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Ⅰ章 生きることが許されますように

10 愛する人②※ <SIDE:タクマ>

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 全てがぞくぞくする快感。いつの間にか、また起ち上がった僕の陰茎をルーカス様の大きな固くなった陰茎がこする。

たまらない刺激に、「あぁ、うっ」と声が漏れる。さっきも大きな声を上げてしまった。ふと、僕の声が気持ち悪くないか、不安になった。

「何か、考えているね」
ルーカス様は何でもお見通しだ。

「声、僕の声が、気持ち悪いかなって……」

「可愛い声だよ。タクマの声で、俺の心臓がものすごい早鐘を打つんだ。全部隠さないで。気持ちが良い事を素直に伝え合おうよ」

そうか。ルーカス様との行為は、満たされるものだ。不安にならなくていいんだ。嬉しくて、そっとルーカス様の陰茎をなでる。大きい。何度も舐めた陰茎が、今日はさらに固く大きい。撫でるだけで、僕の心臓がドクドクなる。これ、今まで平気で口にしていたのか。恥ずかしくて顔が赤くなる。

「また、何か考えているね」
顔を包み込まれて聞かれる。密着して覆いかぶさるルーカス様の優しさが、しみ込んでくる。

「ルーカス様のコレが、熱くて、かたくて、大きくて、ドキドキしました。今まで、よく平気で口にしていたなって、急に恥ずかしくなったんです」

正直に気持ちを伝える。それだけで、恥ずかしい。

「ははは。そうか。ドキドキしてくれて嬉しいよ。俺と一緒だ。俺も、タクマが感じることに、いやらしい姿に、声に、興奮する」

ニコっと笑う顔が赤くなっている。気持ちを言葉にするのって、ルーカス様でもドキドキするのかなと、整った顔を見つめた。

そうか、一緒なのか。嬉しくなって微笑み返し、ルーカス様の陰茎を撫でさする。

ルーカス様が、「んっ」と喉で声を上げて、陰茎がビクッとするのが愛おしい。大きなルーカス様が可愛く思える。コレ、舐めたいな。顎が痛くなるほどの大きさを思い出し、ゾクリと背筋が震えた。

「あの、舐めてもいいですか……?」

手で割れ目から裏筋を丁寧に撫でながら、聞いた。「もちろん」という殿下の言葉で、あぁ、やっと舐められる、と興奮気味に陰茎に顔を向ける。

「お尻はこっち」と位置を変えられても僕は目の前の美しい起立に吸い寄せられて、頬ずりをしていた。

夢中で亀頭を嘗め回し、口に入れて舌でしごく。寝ている殿下の上に、お尻と頭の位置が逆になって覆いかぶさるようになっている。舐める事だけで、こんなに満たされる。この綺麗な大きな逞しい起立は、僕だけのものだ。だんだん僕の腰が揺れてしまう。

「可愛いね」
急な声に、びくりと身体が反応する。何が可愛いのかな、と思う間に僕の陰茎がにゅるりとしたモノに包まれる。

「ひゃぁぁ!」
悲鳴を上げていた。気持ちいぃ。目の前の勃起に縋り付いて悲鳴を上げる。

陰茎を舐められながら、僕の穴を殿下の指が一本だけ、ヌポヌポと浅く出し入れされる。心臓がバクバクと大きく鼓動を鳴らし、僕は気持ちよくて背筋が何度もビクビク飛び跳ねる。

舐めたいのに、この美しいルーカス様の勃起に縋り付くことしかできない。手で包み込めない大きな起立。ゾクリとする快感。もうワケが分からない。

いつの間にか、後ろの口に指が根元まで数本入って出し入れされている。何かヌルヌルと塗り込めながら、指を動かされる。身体の内側の粘膜をゆっくり、確かめるように触られる。こんな感覚、知らない。

これまで、そこは兄の快感のためだけに使われる道具だった。僕が気持ちいい事なんて一回もなかった。こんな、粘膜を優しく、僕の反応を確かめるような触られ方、頭がおかしくなる。身体のびくつきが押さえられない。時々上げてしまう嬌声が、僕のだと思いたくないくらい甘い声。

未知の感覚に逃げを打つ僕を、逃げないように抱え込まれる。後口がとろけるように熱い。恥ずかしい。

「綺麗だね。いやらしい色だ。ヒクヒク動いている」
うっとりと声にするルーカス様。

「ここらへんかな?」
僕の中に埋まってうごめく指を、お腹側にクイっとまげた。

「ひゃぁぁ」
途端に背中を電気が走り抜けるような、ものすごい感覚。太ももの内側が突っ張り、心臓の裏を引っかかれたような刺激が突き抜ける。

「あひぃ、いやぁ、やめてぇ!」
何度も、その場所を押さえたり、掻いたり、そのたびに張り詰めた陰茎がプシャっと液を垂らす。

初めての刺激に耐え切れず、「あぁあ!」悲鳴を上げて達してしまった。身体を支えられなくて、下に寝そべるルーカス様に倒れ込む。力が入らない。頭の中がキラキラしていて、「あ~」と、うなるような声が漏れている。

そっと、僕をベッドに寝かしてくれる。僕が下になり、ルーカス様が上に覆いかぶさり、僕を覗き込む。

「タクマ。可愛い。俺のタクマだ。タクマの中に入ってもいい?」
正直、ルーカス様のは人間サイズじゃないし入りきるか分からない。でも、ルーカス様を中に入れる、そう考えただけで心臓が高鳴り、顔が火照ってくる。

 あの、大きいので埋め尽くして、突いてもらったら、どうなっちゃうんだろう。ごくりと唾を飲み込んで、コクリと頷く。そっと顔を両手で覆われて、軽くキスをする。僕の足を抱え上げて、後口に、大きな陰茎があてられる。ずっといじられていたから、自然とクチュリと陰茎を食んでしまう。その感覚が恥ずかしい。大きすぎる、そう思った。

 グン、と力が込められ、ミシっと音がしそうなほど僕に圧がかかる。

「あぁぁぁ! うぁあ!」
悲鳴が漏れた。

自然と逃げを打つ腰。抱えられていて、逃げられない。空をける足が、ビクビク動いている。僕の後口が限界まで広がっても、まだ拡がるのかと怖くなるほど大きなものが入ってくる。

「ひゃぁぁ! いぁああ!」
悲鳴が、涙が溢れる。ガクガクと痙攣する身体をなだめるように、ルーカス様が「苦しいね、ごめんね」と繰り返している。

 僕をなだめながら侵入していたルーカス様が、止まる。身体を串刺しにされている感覚をリアルに感じる。荒い息をするたびに、僕の身体が震えるたびに、僕の粘膜が何事かとざわついて侵入物を確認している。脳にダイレクトにその感覚が入ってきて辛い。

粘膜のうごめきに、閉じられない後口に、ルーカス様の存在を感じる。身体の苦しさと心の充足がごちゃ混ぜになって、涙が頬を流れる。

「大丈夫?」
顔を覗き込まれ、声がかかる。息が上がって、返事が出来ない。

大丈夫、なのかな。もう自分で良く分からない。「ぁぁ~~」と弱く声を発するのが精いっぱい。静止していたルーカス様が、徐々に侵入を再開する。

僕は、涙と嬌声を漏らして必死で受け入れた。奥の壁に、ドチっと当たる。あぁ、全部入ったのかな。朦朧とする頭で考えた。あんなに大きなもの、入ったんだ。すごいな。苦しさの中に幸せが満ちてくる。身体がガクガクしながら、ふふっと笑ってしまった。

「どうしたの?」
心配そうな声。ルーカス様を、見上げる。

「……うぁ、あ~~」
伝えようとしたけれど、声を出そうとすると言葉にならない音だけが漏れていく。

僕に入っているモノの存在が大きすぎて、言葉が繋げない。

涙やら、よだれやら色々ぐしゃぐしゃの僕の顔を撫でて、「何でもない。いいよ。感じていて」と声が落ちてくる。奥まで届いていたルーカス様の陰茎が、奥の壁をドチドチと突き始める。

「うぁ、あぁ、だめぇ、あぁ!」
奥を揺すられるたびに、身体が跳ねて悲鳴が上がる。頭の中がキラキラきらめきだらけで、視界がはっきりしない。

その内に、ルーカス様が陰茎を大きく抜いて、差し込んでの大胆な動きになっていく。半立ちになっていた僕の陰茎を触りながら抜き差しするから、たまらない刺激に我慢できず悲鳴だけじゃなくて、陰茎から何かが噴き出した。

全身が震える。頭が真っ白になる感覚。息が続かない。足りない空気を求めて、ハクハクあえぐ口をルーカス様がキスで覆う。気持ちよすぎておかしくなる! どこかから、「可愛い」「愛している」と繰り返す声がぼんやり聞こえた。

 一瞬意識が飛んでいた。

ふと、気が付くと、「大丈夫?」と僕を見つめる精悍な顔。耳がヒクヒク動いている。まだ、僕の中に入っているルーカス様。コクリと弱くうなずくと、背中を抱き起こされる。そのまま、ルーカス様の膝の上に向かい合わせになる。

 あ、この姿勢は、まずい。色々と分かってしまった。

後口に刺さっているルーカス様、全部入り切っていない。僕のお尻が、ルーカス様の太ももに乗らない。でも、身体に力が入らなくて、自分で中途半端な位置にある僕の身体を支えられない。自然と、体重すべてが繋がりの、後口の奥の壁にかかってくる。

いけない。これ以上は、いけない。もう限界の奥だから。頭の中で警鐘が鳴る。身体が震える。

ルーカス様に縋り付くが、力が入らず、手が震える。かろうじてルーカス様が僕の腰を支えているけれど、徐々に腰を落とすように、力を加減している。

「いや、いや、無理ぃ……」
何が起きるのか、恐怖で涙が流れ落ちる。

「ふぐぅ、あぁ! いやああああ!!」

ルーカス様が、腰を支えていた手を、離した。体重が、もろに奥壁にかかって、身体の奥でグチュンと何かが開く音がした。

ありえない! 身体の奥の内側に、剛直が入ってくる。心臓が突き刺されたような圧迫感。あまりの刺激に、身体が痙攣し、意識が途切れた。完全に意識が途切れる前に、お尻がルーカス様の肌に触れたのが、分かった。
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