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離・婚前旅行 2日目 夕方 R18
しおりを挟むあれから比較的すぐに、小麦畑は急に途切れて農業従事者の住まい群になった。
二階のない、ただ横に長い家と、従業員と言えるのか雇われた者の住まう二階建ての寮とに分かれているとのこと。
この領には、ただ横に長い家に住まうのが三人、その上に領主が居るそうだ。
バルトルのガイドを聞いているうちに、車窓には小麦畑と、今度は緑の葉や実や花なのか赤もちらほらと見え始め、その後は果樹の並木を通り抜け、丘の上に立派な屋敷が見えてきた。
「あれは、この辺りの領主の屋敷だ。屋敷の丘を越すと領主街があって、その下町との間に今日の宿がある。
夕方までに到着できれば、街を散策できると思うぞ。」
「本当ですか? どんな市が立つのか興味あります。」
「市…?」
「はい。下町の夕市なんて久し振りでワクワクしちゃいます。うふっ」
その会話を聞いていたかのように、馬車は夕食前には宿に到着した。
私は、バルトルの後ろ髪を解いて荷造り紐で結い、馭者から少し簡素な服を借りて彼に着せると、二人手を取り下町へ向かった。
《農家の近くには新鮮な作物を扱った美味しいモノが多い》というのは、この国の常識。
予想通り、町の夕市はとても賑やかだった。
バルトルの左手に私は右手の指を絡めた。
いわゆる恋人繋ぎをして、王都の上品なものとは違う、胃袋を直接ノックするような食べ物の匂いに溢れている市のど真ん中、私はお腹を鳴らしてしまった。
バレてしまったかどうかバルトルを見上げれば、バルトルのお腹もキュウと鳴って、二人顔を見合わせて笑い合う。
バルトルに小銭の有無を確認すると串肉一本分しか持っておらず、分け合って食べることにした。
最初の一口をバルトル、次の一口は田舎に住んでいた子ども時分を思い出して大口を開けてカプッと食べると、私が咀嚼している間にバルトルが平らげ、最後にペロリと唇を舐める。
私はなぜか閨でのバルトルの色気を思い出してしまって、頬が熱くなってしまう。
──茜色の空に紛れてバレることはないわよね。
するとバルトルが、私の耳元に囁いた。
「エリサ、暗くなったよ。」
と。
私が瞬時に耳まで朱に染めている間に、バルトルに腰を抱かれて宿へ戻る。
そのまま宿の部屋の続き部屋になっている浴室に連れて行かれて、愛されながら入浴した。
全身を綺麗に洗い、お互い何も纏わずに抱き上げられてベッドへ上がると、いつもとは逆で積み上げた枕に背中を預けたのはバルトルだった。
「今日は、エリサの上の口に入れてもらいたいな。」
私を膝の間に置いたバルトルは、その突き当りに反り返るモノへ、根元から先へ向かって自身の指先で撫でた。
私は間近に見てしまったソレから目が離せず、吸い寄せられるようにキスを落とすと、
「んっ」
バルトルから色っぽい声が聞こえた。
舌を這わせてから、大きな口を開けてソレにかぶり付くけれど、段になったところまでさえ唇で触れることが叶わないほどにソレは大きかった。
申し訳なくバルトルを見上げれば、なぜか泣きそうな表情のまま抱き締められ、耳元でお礼を言われ…………
気付くと朝。
私の体はバルトルに愛された痕でポツポツと赤く染まっていた。
バルトルは私を後ろから抱き締めているようで、背中に熱源を感じる。
私は寝返りをうつようにしてバルトルと向き合う形になると、仕返しをしたくてバルトルの胸に吸い付いた。
痕までは残らなかったけれど、薄ぼんやりと赤くなったので、私としては大満足だ。
さて。
本来ならば、侯爵領と王都とは馬車で三日の距離だ。
今日は王都を出て三日目。
私達は予定通り進んでいるのかしら。
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