29 / 83
思い出編
配送のお姉さんとのお話 前編
しおりを挟む
日常で本当にあった!?ちょっと大人な出会いのお話です。
起業してはや数年。
ECサイトを中心に物販事業を頑張ってきたこともあり、
多くのお客様に利用してもらえるようになった。
最初は自宅兼倉庫のような状態ではじまった会社も、
いまでは小さいながらも倉庫を構えられるほどに成長した。
しかし、ECサイトという特性上、お客様が来店することはなく、
訪問してくるのは集荷と入荷の運送会社の人達だけだ。
運送業界も大変な時代と聞くこともあり、
いままでは男性の担当者が自社を担当してくれている。
とてもしっかり対応してくれるので会社としては
ありがたいのだが、またには女性が担当になってもいいのに
などと考えたこともあったが、
それよりも日々の業務が円滑に進むことが最優先だ。
そんなある日のこと。
いつものように入荷の便が到着した。
倉庫のインターフォンが鳴ったので対応すると、
いつもの担当さんとは違う声。。。明らかに女性の声聞こえた。
「●●配達です~。お荷物の集荷お伺いしました~。」
「はい。すぐ出ます。」
そう言って倉庫の入口に向いドアを開ける。
するとそこには丸顔にポニーテールの
かわいらしい女性が立っていた。
普段、仕事時間に女性を見ることが少ないので、
不思議なドキドキを感じてしまったが、
そんなことより荷物の受け取りが優先だ。
事務的に荷物の置き場所を指定して、
受け取り確認のハンコを押す。
すると彼女のほうからこう言われた。
「実はいままでの担当が別のルートになりまして、 本日から私がこちらのルートの担当になりますので、 どうぞよろしくお願いいたします。」
「あっ、そうだったんですね。 弊社はたまにのことになるとは思いますが、 どうぞよろしくお願いいたします。」
そんななんでもない会話をしてその日は終わった。
その後、その配達員さんとはほぼ毎日顔を合わせることになるので、
自然とちょっとした会話が増えていった。
その配達員さんは澤田さんという方で、配送の業界は長いとのこと。
基本、倉庫での一人作業か取引先との打ち合わせぐらいの日々なので、
荷物の送りだしの時に女性がきてくれることが、
いつしかちょっとした楽しみになっていた。
とはいえ、特に何があるというわけでもなく数か月が経過した。
その日もいつもお願いしている集荷時間に向けて梱包作業をしていた。
すると会社の電話が鳴る。
早速電話に出てみると澤田さんからの連絡だった。
どうやらウチにくる直前で荷物トラブルがあったそうで、
到着が遅れるとのことだった。
幸いウチはのんびりとしているので遅くなっても大丈夫なので、
最後に回してくださいと伝えると、不思議と感謝された。
そうして、他の仕事をしていて18時が過ぎた頃になってまた電話が鳴った。
またも澤田さんからだったのだが、いまから向かいますとのこと。
お待ちしておりますと伝えて送り出す荷物の最終チェックを行った。
そうしていると配送会社のトラックがやってきた。
運転席から急いでこちらに向かってくる澤田さん。
「本当にすみません。。。ちょっと面倒なことになってしまっていて。。。」
「いえいえ、ウチは今日中に送り出せれば大丈夫なので。ちなみにこの後はすぐ戻られますか?」
「いえ、ここまでずっと動きっぱなしだったのでこちらの荷物を積んだら食事してから会社に戻ります。」
「そうですか。じゃ、ご一緒にご飯しませんか?ちょうど今からデリバリー頼むので。」
「えっ!?それはダメですよ。。。そんなご迷惑をおかけできません。」
「いえいえ、偶然デリバリーが届いちゃったならいいでしょ?コーヒー飲めますか? と、お弁当頼むんですが好き嫌いあります?」
「。。。わかりました。ありがとうございます。コーヒー大好きです。基本なんでも食べられます。」
「了解です。では、注文とコーヒー用意してきますので、送り出しの荷物お願いできますか?」
「はい。もちろんです。」
澤田さんの目元がちょっとキラっとしたような気もしたが、
すぐに荷物の送り出しの作業に向かった。
送り出し事態はルーティン化していたのですっかりおまかせして、
事務所でコーヒーを入れた。
しばらくして澤田さんが伝票を持って事務所にきた。
「今日の荷物全部チェックと手続き終わりまして、積み込み終わりました!」
「ありがとうございます。デリバリーもうすぐ届くのでちょっとコーヒーでも飲んで一息してください。」
「ありがとうございます。。。なんかご迷惑かけてるのにすみません。」
「いえいえ、配送業者さんあっての我々ですから。」
