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本編
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しおりを挟む「ですが、その……俺としては、貴女からの好意を感じていたのですが……違いましたか?」
「…………え?」
私は頬が熱くなってきて、視線を落として両手で隠した。
「この頬の赤みは、俺が自惚れても良いのかと……」
ライド様は私の頬を押さえる両手の両手首を柔らかく掴むと、私の頬と手のひらは徐々に離れて行く。
ライド様からの強い視線に吸い寄せられるように視線を合わせた。
「どうですか? 俺は、貴女に恋……いや、貴女を愛しています。」
「…………………………わたっ私もで」
「ありがとう!」
私は、ライド様に抱き締められた。
ライド様の腕と胸に挟まれて苦しい。
ライド様の肩口に残っていた手をバタバタと主張させれば、
「申し訳ありません!」
ライド様が腕を緩めてくださり一息つくと、再びライド様と視線が絡まり、軽く唇が合わさり、すぐに離れる。
「後ろめたさのないキスは、すごくキますね。もう1回、良いですか?」
ライド様は少し瞳をギラつかせながら私に問うてくる。
無言のまま頷くと、頭を傾けたライド様と再び唇が重なる。
角度を変えながらだんだんと深くなるキスに、頭がぼんやりしてくる。
「………………………………んっ」
僅かに離れ、再びくっつくその瞬間が寂しく、私はねだるように、ライド様の首へ腕を伸ばして絡める。
ライド様もライド様で私を掻き抱くように、私の背中に円を描くように撫でる。
大きく熱いほどに温かな手のひらは心地好く、私達は荒い呼吸を繰り返し、夢中になってキスをした。
いよいよ、僅かな息継ぎだけでは苦しくなってきて、
チュッ
大きなリップ音と共に唇を離すと、ライド様と視線が絡む。
多分私も彼と同じように、潤んだ瞳と赤い顔をしているのかなと思いながら、彼の胸に頭を預ける。
ドクドクと、いつもより早い鼓動に、彼も私と同じような感情に突き動かされるようにキスをしていたのだなぁと嬉しくなった。
「離したくない。」
「私も。このまま貴方のモノになりたい。でも……」
「わかっている。フレリアと婚姻する前に、きちんとした、地固めが必要な事ぐらい。
ですがもう少しだけ。せめてあの夕日が沈むまで、抱き締めさせてください。」
「…………はい。」
そうして私達は、日暮れまでそうして抱き締め合った。
辺りが夜になりきった後になって辺境伯様の邸宅へ向かい、二人一緒に辺境伯様ご一家との挨拶を玄関先で済ませると、ライド様は騎士団の寮へ、私は使用人寮へと向かったのだった。
だから、丘の上で抱き合う私達を見ていた人物が居たことになんて、全く気付かなかった。
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