34 / 49
本編
34
しおりを挟む少し時間を戻して、砦から人員の3分の1が辺境伯邸に向かう時…
砦からはアスカと元第3王子も辺境伯邸へ向かう最後尾にいた。
ただし、中隊長らにはしないといけない《おつとめ》があるから先に行って構わない旨、アスカは伝えていた。
「さぁ、王子ちゃん。いよいよ辺境伯邸に向かうわよ!」
「わかった。」
そうして砦を出してもらった俺様だった。けれど……
──移動が馬だなんて聞いてないぞ!
俺様の移動は基本的に馬車なんだ。
なのに俺様は今、好みではない女の腰にしがみついて、ギャーギャー叫びながら馬に揺さぶられてる。
景色? 見られる訳がない!
風を切る? 切ってるのはお前だぞ、女!
そんなに抱き締めてくるなんて、どこかでスる? スるわけがない!
でもそんなにガチガチじゃないか、だと? 気の所為だろ?
そのうち、手綱を握っていた女が、後ろ手に俺様のイチモツに触れてきた。
馬の体が上下するせいで、触れられてるだけなのに扱かれてるみたいに感じて呼吸が荒くなる。
だんだん堪えられなくなって、女の肩口に噛み付いた。
すると、信じられないことに女が落馬しやがった。
俺様を下敷きにして、地面に叩き付けられる。
不運なことに、俺様はそのまま気を飛ばしたらしい。
気付けば女が、馬ではなく俺様に跨り腰を振っていた。
声にならない声で少しずつ聞き出せば、落馬した拍子に馬が逃げ、体が疼いたからそのままこの木の根元でおっぱじめたと。
「王子ちゃん、もういいわよ。ここであたしと、ずっと繋がっていよ。」
「嫌だ嫌だ嫌だ! 俺様は辺境伯邸に行ってフレリアちゃんを抱くんだ!!」
「そんなことイっ……」
「アっ…なぜだ! なぜ抜けない! まさか、このチョーカーは!!」
「《享楽のフレリア》でフレリアを享楽させていたチョーカーよ。」
「おまっ、おまえも記憶が!」
「ふふふ…《王家の種製造機》はお黙り! これだけシてるんですもの! あたしは王家の人間を孕むわ! それでこんな辺境出て行ってやるのよ!! フハハハハ…」
「ぁああっ…腰が割れる! でもやめられない! ぁああっ ぁあああああーーーー!!!」
「イきなさい! イけばイくほど、もう何も考えられなくなる!!」
「ぁああっ…ぁあああーーー!!!」
その頃、約3分の1の人員の消えた砦では…
何故か罪人の牢の鍵が全て開けられ、その者らが隣国へ逃れようと森の方へ逃げ、それを的に一部の騎士達が弓の練習をし、罪人達の血の匂いで森の魔物を多数誘き寄せ、森側の砦では魔物と騎士とが睨み合っていた。
ただしその原因を作った者達は、早馬で辺境伯邸に知らせるという名目で既に砦を去っており、素知らぬ顔で捜索隊と合流している。
残った騎士は20名弱。砦の向こうの領民達を守るべく戦う覚悟を決め、味方の人数より多い魔物から目を逸らす者はいなかった。
─・─・─・─・─
正月休み終わり。明日からは通常の1日1話に戻らせていただきます。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
『嫌われ令嬢ですが、最終的に溺愛される予定です』
由香
恋愛
貴族令嬢エマは、自分が周囲から嫌われていると信じて疑わなかった。
婚約者である侯爵令息レオンからも距離を取られ、冷たい視線を向けられている――そう思っていたのに。
ある日、思いがけず聞いてしまった彼の本音。
「君を嫌ったことなど、一度もない」
それは誤解とすれ違いが重なっただけの、両片思いだった。
勘違いから始まる、甘くて優しい溺愛恋物語。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。
彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。
王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは夫と婚姻してから三年という長い時間を振り返る。
その間、夫が帰宅したのは数えるほどだった。
※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
【完結】捨てられ令嬢の冒険譚 〜婚約破棄されたので、伝説の精霊女王として生きていきます〜
きゅちゃん
恋愛
名門エルトリア公爵家レオンと婚約していた伯爵令嬢のエレナ・ローズウッドは、レオンから婚約破棄を宣言される。屈辱に震えるエレナだが、その瞬間、彼女にしか見えない精霊王アキュラが現れて...?!地味で魔法の才能にも恵まれなかったエレナが、新たな自分と恋を見つけていくうちに、大冒険に巻き込まれてしまう物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる