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元治元年
告白(肆)
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(…………)
音のない部屋の中で、私とほむろの念話だけが互いの心に響いた。
彼らを救いたいか。
ほむろは確かにそう聞いた。
(叶うなら、ね)
私は、新選組を助けたい。その気持ちに偽りはない。
でも彼らを助けて、それで歴史が変わってしまったら、自分はどうなる?それを思うと怖い。だからできることなら、史実を根本的に捻じ曲げないで、彼らを助ける方法を探したい。
実際、もし歴史を変えずに彼らを救う方法があるのなら、やってみたいとは思っている。まあ、そんなパッと思いつくわけもないし、そんな都合よく行くわけもないとはわかってるけど。
それを境に、二人の心はしばらく無音に包まれた。
(………なんかずいぶんしんみりした空気になっちゃったね)
『仕方ないじゃろう。お主の生き方に影響するような話をしたのじゃから』
(………それもそっか)
『もし…………』
ほの暗い部屋の中で、ほむろの茶や黒の色彩はとても鮮やかに見えた。
『もしその瞬間が来たら、お主はどうするんじゃ?』
(…………)
私は黙って目を閉じる。
(その時になったら考えるよ。歴史を変えてまで彼らを助けたいのか、ってね)
先のことなんて、誰にもわからない。史実で誰かが死ぬ日に、私がどんな決断をするかなんて、わかるわけもない。その時になってから考えても、きっと遅くないだろう。
『お主の人生だ。どう生きようとお主の勝手じゃ。だが、お主がもし、この時代の行く末を追いかけるのであれば、妾はどこまでもお前とともにゆこう』
ほむろの言葉に、私は驚いた。ほむろがそんなことを言うとは思わなかったのだ。ほむろは私に力を奪われた存在で、私はほむろから力を奪った人間。心のどこかでは恨まれてるんじゃないかと思っていた。
正直言って、私とほむろは糸のように細いつながりだと思う。私が9回死ぬまでともに行動し、それが終わればおさらばの関係だ。確かに半年間一緒に暮らしていたが、それが義務なんだ、絆などないと言われれば何の反論もできない。
ほむろが何を思ってこう言ってくれたのかはわからない。だけど、あの社から始まった、"奪った側"と"奪われた側"の関係からは少し進展したように思えた。ほむろに、認められたような気がした。
(…………ありがとう)
だから私は素直にお礼を言った。
(よし。話したら結構すっきりしたし、さっさと寝よう)
『そうじゃな。半年ぶりにゆっくり休め』
(はーい。おやすみ、ほむろ)
『おやすみ、雫』
音のない部屋の中で、私とほむろの念話だけが互いの心に響いた。
彼らを救いたいか。
ほむろは確かにそう聞いた。
(叶うなら、ね)
私は、新選組を助けたい。その気持ちに偽りはない。
でも彼らを助けて、それで歴史が変わってしまったら、自分はどうなる?それを思うと怖い。だからできることなら、史実を根本的に捻じ曲げないで、彼らを助ける方法を探したい。
実際、もし歴史を変えずに彼らを救う方法があるのなら、やってみたいとは思っている。まあ、そんなパッと思いつくわけもないし、そんな都合よく行くわけもないとはわかってるけど。
それを境に、二人の心はしばらく無音に包まれた。
(………なんかずいぶんしんみりした空気になっちゃったね)
『仕方ないじゃろう。お主の生き方に影響するような話をしたのじゃから』
(………それもそっか)
『もし…………』
ほの暗い部屋の中で、ほむろの茶や黒の色彩はとても鮮やかに見えた。
『もしその瞬間が来たら、お主はどうするんじゃ?』
(…………)
私は黙って目を閉じる。
(その時になったら考えるよ。歴史を変えてまで彼らを助けたいのか、ってね)
先のことなんて、誰にもわからない。史実で誰かが死ぬ日に、私がどんな決断をするかなんて、わかるわけもない。その時になってから考えても、きっと遅くないだろう。
『お主の人生だ。どう生きようとお主の勝手じゃ。だが、お主がもし、この時代の行く末を追いかけるのであれば、妾はどこまでもお前とともにゆこう』
ほむろの言葉に、私は驚いた。ほむろがそんなことを言うとは思わなかったのだ。ほむろは私に力を奪われた存在で、私はほむろから力を奪った人間。心のどこかでは恨まれてるんじゃないかと思っていた。
正直言って、私とほむろは糸のように細いつながりだと思う。私が9回死ぬまでともに行動し、それが終わればおさらばの関係だ。確かに半年間一緒に暮らしていたが、それが義務なんだ、絆などないと言われれば何の反論もできない。
ほむろが何を思ってこう言ってくれたのかはわからない。だけど、あの社から始まった、"奪った側"と"奪われた側"の関係からは少し進展したように思えた。ほむろに、認められたような気がした。
(…………ありがとう)
だから私は素直にお礼を言った。
(よし。話したら結構すっきりしたし、さっさと寝よう)
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