【本編完】しがない男爵令嬢だった私が、ひょんなことから辺境最強の騎士と最強の剣の精霊から求愛されている件について A-side

325号室の住人

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本編

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そんな時だった。
現在は辺境伯邸でお務め中の、辺境伯家のお嬢様でありながら剣技に長けたリッカの声がした。

「皆、遅くなってすまない。」
「ワオォォ~~ンッ ワンッ ワホオッワンッ!!」

狼化した我らが副団長と共に、砦の騎士達の元へ魔法陣から出現した。

既に日没を迎えはまもなく夜を迎えるという頃の砦。
夜になれば魔物の動きが活発になる。

『砦の右側への結界は張ってあるで。わいが完全体なら、砦をすっぽり結界で覆うことも可能だと言うに…すまん!』

「声…どこから?」

『こっちや。わいは、世界最強の剣の精霊…剣精サマや。そうや、そこの獣人よ、ちぃと御使いに行ってはくれなんだか?
お前さんとは波長が合うようだ。わいの声が聞こえるとはなかなか見込みのある…』

「何だ? 剣精サマだと?」

『そうや。今から魔法陣を展開するからやな、ちぃとわいの本体ごと、ライドを連れてきて欲しいんや。
んじゃ、行くで! わいの意識、わいの意識…えいや!』

その時、抹茶色に狼化した副団長の足元が白い円の形に光り、瞬間的に狼を消した。

「え? マーロン?」

『大丈夫や……いや、間違えた。瞬間的にわいのが強ぉなったからそこへ送ったが…
いや、魔法陣へ戻れ。今度こそライドのところへ送っちゃる! えいや!』

再び白い円に光ったと思ったら、今度は同じ色に輝く剣を構えた若い男と共に狼化した副団長が光の円の中へ戻ってきた。

「え? タコチンはどこですか?」

『何言うとる? 今は砦がピンチやろうが! さぁ、わいもいったん本体へ戻って……えいや!』

すると、半ば透けて白く光る長髪の背の高い男が砦中央へ現れた。

「剣精? ここは砦? 何故俺はここへ?」

『ライドよ。現在砦では味方の人数より多い魔物と睨みおうとる。
領民を守るべく、今からわいはこの砦に結界を張る。
ライドは騎士達と共に、魔物と戦え!』

「わかりました。剣精よ、そしてこの砦の剣士達、リッカ嬢、マーロン副団長殿、共に戦いましょう!」

「「「「「「おう!」」」」」」

砦で自らの拳を空へ突き上げた面々は、剣精の力で次の瞬間には砦を背に魔物と向き合う場所に降り立っていた。

チャキッ

ライドが最強の剣を構えると剣精の透けた白い姿は消え、代わりにライトの持つ剣が力強く白く光った。

黒い不気味な狼の魔物がこちらに向かって1歩踏み出すのを合図に、砦の辺境伯騎士団員達と魔物との戦いの火蓋は切って落とされた。


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