「そう言っていただけるお客様ばっかりだといいんですけどね。。。」
そう言ってコーヒーを一口飲む澤田さん。
なんだか寂し気に見えて、ふとこんなことを聞いてしまった。
「もしよろしければ何があったか聞かせていただけますか?」
「えっと。。。そうですね。。。実は。。。」
どうやらウチと同じように数か月前から
澤田さんに引き継がれたお客さんのところで、
なんどもセクハラまがいの行為があったそうだ。
会社にも相談はしていたが、
今日は身体を触られたということまでおこり、
さすがに耐えかねて反論したところ、
営業所に電話をされて態度が悪いという話になり、
営業所長もきてすったもんだになったそうだ。
幸いというか、従業員の方が営業所長にフォローしてくださったとのことで、
次回から担当を変えるということで落ち着いたそうだが、
そういうことになったことが悔しくてたまらないということだった。
そんな話をしていたらデリバリーが届いた。
2個頼んでおいたので澤田さんに好きお弁当を選んでもらった。
一通り吐き出したことでちょっと落ち着いたのか、
少し笑顔が戻ったようだった。
世間話をしながらお弁当を食べ終わったところで、
澤田さんがこんなことを言い出した。
「えっと。。。ちなみに今日はもう帰られます?」
「そうですねぇ。あと1時間ぐらい作業したら帰る予定ですよ。」
「。。。じゃぁ、私、営業所戻って荷物下した後にここ来てもいいですか?」
「えっ? どういう?」
「。。。ちょっとお礼したくて。」
「そういうのは気にしなくて大丈夫ですけど、まぁここにはいますからなにか世間話でもしたかったらおいでください。」
恐らく今日そんなことがあったのなら、もう少し誰かに話を聞いてほしいのだろうと、
軽い感じでそう答えた。
「わかりました。では、後ほど。とっても美味しかったです!」
澤田さんはそう言って、お辞儀をながらトラックに戻っていった。
その後ろ姿を見送りながらやっぱりいろんな会社があり、
いろんな人間がいるものだなぁとちょっと複雑な心境になりつつも、
いつもお世話になっている澤田さんに少しは恩返しできたかな?
と考えながら片づけをして、残った仕事を片づけていた。
その時にはこの日の夜がちょっと特別になるとは知る由もなかった。
起業してはや数年。
ECサイトを中心に物販事業を頑張ってきたこともあり、
多くのお客様に利用してもらえるようになった。
最初は自宅兼倉庫のような状態ではじまった会社も、
いまでは小さいながらも倉庫を構えられるほどに成長した。
しかし、ECサイトという特性上、お客様が来店することはなく、
訪問してくるのは集荷と入荷の運送会社の人達だけだ。
運送業界も大変な時代と聞くこともあり、
いままでは男性の担当者が自社を担当してくれている。
とてもしっかり対応してくれるので会社としては
ありがたいのだが、またには女性が担当になってもいいのに
などと考えたこともあったが、
それよりも日々の業務が円滑に進むことが最優先だ。
そんなある日のこと。
いつものように入荷の便が到着した。
倉庫のインターフォンが鳴ったので対応すると、
いつもの担当さんとは違う声。。。明らかに女性の声聞こえた。
「●●配達です~。お荷物の集荷お伺いしました~。」
「はい。すぐ出ます。」
そう言って倉庫の入口に向いドアを開ける。
するとそこには丸顔にポニーテールの
かわいらしい女性が立っていた。
普段、仕事時間に女性を見ることが少ないので、
不思議なドキドキを感じてしまったが、
そんなことより荷物の受け取りが優先だ。
事務的に荷物の置き場所を指定して、
受け取り確認のハンコを押す。
すると彼女のほうからこう言われた。
「実はいままでの担当が別のルートになりまして、 本日から私がこちらのルートの担当になりますので、 どうぞよろしくお願いいたします。」
「あっ、そうだったんですね。 弊社はたまにのことになるとは思いますが、 どうぞよろしくお願いいたします。」
そんななんでもない会話をしてその日は終わった。
その後、その配達員さんとはほぼ毎日顔を合わせることになるので、
自然とちょっとした会話が増えていった。
その配達員さんは澤田さんという方で、配送の業界は長いとのこと。
基本、倉庫での一人作業か取引先との打ち合わせぐらいの日々なので、
荷物の送りだしの時に女性がきてくれることが、
いつしかちょっとした楽しみになっていた。
とはいえ、特に何があるというわけでもなく数か月が経過した。
その日もいつもお願いしている集荷時間に向けて梱包作業をしていた。
