4 / 7
生徒会長のお気に入り
01/いつもの時間
しおりを挟む
放課後の生徒会室前までくると、僕はいつものようにゆっくり深呼吸をする。
何度も何度も繰り返して…、うるさいくらいの心臓の音を鎮めたくて。
そして、きゅっと右手にこぶしを作るとコンコン、と生徒会室の扉をノックした。
「あ…、七城充希です…っ」
緊張のあまりに若干上ずってしまった気がして、一人で恥ずかしくなる。
きっと、耳まで真っ赤に火照っているんだろう。そんなことを思いながら返答を待っていると、ガチャリと扉が開く。
開いた扉の先には、瞳を細めて綺麗にほほ笑む一人の少年が立っていた。
その左腕には、生徒会長であることを示す腕章が取り付けられている。
「よく来たね。さ、中へどうぞ」
その声は酷く優しくて…、脳の奥から揺さぶってくるような…甘さを含んでいて…僕はまた、心臓がうるさくなるのを感じていた。
「は、はい… 失礼します」
差し出された手のひらにこたえるように、握りしめていた右手をゆるめそっと重ねる。
彼…「小鳥遊昭仁」さんは、いつもこうやって僕を迎え入れるのだ。
まるで、お姫様をエスコートする王子様みたいに…大切そうに、僕の手を握り中へ…引き入れるように歩き出す。
僕はといえば、心臓が爆発してしまいそうなくらいドキドキして、ギュッと胸を締め付けられるような…うまく言い表せない痛みを感じて…うつむいてしまう。
そんな僕に気づいているのか、気づいていないのか。小鳥遊さんがくすっと小さく笑う声が聞こえたかと思うと、生徒会室へ足を踏み入れた僕の背の扉は、彼の手によって静かに閉じた。
何度も何度も繰り返して…、うるさいくらいの心臓の音を鎮めたくて。
そして、きゅっと右手にこぶしを作るとコンコン、と生徒会室の扉をノックした。
「あ…、七城充希です…っ」
緊張のあまりに若干上ずってしまった気がして、一人で恥ずかしくなる。
きっと、耳まで真っ赤に火照っているんだろう。そんなことを思いながら返答を待っていると、ガチャリと扉が開く。
開いた扉の先には、瞳を細めて綺麗にほほ笑む一人の少年が立っていた。
その左腕には、生徒会長であることを示す腕章が取り付けられている。
「よく来たね。さ、中へどうぞ」
その声は酷く優しくて…、脳の奥から揺さぶってくるような…甘さを含んでいて…僕はまた、心臓がうるさくなるのを感じていた。
「は、はい… 失礼します」
差し出された手のひらにこたえるように、握りしめていた右手をゆるめそっと重ねる。
彼…「小鳥遊昭仁」さんは、いつもこうやって僕を迎え入れるのだ。
まるで、お姫様をエスコートする王子様みたいに…大切そうに、僕の手を握り中へ…引き入れるように歩き出す。
僕はといえば、心臓が爆発してしまいそうなくらいドキドキして、ギュッと胸を締め付けられるような…うまく言い表せない痛みを感じて…うつむいてしまう。
そんな僕に気づいているのか、気づいていないのか。小鳥遊さんがくすっと小さく笑う声が聞こえたかと思うと、生徒会室へ足を踏み入れた僕の背の扉は、彼の手によって静かに閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる