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貴女の涙は、お美しい
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重い一重まぶたで小さな目。ぺしゃんこに潰れた鼻。厚ぼったい唇に、そばかすだらけの肌。ダイエットを頑張っても小さくならない顔と体。全部が全部、コンプレックスだ。自分が『可愛い女の子』ではないことは物心着いた頃から分かっていた。だって、クラスのみんなが「ブサイク」だと私のことを笑うんだもの。
言われ続けて、十数年。昔は言われる度にショックを受けていたけれど、今はもう慣れてしまって、何とも思わない。へーへー私はブサイクですよ、なんて思いながら、さらりと受け流す事ができるようになった。
生まれ持った顔だ。付け替えることなんてできるわけないし、整形なんかする勇気もお金もない。ブサイクでも慎ましく、人に優しく生きてれば、きっといつか幸せな人生を送れるはず。そう思いながら、私はひっそりと生活していた。
* * *
ある日の放課後のこと。担任の先生に頼まれた仕事をしていたらすっかり遅くなってしまった。荷物を教室に置きっぱなしにしていたことを後悔した。さっさと荷物を取って帰ろうと思っていたのに。
「アウトー! 罰ゲームけってーい!」
扉に手をかけたとき、中から聞こえた声に固まった。男子たち何人かが残って何かをしてるみたいだった。最悪だ。こんな現場に遭遇してしまうなんて。今私が中に入ったら白けさせてしまうに決まっているし、後で悪口を叩かれるに決まっている。入っていい事なんてあるわけない。気付かれないように帰ろう。そう思ったときだった。
「一ノ瀬ドンマーイ!」
その名前が聞こえた瞬間、私の心臓は跳ね上がった。不意にあがった彼の名に、足を止めてしまった。
一ノ瀬くんは、同じクラスの男子。他の男子が私を「ブサイク」だと言って極力接してこないのに対し、一ノ瀬くんは私にも優しく笑顔で接してくれる。それが嬉しくて、いつの間にか彼を目で追うようになっていた。これを恋と呼ぶのはおこがましいけれど、確かに彼は私の中で特別な存在だった。
そうか、彼もいるんだ。中に。
「えー……罰ゲーム何だよ」
紛れもなく彼の声だった。やっぱりこの中にいるんだ。自然に胸が高鳴った。
「そーだなー……。あ、じゃあ、明日、森田に告白してくるってのは?」
「ちょ、お前っ」
「酷すぎ!」
ギクリ。背筋が凍った。この学年に森田って苗字は私しかいない。話のネタにされることは今までに何回かあった。聞こえるようにブスとかブサイクだとか言われたり、付き合うなら誰みたいな話題の時に、絶対ねーわ、とか言われたり。
でも、いくらブサイクだからって、罰ゲームのネタにされるのは……ちょっと、いや、かなり心外だ。しかも、嘘で告白だなんて、人のことを馬鹿にしすぎている。まして、相手が彼だなんて。この話を聞いていなかったら、私がどう思ったことか。私は拳を握る。
「いーじゃん、なんか森田も一ノ瀬のこと好きっぽいし?」
「もしかしたらOKくれるかもよ?」
うそ。彼に迷惑がかかると思って、表には出していないつもりだったのに。恥ずかしくていたたまれなくなって、顔に熱が集まった。この気持ちをそんなふうにネタにされるのは、嫌だ。
「やめろよ」
一ノ瀬くんがハッキリと言った。中にいる人達がしんとする。
もしかして、私をかばってやめさせてくれた? 一ノ瀬くんは誰にでも平等で優しいから。だから、私も彼のことを特別に思うようになっていたんだ。
でも、次の瞬間一ノ瀬くんから出た言葉は、一瞬浮かれてしまいそうになった私を、深く深く沈みこませた。
「さすがに冗談キツすぎだろ……相手がブサイクすぎるもん」
あ、れ。頭が真っ白になったのがわかった。今のは、確かに一ノ瀬くんの声で。相手っていうのは、私のことで。
