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もろもろあって、最後の1年
プロポーズ
しおりを挟む前世の傷痕が消えてみると、
「うわあぁぁぁーーーー!!!」
ウルは急に叫んで私に背を向けると、あっという間にシャツを着込んでしまう。
「ウル?」
「……」
「あ、ラウル殿下?」
「違う。セアリアにはウルで良い。」
「わかったわ。ウル?」
ウルの様子がおかしいのでカウチから降りて回り込むと、ウルは何故か真っ赤な顔をしていた。
「ウル? 熱でも出たの?」
ウルの額を狙って自分の額をくっつけようとすれば、何故かウルに抱き締められた。
「セアリア。あの日の約束、憶えてるか?」
「約束?」
「あの日、木の上で別れる時に言ったろう? 『必ず迎えに行く』って。『待ってて』って。」
「……あ!」
「忘れてたのか……でも俺、結婚するなら絶対にセアリアが良いんだ。それで、王子に戻ってやることにした時に、セアリアと婚約したいって願い出て、父王に認められて、せっかくだから書状にしてもらったんだ。」
「それがさっきの?」
ウルは、私を抱き締める腕を緩めると言う。
「そうだよ。俺が《癒しの聖女》の処置を受けようとしている時に、グラントが来たんだ。隣国の王子がセアリアを欲してるって。
だから、傷が開かない程度にくっつけてもらって、すぐに部屋に書状を取りに行って、ここまで走ったんだ。絶対にセアリアは俺のだって、諦めてたまるかって。」
ウルは泣きそうな表情になっている。
「……うん。ありがとう。来てくれて、本当に嬉しかったよ、ウル。」
私は笑顔で答えると、ウルの額にキスをした。
ウルと視線を合わせれば、ウルが青の上着をゴソゴソとして、前世で見たことのあるリングケースを出してきたの。
コントみたいにパカッと開けば、中からはウルの瞳と同じ深い青の宝石のはまった指輪が現れる。
「セアリア、さん。25歳の聖女のお務めが終わったら、俺と結婚してください!」
「はい。喜んで!」
ロマンティックな文言なんて全然思い付かず、咄嗟に出てきたのは居酒屋みたいな返事で…
恥ずかしかった私は、真っ赤になってるウルと唇を合わせたの。
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