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再会
しおりを挟む──えいっ!
瞼が上がりきらないので、最後は気合いで上げましたが…
どうやら私、たくさん泣いたまま眠ってしまったので、瞼が腫れているらしいです。
気合いと共に開けた筈ですが、瞼が重いです。
いつもより狭い視界を彷徨わせて室内にバルトルを探しますが、見つけられませんでした。
そこで、そっと上体を起こしてみると、バルトルはベッドの足元近くの窓辺に椅子を動かし、窓枠に頬杖をついて窓の外を眺めていました。
10日に充たない旅でした。
離れてしまってからもそこまで日が経っていないはずですが、王都の邸に暮らしていた頃よりも少しだけ日に焼け、頬のラインもシュッとされ、凛々しくなられたように感じます。
午後の柔らかな陽射しに髪が金色に透けて、レースのカーテンと共に風に揺れているのが、何だか気持ちよさそうです。
とてもカッコいいと思いました。
直後、あのバルトルは私の夫であると気付きました。
すると何だか急に照れ臭くなってしまって、頬が熱くなったのを、手の平で扇いで冷まそうとして…
その時、ふとこちらを見たバルトルと目が合ってしまいました。
宝石のように綺麗な青がこちらを向くと、私は石になったように身体の動きが止まってしまいます。
バルトルは立ち上がると、動作はゆっくりなのに近づくスピードは早くどんどん迫って来て、
ボスリッ
ベッドに座った私の足先の辺りにバルトルは腰を下ろすと、心配そうな表情でこちらに手を伸ばし、私の手を握りました。
「エリサ…まだ少し体調が悪いんだってね。」
エスコートするように持ち上げられ爪の先にキスを落とされます。
──なぜかしら。少し距離を感じるわ。
「えぇ。あの、私…」
私からバルトルと手を繋ぎたくて手を伸ばそうとしたのに、その手は空を切ってしまう。
バルトルが身を引くように立ち上がったからです。
私が驚くと、バルトルは私の手を両手包み、親指2本で弄びながら言いました。
「約束なんだ、父と母との。今日は手に触れるだけって。」
私は、いつの間にそんなことになっていたのか見当も付かずに首を傾げます。
「それ以上に触れ合えば、もっともっととエリサを求めてしまう自信がある。だって、愛しているから。愛を伝えないとって。」
「えぇ、私も。私もバルトルを愛しているから、バルトル式に愛を伝えたいもの。」
バルトルは頭を掻いて苦笑いしました。
「でも、今はエリサを求めちゃいけないんだ。大事な身体だから。あの、内も外も。」
私には、バルトルが言わんとしていることがわかりました。
もう、知っているのだと。
「あのね、バルトル。私のお腹に、貴方との《おやや》が居るんですって!」
改めて伝えると、バルトルはやはり驚いたような表情はしなかった。
その代わり、
「君は、その…産んで、くれるのだろうか……?」
怖ず怖ずと、訊ねられました。
「もちろん!」
私が力強い笑顔で答えると、バルトルはガバリと私に抱き着いて、
「ありがとう! 本当にありがとう! 頑張って2人で育てよう!!」
それだけ言うと、バルトルに熱烈なキスをされてしまいました。
数日ぶりで息苦しかったけれど、何だかとても充たされた瞬間でした。
☆お知らせ
1日1話ですと、28㈫の完結が難しい自体に…
明日から1日2話になります。
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