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結婚式ですわ…
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そう、私は今大聖堂の扉前にいるのだ。
「覚悟はできたか?アデレイズ」
「ぇ、ええ。もうここまで来たら腹を括るしかないわ」
何をしているかと思えば、何とオーウェンは、大聖堂の使用許可をもぎ取りやがったのだ。
それに掛かる費用は国王陛下のポケットマネー。招待客はスケジュールに問題がない王族と、私の家の家族と王都に住んでいる仲のいい親戚。オーウェンの家のお母様と親族も一部いる。
招待状は王妃様の侍女総出で書き上げてくれた。
人数がそこまで居なかったから、早く終わったらしいけれど、王妃様は頭を抱えておられたとか。
ウェディングドレスは、殿下との婚礼で途中まで縫い上げていたものをブティックで掻っ攫ってサイズ直しとアレンジ。1ヶ月半という過酷スケジュールでも何とか対応できたのは、本当に奇跡だと思う。
星のレースが可愛いマリアベールを摘んで直して、お父様の肘へと手を添えると、大聖堂の大きな扉が音を鳴らして開いていく。
入り込む光に目を細めながら、皆私とお父様へと視線を集め、「おぉ……」と小さく声を上げる。
大注目の中、神聖なパイプオルガンが響く大聖堂の中を歩いていく。
本来ならここで王族の皆様が婚儀をあげる時には、貴族で埋め尽くされる筈だったが、今回は少人数で皆席も確保できて見やすそうだ。
大きな祭壇の前に、大司教様がニコニコしながら私の到着を見守ってくれている。
少し離れた両脇には国王陛下と、王太子殿下が証人として佇んでいる。王太子殿下、面白そうに陛下や参列者を見渡しているわね。お義兄様になる予定だった人。こういう面白い事(?)には出てくると思っていましたわ。
その錚々たるメンバーの前にオーウェンが晴れやかな笑顔で、私をまっすぐに見つめてくれている。
本当にどうしようもない人だわ。
「婚約期間は短くても良い、任せるとは言ったが、こんな短すぎるとは……」
「お父様、笑顔ですわ」
「ぅうっ」
やっとオーウェンの元まで辿り着き、差し出された手を取って誘われるままに腕へと手を添える。
お父様に向き合った私とオーウェンに、お父様は笑顔をどうにか貼り付けて言った。
「暴走は程々にしなさい。……娘を頼んだよ」
「ええ、もちろん。これはある意味意趣返しですから。本物は辺境で。その時も来てください」
「……楽しみにしているよ」
小声で交わされた言葉は、周りには聞こえなかったけれど、私にはバッチリ聞こえてますわ。
そして祭壇へと向かい、頭を垂れて言葉を待つ。
「新郎オーウェン・ディモアール。
貴方は今アデレイズ・バーミライトを妻とし 神の導きによって夫婦になろうとしています。
汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
「新婦アデレイズ・バーミライト。
貴女は今、オーウェン・ディモアールを夫とし 神の導きによって夫婦になろうとしています。
汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「…はい。誓いますわ」
あぁ、誓ってしまった。もう後戻りは出来ないし、逃げることも出来ない。わかってはいたけれど、腹を括るしかないのだわ。
「さぁ向かい合って。指輪を」
大司教様の言葉に、私たちは向かい合い指輪の交換を行う。
運ばれてきたリングピローの上にある指輪を見てギョッとした。
「さぁ、アデレイズ、手を」
「ぇ、あ、ええ」
恐る恐る出した手に、そっと嵌められた指輪を凝視する。
「ん?ブルースターダイヤモンドが良いって言ってただろ?」
「いや、あれは……」
言った。
確かに言った。
けどあれはそういうのじゃなくて!
ワガママ女作戦で放った言葉が、まさか実現するなんて思うわけないでしょーー!!
「覚悟はできたか?アデレイズ」
「ぇ、ええ。もうここまで来たら腹を括るしかないわ」
何をしているかと思えば、何とオーウェンは、大聖堂の使用許可をもぎ取りやがったのだ。
それに掛かる費用は国王陛下のポケットマネー。招待客はスケジュールに問題がない王族と、私の家の家族と王都に住んでいる仲のいい親戚。オーウェンの家のお母様と親族も一部いる。
招待状は王妃様の侍女総出で書き上げてくれた。
人数がそこまで居なかったから、早く終わったらしいけれど、王妃様は頭を抱えておられたとか。
ウェディングドレスは、殿下との婚礼で途中まで縫い上げていたものをブティックで掻っ攫ってサイズ直しとアレンジ。1ヶ月半という過酷スケジュールでも何とか対応できたのは、本当に奇跡だと思う。
星のレースが可愛いマリアベールを摘んで直して、お父様の肘へと手を添えると、大聖堂の大きな扉が音を鳴らして開いていく。
入り込む光に目を細めながら、皆私とお父様へと視線を集め、「おぉ……」と小さく声を上げる。
大注目の中、神聖なパイプオルガンが響く大聖堂の中を歩いていく。
本来ならここで王族の皆様が婚儀をあげる時には、貴族で埋め尽くされる筈だったが、今回は少人数で皆席も確保できて見やすそうだ。
大きな祭壇の前に、大司教様がニコニコしながら私の到着を見守ってくれている。
少し離れた両脇には国王陛下と、王太子殿下が証人として佇んでいる。王太子殿下、面白そうに陛下や参列者を見渡しているわね。お義兄様になる予定だった人。こういう面白い事(?)には出てくると思っていましたわ。
その錚々たるメンバーの前にオーウェンが晴れやかな笑顔で、私をまっすぐに見つめてくれている。
本当にどうしようもない人だわ。
「婚約期間は短くても良い、任せるとは言ったが、こんな短すぎるとは……」
「お父様、笑顔ですわ」
「ぅうっ」
やっとオーウェンの元まで辿り着き、差し出された手を取って誘われるままに腕へと手を添える。
お父様に向き合った私とオーウェンに、お父様は笑顔をどうにか貼り付けて言った。
「暴走は程々にしなさい。……娘を頼んだよ」
「ええ、もちろん。これはある意味意趣返しですから。本物は辺境で。その時も来てください」
「……楽しみにしているよ」
小声で交わされた言葉は、周りには聞こえなかったけれど、私にはバッチリ聞こえてますわ。
そして祭壇へと向かい、頭を垂れて言葉を待つ。
「新郎オーウェン・ディモアール。
貴方は今アデレイズ・バーミライトを妻とし 神の導きによって夫婦になろうとしています。
汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
「新婦アデレイズ・バーミライト。
貴女は今、オーウェン・ディモアールを夫とし 神の導きによって夫婦になろうとしています。
汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「…はい。誓いますわ」
あぁ、誓ってしまった。もう後戻りは出来ないし、逃げることも出来ない。わかってはいたけれど、腹を括るしかないのだわ。
「さぁ向かい合って。指輪を」
大司教様の言葉に、私たちは向かい合い指輪の交換を行う。
運ばれてきたリングピローの上にある指輪を見てギョッとした。
「さぁ、アデレイズ、手を」
「ぇ、あ、ええ」
恐る恐る出した手に、そっと嵌められた指輪を凝視する。
「ん?ブルースターダイヤモンドが良いって言ってただろ?」
「いや、あれは……」
言った。
確かに言った。
けどあれはそういうのじゃなくて!
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