すると会社の電話が鳴る。
早速電話に出てみると澤田さんからの連絡だった。
どうやらウチにくる直前で荷物トラブルがあったそうで、
到着が遅れるとのことだった。
幸いウチはのんびりとしているので遅くなっても大丈夫なので、
最後に回してくださいと伝えると、不思議と感謝された。
そうして、他の仕事をしていて18時が過ぎた頃になってまた電話が鳴った。
またも澤田さんからだったのだが、いまから向かいますとのこと。
お待ちしておりますと伝えて送り出す荷物の最終チェックを行った。
そうしていると配送会社のトラックがやってきた。
運転席から急いでこちらに向かってくる澤田さん。
「本当にすみません。。。ちょっと面倒なことになってしまっていて。。。」
「いえいえ、ウチは今日中に送り出せれば大丈夫なので。ちなみにこの後はすぐ戻られますか?」
「いえ、ここまでずっと動きっぱなしだったのでこちらの荷物を積んだら食事してから会社に戻ります。」
「そうですか。じゃ、ご一緒にご飯しませんか?ちょうど今からデリバリー頼むので。」
「えっ!?それはダメですよ。。。そんなご迷惑をおかけできません。」
「いえいえ、偶然デリバリーが届いちゃったならいいでしょ?コーヒー飲めますか? と、お弁当頼むんですが好き嫌いあります?」
「。。。わかりました。ありがとうございます。コーヒー大好きです。基本なんでも食べられます。」
「了解です。では、注文とコーヒー用意してきますので、送り出しの荷物お願いできますか?」
「はい。もちろんです。」
澤田さんの目元がちょっとキラっとしたような気もしたが、
すぐに荷物の送り出しの作業に向かった。
送り出し事態はルーティン化していたのですっかりおまかせして、
事務所でコーヒーを入れた。
しばらくして澤田さんが伝票を持って事務所にきた。
「今日の荷物全部チェックと手続き終わりまして、積み込み終わりました!」
「ありがとうございます。デリバリーもうすぐ届くのでちょっとコーヒーでも飲んで一息してください。」
「ありがとうございます。。。なんかご迷惑かけてるのにすみません。」
「いえいえ、配送業者さんあっての我々ですから。」
「そう言っていただけるお客様ばっかりだといいんですけどね。。。」
そう言ってコーヒーを一口飲む澤田さん。
なんだか寂し気に見えて、ふとこんなことを聞いてしまった。
「もしよろしければ何があったか聞かせていただけますか?」
「えっと。。。そうですね。。。実は。。。」
どうやらウチと同じように数か月前から
澤田さんに引き継がれたお客さんのところで、
なんどもセクハラまがいの行為があったそうだ。
会社にも相談はしていたが、
今日は身体を触られたということまでおこり、
さすがに耐えかねて反論したところ、
営業所に電話をされて態度が悪いという話になり、
営業所長もきてすったもんだになったそうだ。
幸いというか、従業員の方が営業所長にフォローしてくださったとのことで、
次回から担当を変えるということで落ち着いたそうだが、
そういうことになったことが悔しくてたまらないということだった。
そんな話をしていたらデリバリーが届いた。
2個頼んでおいたので澤田さんに好きお弁当を選んでもらった。
一通り吐き出したことでちょっと落ち着いたのか、
少し笑顔が戻ったようだった。
世間話をしながらお弁当を食べ終わったところで、
澤田さんがこんなことを言い出した。
「えっと。。。ちなみに今日はもう帰られます?」
「そうですねぇ。あと1時間ぐらい作業したら帰る予定ですよ。」
「。。。じゃぁ、私、営業所戻って荷物下した後にここ来てもいいですか?」
「えっ? どういう?」
「。。。ちょっとお礼したくて。」
「そういうのは気にしなくて大丈夫ですけど、まぁここにはいますからなにか世間話でもしたかったらおいでください。」
恐らく今日そんなことがあったのなら、もう少し誰かに話を聞いてほしいのだろうと、
軽い感じでそう答えた。
「わかりました。では、後ほど。とっても美味しかったです!」
澤田さんはそう言って、お辞儀をながらトラックに戻っていった。
その後ろ姿を見送りながらやっぱりいろんな会社があり、
いろんな人間がいるものだなぁとちょっと複雑な心境になりつつも、
いつもお世話になっている澤田さんに少しは恩返しできたかな?
と考えながら片づけをして、残った仕事を片づけていた。
その時にはこの日の夜がちょっと特別になるとは知る由もなかった。
1
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

