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かつての姿
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宰相が向ける視線の先には、あどけなく柔らかに微笑む一人の少女が描かれた絵画が飾られていた。
窓から差し込む陽光に、少女の髪が照らされて輝く様が清廉さを表しているようだった。
「神の御許に、言葉なく行ってしまった我が娘に、安らかな眠りが訪れることを願うばかりだ」
黒の額縁の中で微笑む彼女は、宰相の愛娘であるオフィーリア侯爵令嬢だ。
学園で皆と共に過ごしていた時にも良く見せていた微笑みが、一層柔らかく描かれている。それが余計に胸に迫り、啜り泣く声が少し大きくなった。
喪主である宰相の言葉が終わると、神父が進み出て献花へと流れる。
参列者は各々手に白い花を持ち並ぶ。
壇上の棺へと花を添えると、黙祷を捧げ、宰相へと黙礼をするのだが、失った者の大きさからか、隠す事なく声を上げて泣くもの、捧げたその場で泣き崩れて棺へと縋り付く者が後をたたなかった。
その中でも、倒れそうな顔色の令嬢は、棺の元で蹲り、耐えかねる様に泣き叫んだ。
「オフィーリアさまぁぁぁ!あんなに言われておりましたのにっっ!貴女様に、諭されましたのにぃぃぃっっ、勝手なことを止められずにっっっこんな……!こんなことにぃぃぃ!私が、あの男爵の女狐に制裁をとっっ!」
窓から差し込む陽光に、少女の髪が照らされて輝く様が清廉さを表しているようだった。
「神の御許に、言葉なく行ってしまった我が娘に、安らかな眠りが訪れることを願うばかりだ」
黒の額縁の中で微笑む彼女は、宰相の愛娘であるオフィーリア侯爵令嬢だ。
学園で皆と共に過ごしていた時にも良く見せていた微笑みが、一層柔らかく描かれている。それが余計に胸に迫り、啜り泣く声が少し大きくなった。
喪主である宰相の言葉が終わると、神父が進み出て献花へと流れる。
参列者は各々手に白い花を持ち並ぶ。
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