なんだ。やっぱり一ノ瀬くんも私のことブサイクだって思ってたんじゃない。だったら変に優しくしないで、他の男子みたいにしてくれればよかったのに。変に期待を持たせないでくれたら良かったのに──。
「だよなー」
「さすがに一ノ瀬が可哀想だわ! やっぱここで腕立て30回で!」
「ぶはっ! それもきついだろ」
ふざけあう男子たちの声はもう耳に入ってこなかった。私はその場から逃げ出したくて、違う教室に駆け込んだ。走ってドキドキしてるのか、ショックでドキドキしてるのか、わからない。
ただうまく考えることができなくて、さっきの一ノ瀬くんの言葉がぐるぐると頭の中で繰り返されていた。
ブサイク。ブサイク。ブサイクすぎる……。
もう慣れた響きだと思っていたけど──一ノ瀬くんから言われたのは、かなり、痛かったなぁ……。
ポタリ。涙が床に落ちた。
『森田って泣き顔もブスなんだなー!』
はっとして、私は慌てて涙を拭う。「ブサイク」と言われるたびに泣いて、そのたびに「泣き顔もブサイク」だと言われて余計にいじめられた。だから、極力泣かないようにしてたのだ。でも、どうしよう、止まらない。それほど私、一ノ瀬くんのこと、好きだと思ってたんだ。
でも、こんな形で終わってしまった。私がブスだから。ブスには恋愛する資格なんかないんだ。
「……ほう。これはまた大変美味しゅうございますねぇ。喉ごしが実に爽やかです」
──美味しい? 喉ごし?
足元で小さな声が聞こえた気がした。私は涙を拭っていた手をどけて、床を凝視する。タキシードを着た小人が、ハンカチで口元を拭っていた。
「……なに、これ」
「……やや!? なんと、貴女も私が見えるとは!」
「え……」
「あぁ、困りましたね……何から申せばいいのか……。えぇと、貴女の涙、いただきました」
「……は……?」
何が何やら。謎の小人の登場により、私の涙はだんだん引いていった。
小人、だよね。私は屈んで、その小人を観察してみる。風貌は、何故か頭に黄色いヘルメットをしている、小さなタキシードのおじさん。体の割に大きなバケツを持っていて、中身こそはないものの、水滴がいくつかついていた。
ゴホン、とおじさんが咳払いをした。背筋をピンと伸ばし、胸を張る。
「私は旅の美食家。各地を回って人々の涙をご馳走になっています」
「涙……?」
「はい、私の主食は涙なのでございます」
ちょっと待って欲しい。主食が涙ってことは。
「じゃあ、さっき私の……!」
「はい、少しだけいただきました」
なんてことだ。いつの間にか謎のおじさんに涙を飲まれていたなんて。それに、涙を流すときにいたってことは。
「見たんだ? 私の、泣き顔……」
「ええ、それはまぁ」
おじさんはきょとんとした目で私を見上げた。最悪だ。
「……おじさんも、私のことブサイクだって思ったんでしょ。今まで会った中で一番ブサイクな泣き顔だったでしょ」
自分で言ってて悲しくなってきた。こんなふうに卑屈になってもしょうがないのに。それに、こんなおじさんに何を言ってるんだろう。
おじさんは少し悲しそうな顔をして、髭をさすった。
「……もしや、さっきの涙もそれが原因ですか? 誰かにそう言われたと?」
思わず表情が強ばった。図星をつかれるとは思っていなかった。私は小さく頷く。
すると、おじさんはバケツを手元に引き寄せ、持ち上げた。何をするのかと思ったら、バケツを傾けて、手のひらに中に残っていた水滴を落とした。
「……心が綺麗な方の涙は、澄んでいて透明なのです」
そう言うと、手のひらをそっと私に差し出す。小さな手のひらに、ギリギリ見えるくらいの量の水滴が乗っている。
「御覧なさい。貴女のも、そうでした。とても澄んでいて、綺麗です」
おじさんの手のひらの中の雫が、光の反射で一瞬光ったように見えた。
「貴女の涙は、お美しい。多分、今まで会った中で一番ですよ」
おじさんがにっこりと笑った。
──綺麗? 美しい?
