【本編完結】番殺しの黒オメガが背負う愛は

小池 月

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Ⅹ 白の国王と王妃

③※

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「あっ、イタズラが過ぎますっ、ジリスさまっ」
 アルの声にジリスのお尻がキュンとする。アルの頬が紅潮して雄の瞳に変わっている。獲物を見定めたような顔をする。

 強い瞳に捕らわれてジリスは動けなくなる。ジリスを食べ尽くそうとする、アルファの顔だ。

 この先は、ジリスが泣かされる番だ。想像してジリスの背にゾクリと震えが走る。
 これから、ジリスの内腔をアルが指で堪能するだろう。身体が期待にブルブル震える。ヒクヒクとうごめくソコを自制できない。

「ココ、期待してますか?」
 アルの太い指がトントンと後孔をなぞる。
「んっ、やめ、やめて、あ」
 小さい声で抵抗するが、後孔からはネチャリと液が伝う。

「すごい。濡れてる。後ろのお口も、ほら。パクパクしています。俺の指をハムハムして、可愛い」

 アルの指は挿入りそうで挿入りこまず、静止する。まるでジリスの入り口の動きを確かめているようだ。その意地悪さにジリスの下腹部がヒクつく。

「んっ、アルのばかぁ。ナカ、突いてよぉ、トントンってぇ」
「あぁ、ジリス様!」

 声と共にジリスの後ろに指が埋まる。ズボっと音がしたのではないかと思うほどの衝撃だ。ジリスの全身に衝撃が走り、目の前がチカチカする。内腿に力が入り下腹部の奥がキュウっとする。
 必死で荒い呼吸の口に手を当てれば、アルは妖艶な笑みを浮かべる。まさか、と思ったが。

「ひぅっ!」
 アルの指はジリスの奥をトンと突いた。何故かとても感じるその場所。我慢できない快感が走る場所。
 ジリスの腹部がビクビクと痙攣する。

「あぁ、ジリス様、可愛らしい。愛らしくて、食べつくしてしまいたい!」
 アルがジリスのペニスにしゃぶりついた。

「ん~~!」
 声に出せない悲鳴がジリスの喉にこもる。ハクハクと心臓が動く。

 アルの熱い粘膜の刺激に、ジリスは腰を突き出して快感を追った。後ろに入った指がズボズボと音を立ててジリスを追い込む。

「ひゃぁっ! もう、もうダメぇ」

 一際大きく腰を突き出してジリスは果てた。アルが口で受け止めて、残滓を吸い上げる動きをする。
「んっ」と声を出しながらトロっと精液が溢れる感覚に酔いしれた。

(気持ちいい。これを、アルにしてあげたい)

 ぼんやりとした頭で、ジリスはアルのペニスに目を向けた。隆々と勃ち上がり、いやらしく光っている。その大きさと逞しさにジリスの腰がモジっとする。

「アルに、しても、いい?」
 アルの瞳をのぞき込む。

 ジリスが抵抗なくアルのペニスを口で奉仕できれば、きっと番の上書きができる。これが出来ればネモスとの番は解消されているはずだから。

 青い瞳がキラキラと輝いた。アルの抱える不安が瞳の奥に見える。ジリスがアルを受け入れられなければ、アルとジリスの歩む道は違えてしまう。

「ジリス様、どうぞ、お好きに」
 不安を押し隠すように青い瞳が微笑んだ。ジリスも微笑みを返した。

 ジリスはアルの足の間に移動した。そそり立つペニスを握って擦る。先走りでドロドロだ。

 大きなその形を確かめるように手でなぞった。パクリと割れ開く鈴口は敏感な部分。アルが腰をビクつかせるところ。

 指先をカリッと入れてみると「んぅっ」とアルがうめく。そこから、大きく張り出す亀頭部分。くびれがすごい。こんなに見事なモノがジリスの中に入るのかと疑問が生じる。くびれ下の太い幹。
 男だ、と実感する。

「アル、ここ、かっこいいね。立派だ」
「ブハっ! ジリス様、そんな褒め方ってありますか?」

 アルがクスクス笑うと腹筋の動きでペニスが揺れる。ブンブンと震えるペニスの先端を撫でてみた。活きが良いなぁとジリスは眺めた。

「ジリス様」

 優しい声に反応してアルの顔を見れば、両頬を手で包まれる。ジリスの唇にアルの指が触れる。
 促されるままに薄く口を開ければ、そのままアルのペニスの先に顔を誘導される。ドキドキする。

 不安になってアルを見れば、アルが緊張しているのが分かる。ジリスよりアルの方が不安そうだ。
 ジリスはアルにニコリと笑みを向けた。きっと大丈夫だよ、と伝わるように願った。

 ――そして。
 ジリスはアルのペニスを口に迎え入れた、が。

「うえっ! 苦し、おえぇ!」
 途端に全身に寒気が走り、胃の中が逆流する感覚に襲われる。堪えきれずにビシャっと床に嘔吐した。

「ジリス様!」
アルがすぐに背中をさすってくれる。自分の中にアルのフェロモンが入り込んだ瞬間、身体が拒絶するのが分かった。ジリスの額に冷汗が流れる。

 吐きながらジリスは声を上げて泣いた。ハッキリ分かった。アルとは番になれない。きっとネモスが死のうと、ジリスに刻まれた番契約は消えない。

 泣き崩れるジリスをアルが抱きしめてくれた。アルは何も言わなかったが、悲しみと絶望が痛いほどに伝わってきた。
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