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番外編 ジリスが向き合うモノは
王妃として①
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アルが国王就任スピーチをして半年が経過した。あっという間にアルが国王として認知された。
国政はアルを中心に動いている。これまで貴族の中で孤立していたアルに、上流貴族たちがすり寄っているようだ。権力の流れは人の態度を変えるらしい。
「じゃ、ジリス様、公務に行ってきます。ジリス様はゆっくり過ごしてください」
「うん。いってらっしゃい」
朝食を食べてすぐにアルは居室を後にする。国王は忙しい身だ。
アルは国内の経済安定化に尽力している。ネモスに加担した貴族から没収した財産で、国内インフラの整備、公益事業の拡充を図るそうだ。没収財産を王の財としないところがアルだなぁと感心した。
そしてジリスは、王妃として特に仕事がない。自由なのだが、正直、暇だ。
王妃らしいことと言えば、貴族との社交の場に顔を出している事。そのほとんどが、王妃と信頼関係を持ちたい貴族のお茶会、親睦会ばかり。
アルが厳選しているとはいえ、当たり障りなく過ごすのが疲れる。どうも貴族の付き合いはジリスには向いていない。
アルが政務の日中。少し出かけたい衝動にかられた。茶会や買い物ではなく、ただブラブラしたい。
「ね、ちょっと出かけたいけど、いいのかな? アルに許可もらったほうがいい?」
侍女に声を掛ければ、ニコリと微笑んで「王妃様の望むように、と言われております」と外出の準備をしてくれた。
アルの事だから、ジリスの要望に応える準備をしているのだろう。そんな万全さに笑いが込み上げる。
王城の侍従をしている中年男性が案内をしてくれることになった。白国王都をどう行けば良いのかジリスには分からないから助かる。いつもはアルに任せきりだ。
「ジリス王妃殿下、お出かけのお供をしますルルドと申します。王都のご案内もいたします。何でも申し付け下さい」
礼儀正しい四十代と思われる男性は、時々室内に出入りしてくれている。知っている顔にジリスはホッとした。
「うん。よろしく頼みます。気分転換に外の景色を見てみたくて。買物とかじゃないんだ。えっと、わかるかな?」
「はい。では、秋の景色はいかがでしょう? 今ですと、郊外では果実の収穫もしているかと。そのような自然の風景をご覧になりませんか?」
「それは、ぜひお願いしたい!」
ジリスの要望をよく理解してくれるルルドに安堵感を覚えた。さすがアルが厳選した侍従だ。
「はい。では、膝掛など用意いたします」
穏やかに微笑むルルドとともに、王家の獣馬車に乗った。王都の近くならいいけれど、郊外まで足を伸ばすには馬車では時間がかかる。獣馬車で行く方が楽だ。
「夕方までに戻りたいから、すぐに行こう」
「かしこまりました」
ルルドはニッコリ微笑んでくれて、二十分後には出発となった。護衛の準備の速さにも驚いた。皆、嫌な顔一つせず動いてくれて、白国の人たちも良い人たちだと思った。ネモスの侍女侍従と比べたら雲泥の差だ。
アルがいないと寂しいけれど、一人の行動は特別感があってドキドキする。ちょっとした冒険気分だ。
国政はアルを中心に動いている。これまで貴族の中で孤立していたアルに、上流貴族たちがすり寄っているようだ。権力の流れは人の態度を変えるらしい。
「じゃ、ジリス様、公務に行ってきます。ジリス様はゆっくり過ごしてください」
「うん。いってらっしゃい」
朝食を食べてすぐにアルは居室を後にする。国王は忙しい身だ。
アルは国内の経済安定化に尽力している。ネモスに加担した貴族から没収した財産で、国内インフラの整備、公益事業の拡充を図るそうだ。没収財産を王の財としないところがアルだなぁと感心した。
そしてジリスは、王妃として特に仕事がない。自由なのだが、正直、暇だ。
王妃らしいことと言えば、貴族との社交の場に顔を出している事。そのほとんどが、王妃と信頼関係を持ちたい貴族のお茶会、親睦会ばかり。
アルが厳選しているとはいえ、当たり障りなく過ごすのが疲れる。どうも貴族の付き合いはジリスには向いていない。
アルが政務の日中。少し出かけたい衝動にかられた。茶会や買い物ではなく、ただブラブラしたい。
「ね、ちょっと出かけたいけど、いいのかな? アルに許可もらったほうがいい?」
侍女に声を掛ければ、ニコリと微笑んで「王妃様の望むように、と言われております」と外出の準備をしてくれた。
アルの事だから、ジリスの要望に応える準備をしているのだろう。そんな万全さに笑いが込み上げる。
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「ジリス王妃殿下、お出かけのお供をしますルルドと申します。王都のご案内もいたします。何でも申し付け下さい」
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「うん。よろしく頼みます。気分転換に外の景色を見てみたくて。買物とかじゃないんだ。えっと、わかるかな?」
「はい。では、秋の景色はいかがでしょう? 今ですと、郊外では果実の収穫もしているかと。そのような自然の風景をご覧になりませんか?」
「それは、ぜひお願いしたい!」
ジリスの要望をよく理解してくれるルルドに安堵感を覚えた。さすがアルが厳選した侍従だ。
「はい。では、膝掛など用意いたします」
穏やかに微笑むルルドとともに、王家の獣馬車に乗った。王都の近くならいいけれど、郊外まで足を伸ばすには馬車では時間がかかる。獣馬車で行く方が楽だ。
「夕方までに戻りたいから、すぐに行こう」
「かしこまりました」
ルルドはニッコリ微笑んでくれて、二十分後には出発となった。護衛の準備の速さにも驚いた。皆、嫌な顔一つせず動いてくれて、白国の人たちも良い人たちだと思った。ネモスの侍女侍従と比べたら雲泥の差だ。
アルがいないと寂しいけれど、一人の行動は特別感があってドキドキする。ちょっとした冒険気分だ。
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