今まで言われたことのない言葉に、私はどう反応していいのかわからず固まった。心が綺麗だなんて──今まで顔についてしか言われてこなかったし、自分ではわからないし。でも、おじさんの言葉は何だか嬉しくて、胸がくすぐったくなった。
「それと、『不細工』という言葉ですが」
言いながら、おじさんは人差し指を立てて宙に字を書く。おそらく『不細工』と書いているのだろう。
「細工せず、と書くんですよ。私は、細工していない、ありのままの貴女が素敵だと思いますよ。きっとそう思われる方は、私以外にもいらっしゃると思います」
そう言って、おじさんはまた優しく笑った。
ブサイク。不細工──細工せず。
そんなふうに考えたこと、なかった。ただただそう言われるのが嫌だった。
ありのままの私が素敵。親にまで「もうちょっと顔がよければねぇ」なんて言われたのに、このおじさんはそう言った。
『素敵』だなんて、初めて言われた。
「……っく、ううっ……! ひっく、ありが……」
気付いたら、涙がボロボロ流れていた。おじさんにありがとうって言いたかったけど、嗚咽混じりでうまく言えない。
「何がです? むしろこちらが感謝するほうですよ。美味しい涙をたらふくいただけて、満足です」
またいつの間にか人の涙飲んだのか。抜け目ないおじさんの行動には完敗だ。
「そろそろおいとまいたしましょう。ご馳走様でした」
その言葉を最後に、おじさんはバケツを背負ってどこかへ行ってしまった。おじさんが行ってしまった後も、涙はなかなか止まらなかった。嗚咽しながら泣くなんていつぶりだろうか。
多分今私、世界で一番酷い顔してる。とても人には見せられない、涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、とんでもなく不細工な顔。それでも、涙をこらえなくてもいいんだ。きっといつかおじさんみたいに、ありのままの私のことを素敵だと言ってくれる人が現れるはずだから。
言われ続けて、十数年。昔は言われる度にショックを受けていたけれど、今はもう慣れてしまって、何とも思わない。へーへー私はブサイクですよ、なんて思いながら、さらりと受け流す事ができるようになった。
生まれ持った顔だ。付け替えることなんてできるわけないし、整形なんかする勇気もお金もない。ブサイクでも慎ましく、人に優しく生きてれば、きっといつか幸せな人生を送れるはず。そう思いながら、私はひっそりと生活していた。
* * *
ある日の放課後のこと。担任の先生に頼まれた仕事をしていたらすっかり遅くなってしまった。荷物を教室に置きっぱなしにしていたことを後悔した。さっさと荷物を取って帰ろうと思っていたのに。
「アウトー! 罰ゲームけってーい!」
扉に手をかけたとき、中から聞こえた声に固まった。男子たち何人かが残って何かをしてるみたいだった。最悪だ。こんな現場に遭遇してしまうなんて。今私が中に入ったら白けさせてしまうに決まっているし、後で悪口を叩かれるに決まっている。入っていい事なんてあるわけない。気付かれないように帰ろう。そう思ったときだった。
「一ノ瀬ドンマーイ!」
その名前が聞こえた瞬間、私の心臓は跳ね上がった。不意にあがった彼の名に、足を止めてしまった。
