欲情している。そう思うと腹の底がキュンキュンして、ジリスは必死に腰を動かした。

「あ、アルぅ、挿れてぇ。コレ、中に欲しいよぉ」
 ジリスは震える手をアルの起立に手を伸ばした。そのジリスの動きで埋まっていたアルの指が抜けた。その刺激に「んっ」と声が漏れた。

 ――そこにコレを埋めて欲しい。激しく突いてほしい。
 奥が切なくて泣けてくる。

「あぁ、いけません! ジリス様、それだけは!」

 アルがよけようとしたが、一瞬早くジリスがペニスに触れた。

 ぬちゃりと粘液が手に触れる。湿ったペニスの独特な肌感。

(コレが、欲しい!)

 艶めかしくそそり立つモノに吸い寄せられて、ヒクついている鈴口を味わった瞬間。

「ぐうぅ、おぇ」
 ジリスの身体が痙攣をするように震えた。激しくえずく。

 ――気持ち悪い! コレジャナイ!

 ジリスの身体全身がアルを拒絶した。

「あぁ、ジリス様」
 アルの悲しそうな声だ。

 ジリスを満たして欲しいのに、その相手はアルじゃない。それはハッキリわかる。

 でも、アルにしかすがることが出来ない。

「アルぅ、助けてぇ。苦しいよぉ」
 どうにも出来ずにジリスは泣いた。泣きながら快感を求めて腰を動かした。

「ジリス様、お助けできず、申し訳ありません。申し訳、ありません」

 アルの泣きながらの謝罪が耳に届いた。その謝罪に、『アルのせいじゃないよ』と答えたいのに出来ない自分がいる。

 その内に、ジリスの内腔にアルの指が入り込み、身体が痙攣するほどの快感をくれた。気持ち良さと切なさで、ジリスはワケが分からなくなった。

 快感を得ても満たされなくて苦しい。何度もアルに助けを求めて、何度もアルが謝罪した。
 助けてくれないなら、殺してくれ、と訴えた。アルは、ひたすら泣いていた。

 二度目の発情期は、ジリスとアルを苦しめる最悪なモノだった。
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