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ローランドルート失敗②
「ブリジット…。伯爵家である君がそこまで心を砕く必要は」
「いいえ。違うクラスですが、誰しも新しい環境に不安になってしまうのは仕方のない事。
私にも経験のある事ですもの、ゆっくりと一緒に学べるように手を取り合うべきですわ」
伏せていた目を上げて潤んだ瞳を向けてくる、健気な自身の婚約者に心を打たれたローランドは、抱きしめたい衝動を抑えながらも、胸にそっと手を添えてくれているブリジットの小さな手をそっと握り、美しい黒曜石のような瞳を見つめた。
「ブリジット…」
「ローランド様…」
ほぼ抱き合った状態で見つめ合いはじめた2人に、クレアはたじろぎ口を挟めずにいると、ローランドはクレアに向かって口を開いた。
「クレア嬢はもう少し、貴族の常識をちゃんと学んだ方が良い。
それから、何度言っても聞かないので諦めていたが、やはり名前を呼ぶのはやめてくれ。
ブリジットや周りに誤解される。迷惑なんだ。私もオーガスティン嬢と改めよう」
「そんなっ!ローr」
「シュートルトだ。オーガスティン嬢」
「……シュートルト……様…」
「では、2人で食事を約束しているので、これで。さぁブリジット、行こう」
2人が寄り添って、クレアに目を向ける事なく横を通り過ぎていくのを、ただ呆然と見るしかなかった。
「いいえ。違うクラスですが、誰しも新しい環境に不安になってしまうのは仕方のない事。
私にも経験のある事ですもの、ゆっくりと一緒に学べるように手を取り合うべきですわ」
伏せていた目を上げて潤んだ瞳を向けてくる、健気な自身の婚約者に心を打たれたローランドは、抱きしめたい衝動を抑えながらも、胸にそっと手を添えてくれているブリジットの小さな手をそっと握り、美しい黒曜石のような瞳を見つめた。
「ブリジット…」
「ローランド様…」
ほぼ抱き合った状態で見つめ合いはじめた2人に、クレアはたじろぎ口を挟めずにいると、ローランドはクレアに向かって口を開いた。
「クレア嬢はもう少し、貴族の常識をちゃんと学んだ方が良い。
それから、何度言っても聞かないので諦めていたが、やはり名前を呼ぶのはやめてくれ。
ブリジットや周りに誤解される。迷惑なんだ。私もオーガスティン嬢と改めよう」
「そんなっ!ローr」
「シュートルトだ。オーガスティン嬢」
「……シュートルト……様…」
「では、2人で食事を約束しているので、これで。さぁブリジット、行こう」
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