一ノ瀬くんは、同じクラスの男子。他の男子が私を「ブサイク」だと言って極力接してこないのに対し、一ノ瀬くんは私にも優しく笑顔で接してくれる。それが嬉しくて、いつの間にか彼を目で追うようになっていた。これを恋と呼ぶのはおこがましいけれど、確かに彼は私の中で特別な存在だった。
そうか、彼もいるんだ。中に。
「えー……罰ゲーム何だよ」
紛れもなく彼の声だった。やっぱりこの中にいるんだ。自然に胸が高鳴った。
「そーだなー……。あ、じゃあ、明日、森田に告白してくるってのは?」
「ちょ、お前っ」
「酷すぎ!」
ギクリ。背筋が凍った。この学年に森田って苗字は私しかいない。話のネタにされることは今までに何回かあった。聞こえるようにブスとかブサイクだとか言われたり、付き合うなら誰みたいな話題の時に、絶対ねーわ、とか言われたり。
でも、いくらブサイクだからって、罰ゲームのネタにされるのは……ちょっと、いや、かなり心外だ。しかも、嘘で告白だなんて、人のことを馬鹿にしすぎている。まして、相手が彼だなんて。この話を聞いていなかったら、私がどう思ったことか。私は拳を握る。
「いーじゃん、なんか森田も一ノ瀬のこと好きっぽいし?」
「もしかしたらOKくれるかもよ?」
うそ。彼に迷惑がかかると思って、表には出していないつもりだったのに。恥ずかしくていたたまれなくなって、顔に熱が集まった。この気持ちをそんなふうにネタにされるのは、嫌だ。
「やめろよ」
一ノ瀬くんがハッキリと言った。中にいる人達がしんとする。
もしかして、私をかばってやめさせてくれた? 一ノ瀬くんは誰にでも平等で優しいから。だから、私も彼のことを特別に思うようになっていたんだ。
でも、次の瞬間一ノ瀬くんから出た言葉は、一瞬浮かれてしまいそうになった私を、深く深く沈みこませた。
「さすがに冗談キツすぎだろ……相手がブサイクすぎるもん」
あ、れ。頭が真っ白になったのがわかった。今のは、確かに一ノ瀬くんの声で。相手っていうのは、私のことで。
なんだ。やっぱり一ノ瀬くんも私のことブサイクだって思ってたんじゃない。だったら変に優しくしないで、他の男子みたいにしてくれればよかったのに。変に期待を持たせないでくれたら良かったのに──。
「だよなー」
「さすがに一ノ瀬が可哀想だわ! やっぱここで腕立て30回で!」
「ぶはっ! それもきついだろ」
ふざけあう男子たちの声はもう耳に入ってこなかった。私はその場から逃げ出したくて、違う教室に駆け込んだ。走ってドキドキしてるのか、ショックでドキドキしてるのか、わからない。
ただうまく考えることができなくて、さっきの一ノ瀬くんの言葉がぐるぐると頭の中で繰り返されていた。
ブサイク。ブサイク。ブサイクすぎる……。
もう慣れた響きだと思っていたけど──一ノ瀬くんから言われたのは、かなり、痛かったなぁ……。
ポタリ。涙が床に落ちた。
『森田って泣き顔もブスなんだなー!』
はっとして、私は慌てて涙を拭う。「ブサイク」と言われるたびに泣いて、そのたびに「泣き顔もブサイク」だと言われて余計にいじめられた。だから、極力泣かないようにしてたのだ。でも、どうしよう、止まらない。それほど私、一ノ瀬くんのこと、好きだと思ってたんだ。
でも、こんな形で終わってしまった。私がブスだから。ブスには恋愛する資格なんかないんだ。
「……ほう。これはまた大変美味しゅうございますねぇ。喉ごしが実に爽やかです」
──美味しい? 喉ごし?
足元で小さな声が聞こえた気がした。私は涙を拭っていた手をどけて、床を凝視する。タキシードを着た小人が、ハンカチで口元を拭っていた。
「……なに、これ」
「……やや!? なんと、貴女も私が見えるとは!」
「え……」
「あぁ、困りましたね……何から申せばいいのか……。えぇと、貴女の涙、いただきました」
「……は……?」
何が何やら。謎の小人の登場により、私の涙はだんだん引いていった。
小人、だよね。私は屈んで、その小人を観察してみる。風貌は、何故か頭に黄色いヘルメットをしている、小さなタキシードのおじさん。体の割に大きなバケツを持っていて、中身こそはないものの、水滴がいくつかついていた。
ゴホン、とおじさんが咳払いをした。背筋をピンと伸ばし、胸を張る。
「私は旅の美食家。各地を回って人々の涙をご馳走になっています」
「涙……?」
「はい、私の主食は涙なのでございます」
ちょっと待って欲しい。主食が涙ってことは。
「じゃあ、さっき私の……!」
「はい、少しだけいただきました」
なんてことだ。いつの間にか謎のおじさんに涙を飲まれていたなんて。それに、涙を流すときにいたってことは。
「見たんだ? 私の、泣き顔……」
「ええ、それはまぁ」
おじさんはきょとんとした目で私を見上げた。最悪だ。
「……おじさんも、私のことブサイクだって思ったんでしょ。今まで会った中で一番ブサイクな泣き顔だったでしょ」
自分で言ってて悲しくなってきた。こんなふうに卑屈になってもしょうがないのに。それに、こんなおじさんに何を言ってるんだろう。
おじさんは少し悲しそうな顔をして、髭をさすった。
「……もしや、さっきの涙もそれが原因ですか? 誰かにそう言われたと?」
思わず表情が強ばった。図星をつかれるとは思っていなかった。私は小さく頷く。
すると、おじさんはバケツを手元に引き寄せ、持ち上げた。何をするのかと思ったら、バケツを傾けて、手のひらに中に残っていた水滴を落とした。
「……心が綺麗な方の涙は、澄んでいて透明なのです」
そう言うと、手のひらをそっと私に差し出す。小さな手のひらに、ギリギリ見えるくらいの量の水滴が乗っている。
「御覧なさい。貴女のも、そうでした。とても澄んでいて、綺麗です」
おじさんの手のひらの中の雫が、光の反射で一瞬光ったように見えた。
「貴女の涙は、お美しい。多分、今まで会った中で一番ですよ」
おじさんがにっこりと笑った。
──綺麗? 美しい?
今まで言われたことのない言葉に、私はどう反応していいのかわからず固まった。心が綺麗だなんて──今まで顔についてしか言われてこなかったし、自分ではわからないし。でも、おじさんの言葉は何だか嬉しくて、胸がくすぐったくなった。
「それと、『不細工』という言葉ですが」
言いながら、おじさんは人差し指を立てて宙に字を書く。おそらく『不細工』と書いているのだろう。
「細工せず、と書くんですよ。私は、細工していない、ありのままの貴女が素敵だと思いますよ。きっとそう思われる方は、私以外にもいらっしゃると思います」
そう言って、おじさんはまた優しく笑った。
ブサイク。不細工──細工せず。
そんなふうに考えたこと、なかった。ただただそう言われるのが嫌だった。
ありのままの私が素敵。親にまで「もうちょっと顔がよければねぇ」なんて言われたのに、このおじさんはそう言った。
『素敵』だなんて、初めて言われた。
「……っく、ううっ……! ひっく、ありが……」
気付いたら、涙がボロボロ流れていた。おじさんにありがとうって言いたかったけど、嗚咽混じりでうまく言えない。
「何がです? むしろこちらが感謝するほうですよ。美味しい涙をたらふくいただけて、満足です」
またいつの間にか人の涙飲んだのか。抜け目ないおじさんの行動には完敗だ。
「そろそろおいとまいたしましょう。ご馳走様でした」
その言葉を最後に、おじさんはバケツを背負ってどこかへ行ってしまった。おじさんが行ってしまった後も、涙はなかなか止まらなかった。嗚咽しながら泣くなんていつぶりだろうか。
多分今私、世界で一番酷い顔してる。とても人には見せられない、涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、とんでもなく不細工な顔。それでも、涙をこらえなくてもいいんだ。きっといつかおじさんみたいに、ありのままの私のことを素敵だと言ってくれる人が現れるはずだから。
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